SAITAMA(埼玉)暮らしと本が最強なワケ

サイタマ産まれ、サイタマ育ちの共働き夫婦によるサイタマ暮らし。 ほとんど埼玉を出ません。 埼玉LOVE♡ 本もLOVE♡ なので書評も書いています。

複業

埼玉県ときがわ町で日本初のキャンプ民泊を営む 野あそび夫婦による移住トークショー「30歳からはじめる第2のふるさとの見つけ方 ~野あそび夫婦的 無理をしない移住~」レポート

IMG_6653




2020年3月15日(日)、埼玉県ときがわ町で開催された「本屋ときがわ町」で、野あそび夫婦による移住トークショーが行われました。

題して、「30歳からはじめる 第2のふるさとの見つけ方 ~野あそび夫婦的 無理をしない移住~」




会場には、ときがわ町在住の方をはじめ、町内外から14名が参加しました。

さすがの集客力!

本屋ときがわ町でのイベントでは、過去最多ではないでしょうか。

椅子があやうく足りなくなるところでした笑



関係人口から移住へと移行する際のポイントを知りたいと思い、私も参加させていただきました。

以下、レポートとしてまとめました。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


1 野あそび夫婦とは


「野あそび夫婦」は、キャンプ大好きの青木達也(アオさん)と江梨子さん(エリーさん)夫婦のユニット名

・「自然の中で遊ぶように暮らす」がテーマ

・仕事と暮らすが一体となった生活がしたい


・2019年5月に、ときがわ町に移住し、日本初となるキャンプ民泊を開始

・キャンプ初心者のハードルになる「お風呂、トイレ、管理人」問題を解決し、まずは庭でのキャンプを楽しめる場所をつくった(NONIWA ノニワ)

・インスタグラム、YouTubeを中心とした情報発信を行い、近頃はアウトドア系の雑誌やメディア、県の移住関連のパンフレットでも紹介されている

・地域の人とも関係を築くために、季節ごとに「ときがわばっかり食堂」を開催







2 野あそび夫婦的移住 ~物件を見つけるまで~


・一度訪れただけで、ときがわ町が大好きになり移住を決意

・練馬から川越に引っ越し、ときがわ町の物件を手に入れるための資金を貯めた

・まずはインターネットで情報収集。気になったものは現地訪問

・キャンプができるような広い庭が必要という特殊な条件

・ときがわ町にある「ときのこや」で年2回開催される「ときのこやまつり」に出店したことで、町内に人脈をつくれた

・資金や移住時期の目標はたてたが、それにがんじがらめになるのではなく、ざっくりの目標とした
 → 「自分たちがやりたいことができる物件を探す」ことにこだわった

・決めた物件は、家の中にもモノがたくさん残されていて、庭は雑草が伸び放題!
 → 知人・友人の応援で、2019年3月のプレオープンを実現






3 野あそび夫婦的働き方 ~ぬるっとした移住を実現~


〇エリーさんの場合

・エリーさんはテレビ制作会社で旅番組ディレクターとして活躍
 → 番組制作を通じて、地方での生活への憧れ

・テレビの仕事も大好きだった

・「30歳」が一つの節目と考えていた

・アシスタントディレクターの頃に一度、会社を辞めて移住したいということを上司や先輩に話したことがあったが、そのときは反対された
 → ディレクターになって、NONIWA運営のために辞めることを伝えると、反対もなくスムーズだった
 → むしろ応援してもらえ、今はフリーのディレクターとして、引き続き番組制作に携わっている
 → キャンプ客が少ない冬場中心

・周りに応援してもらえるタイミング、関係づくり、自分のポジション獲得が大事だったと思う

・結果、「ぬるっとした移住」が実現できた



〇アオさんの場合


・アフリカ輸入雑貨の商社に勤務

・物件が決まってテンションが上がり、キャンプ民泊に全力投球したいというモチベーション。車で1時間の通勤はきつい。ただ、一抹の不安も・・・

・当時、会社ではリモートワークや副業などをやっている人はいなかった

・会社に、思い切ってリモートワークで働きたいことを伝えたら、意外にも叶えてくれた

・7年間、営業として一生懸命やってきたことが評価され、信頼されていたのかなと感じる

・結果、今は週2回の出勤のほかはリモートワーク



〇まとめ

・自分の思いを素直に伝えてみると、意外に会社は受け入れてくれることもある

・ただし、前提として会社の人との信頼関係が築かれていることが大切

・いきなり全部移行するのは怖いけど、複業として始めることで「ぬるっとした移住」が実現できた







4 意見交換(地域の人との関わり方を中心に)



