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2019年1月20日(日)、埼玉県比企郡ときがわ町のi-officeで開催されたときがわカンパニー主催の読書会に参加しました。

課題本は、以前こちらでも紹介した『NEW POWER』。


この本を読むのは2度目でしたが、読書会に備えて読み直すと新たな発見がありました。

やはり本というものは読めば読むほど理解が深まりますし、新たな着想も得られますね。

これに自分以外との対話を加えると、相乗効果によってさらに本からの学びが加速します。

参加者は私含め3人でしたが、充実した時間になりました。


今回は、読書会での発表内容と、参加者の問題提起から議論が展開して「関係人口」のわかりやすい説明を大発見するという体験をしましたので、その模様をかいつまんでご紹介します。


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◆ときがわカンパニー代表 関根さん

〇ニューパワーの根底にあるもの

・テクノロジーの進化を受けて、スマホを手にした「僕たちが変化している」(p19)
・「人々の参加意欲を巧みにコントロール」できる。悪い使い方や「洗脳」も可能

⇒ 普段、本業の中で関わっている「組織社会化」の考え方になじむ
   このような前提条件を正しく理解することが重要(特に若い人向け)


〇「スーパー参加者」とは?

・参加のステップを上げていく、ハードルを上げていくというのは事業をやるときと同じ。
・本屋プロジェクトもこれを意識しながら参加する仕組みを考えたい。
「スーパー参加者」を説明するいい表現はないか?(いまいちわかりづらい、というか稚拙な表現)

⇒ 「関係人口」にも共通する要素がある
  これを考えることで「関係人口」をわかりやすく説明できるのではないか。


ということで考えてみました。

参加者同士の議論から、「関係人口」は関わりの度合いから、「知る」→「参加者」→「ファン」→「サポーター」→「パートナー」というステップに分けられることを共有。

そして、「関係人口」を的確に表現できる言葉は「仲間」であることを確認しました。

特に、Sさんの「パートナー」と「仲間」というひらめきには感動を覚えました。

さすがです!

その過程では、林さんの経済的価値という発言や「対等」というキーワードが得られました。



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「関係人口」の定義については、改めて別の機会にSさんにご説明いただけることになりました。

(さっそく、ときがわカンパニーさんのブログでアップされていました!)

関係人口の定義」(ときがわカンパニーさんのブログへのリンク)

すごいのができあがっていました。



◆ラーンフォレスト代表 林さん

・医師たちは専門的な知識を習得するために厳しい訓練をしてきた。専門家となった反面、患者から遠ざかってしまった。(p28)
・自業自得という面もあるにしても、ないがしろにされたくない気持ちもわかる。


(意見交換)

・ニューパワーの及びうる範囲があるのでは。たとえば、「患者を治療する」ことは医師にしかできない。
・間違っていることを認め、ニューパワーを活用することで、正しい方向に自らの専門性を発揮することができる。
・このあたりが、ニューパワーとオールドパワーの融合、使い分けなのかもしれない
・講師業もそうだが、「変化対応」は常に考える必要がある
・『心の中のブラインドスポット』で、相手の身分によって対応が違うというエピソードがある。結局は「人」ということ



◆私

〇ニューパワーとは

・私たちの手にしている「パワー」は、テクノロジー(スマホ、インターネット)の変化とその根底にある「僕たちの変化」によるもの
・「僕たちの変化」とは、経済的・金銭的価値(利益)から、健康、地域・社会貢献、いきがいといった精神的価値(目的意識)への価値観の多様化
・そこには「協力したい」「参加したい」という感情がある=ニューパワー


〇ニューパワーを増幅させるキーワード「ACE」

・Action(行動を促す)、Connected(つながりを生む)、Extensible(拡張性がある)(p80)
・非常に今の時代の状況を表している。
・連想されるキーワード
 コミュニティ、共感、共有(シェア)、Co~、クラウドファンディング、ブロックチェーン
一つ一つの要素(個人)は小さくても、つながることで大きくなる


〇ニューパワーの問題点

・力の向く先が正しいとは限らない(犯罪、戦争、フェイクニュース)
・無責任。ゆるいコミュニティ

⇒ ビジョン、ミッションの共有が必要なのでは(支配ではなく)
  群衆にどこまで、どうやって関わってもらうのかというルール


〇「公」と「官」

・本来、ニューパワーと政治・行政は親和性高いはず ⇒ 現実は正反対(シールズの例)
・政治・行政にこそ最も必要だが、最も苦手としている分野
・キーワードは、「官」ではなく「公」を意識すること

※「公」とは、「官」ではなく、「私」と「私」がつながると生まれるものという考え方(山崎亮『コミュニティデザイン』)


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参加されたお二人は、昨年出会った私のメンターお二人でしたので少なからず気張りましたー

ではありましたが、発言をどんどん促してもらえる聞き上手(聞き出し上手?)なお二人でしたので、遠慮なく正直な考えをぶつけさせてもらいました。

安心して発言できる」という雰囲気というか、関係というのはホントありがたいですよね。

いい緊張感の中で、充実した疲労を感じました。

疲れてもエネルギーに満ちている感じ。

矛盾しているようですが、そんな感覚です。



今回の読書会では、参加者全員が加わって議論した結果として、全員が納得する成果を得られたという、フック数人による読書会ならでは感動体験をも味わうことができました。

しかも自分が選書した本の読書会でこのような体験が得られるなんて、選書者冥利につきます。

このような機会を与えていただいたお二人に感謝です。



今回の読書会の課題本はこちら。

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