IMG_6653


・若い人は、みんなSNSやらインターネットで情報発信する。でも年配の人は何をやっているのかわからない

・自治会やPTAの仕事に関わって、紙での情報発信も大事だと感じた
 → 人ごとに使うメディアは違う。伝えたいのであれば、その人に応じた情報発信のやり方が必要

・自分たちが、その地域とどうやって関わっていきたいのか。定住して骨をうずめたいのか、一時的な住まいと考えるかによって関わり方は変わってくる

・情報発信も大事かもしれないけど、信頼されるためには顔を実際に突き合わせることが一番大事だと感じる
 → モノがいいとか悪いとかよりも、その人を信頼できるかどうかで判断される

・埼玉県と長野県で二拠点居住にチャレンジしたいと思っている。各地で農園を借りているが、農園でのイベントなどを通じて地域の人と関わっているといろいろな情報が入ってくる。信頼されるまでになるのに3年くらいはかかった。

・地域に溶け込みたいと思うなら、地域の活動に参加することも必要(自治会、隣組など)

・地域によって受け入れスタンスも違う。組に入れてもらえなかったという友人の話も聞いた。自分は移住してきたときに、区長に案内されて全戸を回って挨拶することができたから幸運だった

・とにかく実際に会う回数を増やして、人目につくことが大事

・地域の人向けに、トークショーで話したような内容を伝えてもいいかも

・「ぬるっとした移住」の話は参考になった


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


しょっぱなからプロジェクターのランプが切れたり、ブレーカーが落ちたりするトラブルに見舞われましたが、野あそぶ夫婦さんのトーク力でなんとか乗り切っていただけました。

エリーさん、アオさん、ありがとうございました!



それにしても「ぬるっとした移住」という言葉が評判だったようで、参加者にも何度も使われていましたね笑

影響力のある言語力もさすがでした!



「ぬるっとした〇〇」には「起業」という言葉も入りそうですね。

個人的には、お二人が話していたように、地方では仕事と暮らすが一体、またはそれに近いというのが大きなポイントではないかと感じました。

学ばせていただきました。

ありがとうございました!!

『マルチプル・ワーカー 「複業」の時代』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~

IMG_1587


「⇒」は個人の感想、疑問、意見を示す



◆マルチプル・ワーカーとは?


・本業と主従関係のない「複業」に従事する人=「マルチプル・ワーカー」


・「人間はもともと複数の才能を持っており、会社の仕事ではその一部しか開花させていない」という前提


⇒ もともと複数の才能を持っているかではなく、仕事は社会やコミュニティでの「役割」「役に立てること」だと思う

⇒ 『beの肩書き』の「beの肩書き」(自分の特性)と「doの肩書き」(職業)





◆副業の4分類



・ケイパビリティと収入の2つの軸による分類

・ケイパビリティ=人や組織が持つ遂行能力

・仕事の単価は、「代替可能性」が決める
→ 他人に代替えがきかない仕事ほど単価が高い



①伏業(ケイパビリティ:低、収入:低)

・内職、アルバイト的な副業

・将来の複業の伏線としての初期段階



②副業(ケイパビリティ:低、収入:高)


・いわゆる「副業」

・アルバイト、副収入



③幅業(ケイパビリティ:高、収入:低)


・ボランティア、NPO、プロボノ

・人間の幅、スキルを広げる



④複業(ケイパビリティ:高、収入:高)

・新しい事業の起業

・本書の対象

⇒ 目指すは「複業」





◆これからの時代になぜ複業が求められるか


・企業の経営を取り巻く環境は、「変動性」「不確実性」「複雑さ」「曖昧さ」を増している
→ 「多様性には多様性でしか対応できない」(サイバネティクスの考え方)


・「個人内多様性」とは、個人が1つの専門分野に特化するのではなく、多様性を兼ね備えること
→ 複業は個人内多様性を高め、個人の集合である組織のダイバーシティも高める


・「複業」は 「パラレルキャリア」であり、「ポートフォリオ・ワーカー」である
→ 人生100年という不確実性が高い時代には、選択肢を持っておくことは、計り知れない価値を持つ


・複業する・しないに関わらず、自らの人生を自らデザインする必要のある時代





◆複業を始めるために必要なこと


「自分がなぜ複業をしたいのか」を明らかにする
→ その上で、「自分がしたいこと」「できること」「すべきこと」を考える


・社会人は、2枚目の名刺を持ちたいと思っていても、実際に何をすればよいかわからない人が大半


・自分の人生のオーナーシップを自分で握っていくためには、これまで会社に依存していた個が自律できるようになることが不可欠


⇒ 『7つの習慣』の「第1の習慣 主体的に生きる」

⇒ 徹底した自己分析の必要性





◆複業によって得られること



①収入が増える

②仕事量を減らす自由、止める自由

③定年がなくなる

④会社でリスクが負える
→ 他に選択肢があるのでチャレンジできる

⑤新規事業立ち上げのシミュレーションになる

⑥経営スキルが身につく

⑦タイム・マネジメント力の向上

⑧ネットワークの拡大

⑨複数の才能の開花


→ 結局のところ、複業の動機は収入よりも「自己実現」にある

→ 好きなことを始めた延長線で、それが外部から評価されて、ケイパビリティが高まり、その結果として収入が増える


⇒ 「自分の好きなこと」と「他者や社会に対する価値提供」が複業の2軸





『パラレルキャリアを始めよう!』まとめ ~ローカルビジネスのためのエッセンス読書記録~

FullSizeRender


「⇒」は個人的な感想、意見、疑問



◆パラレルキャリアとは何か?

・P・F・ドラッカーによる予言
「知識労働者は何歳になっても終わることがない。文句は言っても、いつまでも働きたい。・・・第二の方法は、パラレルキャリア(第二の仕事)、すなわちもう一つの世界をもつことである。」

・本書のパラレルキャリアの定義
「会社勤めなどの本業をしっかりと持ちながら、本業以外に社会活動を行なう新しい生き方」
→ 本業+社会活動

・シングルキャリアとは
「自分が本業と考える組織、あるいは役割に全面的に依存してしまい、その価値観を疑問の余地なく受け入れ、その状態から変化する可能性すら想定していない場合」


⇒ 本書ではパラレルキャリアとは本業(職業)+社会活動(役割)ととらえられており、あくまで主たる収入である本業と、収入にとらわれない役割としての社会活動は別という考え方

⇒ だが、定義にあるとおりパラレルキャリアは「新しい生き方」であり、本業と社会活動の区別なく、文字通り「平行して」複数の職業や役割を担うことと捉えてもいいのではないか。(これは同時に私の「複業」の定義)

⇒ そこでは仕事=収入=お金よりも、個人による価値提供という役割が強調される

⇒ そうすることで、働き方=生き方と捉えることが容易になる

⇒ つまり、パラレルキャリアとは、社会において果たしている自分の役割を見える化したものである

⇒ また、自分の目指そうとする生き方を、社会における自分の役割として具体化したものである

⇒ 生業(なりわい)、わたくしごと(私=仕事)、くらしごと(暮らし=生きる=仕事)




◆「二枚目の名刺」を持つことの意味とパラレルキャリアで得られるもの


〇二枚目の名刺

・会社人としての1枚目の名刺だけでなく、2枚目の名刺を持つことを通じて自分の価値観や実現したいことが明確になっていく。1枚目の名刺が自分のアイデンティティのようになっていた人にとっては、「自分」が、自身の中で再定義されていく


⇒ 先の定義をあてはめると、「1枚目の名刺」と「2枚目の名刺」という区別は不要になる

⇒ どちらも自分の役割であり、名刺は自分の社会的な役割を細分化して見せているだけのものにすぎないし、それは2枚に限らずいくつあってもいい

⇒ すべての名刺が表現している集合体が「自分」であり、自分の生き方となる

⇒ 「beの肩書き」に通じる




〇シングルキャリアからパラレルキャリアへのシフトで得られるもの

・キャリアの時間軸(いつまで働くか)を、他者の基準(定年など)ではなく、自分で決められる

・自社の垂直的な価値観の中だけで学ぶのではなく、水平的に学習することで、多様な価値観の異種混成を経験することができる
→ 多様な価値観の共存
→ 不確実性、曖昧さを受け入れられるようになる




◆サードプレイスの必要性

・パラレルキャリアにおいては、人が気軽に集まれる場所も必要

・地域で顔なじみの人が集まるという場所に限らず、家庭でも職場でもない場所で、新しい発想に巡り合える場

・「フューチャーセンター」
→ 対話によって、未来に向けた創造的なアイデアを創出する場

・人がつながる場であると同時に、自分のアイデアを試し、さまざまな活動に個人で参画していく場(「港南台タウンカフェ」の事例)




◆パラレルキャリアの現場の事例から


・「人生を最高の居場所にしたい」(「最高の居場所」の事例)

・「キャリアバラエティ」という考え方(「キャリアバラエティ」)
→ 多くの人の生き方、働き方が、ひとり何役であってもいいし、多様な選択をすることができるように変化してきた
→ 「働きながら×働く」「働きながら×社会活動する」「働きながら×学ぶ」「働きながら×趣味を極める」など、さまざまなパターンがあったほうが人生が豊かになる
→ 今後の社会の多様性に対応するためのパラレルキャリアの捉え方



『週末起業』 ~会社を辞めないまま、リスクを抑えて起業する方法~

週末起業 (ちくま新書)
藤井 孝一
筑摩書房
2003-08-06



【会社員のままでいようか、起業しようかで迷っている方にオススメ】



タイトルにある「週末起業」とは、文字通り、「会社員を辞めずに週末だけ自分の好きなことで起業すること」です。

昨年から「働き方改革」が何かと話題になり、2019年に入ると関係法も整って、その動きが本格化しています。

社員に「副業」を認める企業も増え、社員の側でも「副業」や「複業」、そして「起業」にチャレンジする事例を多く耳にするなど、一種のブームともいえるような兆しが見えます。

近年は、そのような
「働き方改革」をはじめとする社会背景があったり、低コストで利用できるⅠTサービスが充実していたり、SNSなどによるネットワークがあったりと、起業しやすい環境が整っているといわれています。



しかし、一昔前、これらが普及する以前はまったく違っていました。

起業は、「特別な人」や「変わり者」だけが選ぶ特殊な選択肢であり、一般的にはハードルやリスクが高いと認識されていたのです。

本書は、そのような時代に書かれた本であり、「週末起業」とは、会社員を辞めないまま起業することで、起業のリスクを抑えて着実に起業を実現する方法といえます。




起業に対するイメージは変わってきたとはいえ、現在会社員として働いている人にとっては、起業する=会社員でなくなることへの不安はやっぱり同じ。

そうした不安を少しでも和らげ、スムーズに起業につなげていくための手法として、「週末起業」のノウハウが役立ちます。

そういう意味では、起業への関心が高まっている現在でも活かせるノウハウといえるでしょう。

今は会社員で、これから起業を目指したいという方にオススメの1冊です。


それでは本書の内容を整理していきます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆週末起業の特徴


・会社員を辞めずに、夜や休日を使って起業する

・お金をかけずにはじめること

・インターネットを利用すること

・自分の大好きなことをビジネスにすること


⇒ 今でいう「副業」「複業」にあたる
著者は「副業」は時間の切り売りにすぎないと批判するが、今は「副業」のとらえ方も広がっている
自分の強みを活かすことで、起業につながるケースも多い




◆週末起業のメリット


・自分のやりたいことにチャレンジできる

・副収入が得られる

・人脈が広がる

・本業にも好影響がある

・家族や地域との交流が深まる

・起業の練習になる
→ スキル、実績を高められ、赤字でも本業があるので精神的なプレッシャーはない


⇒ 反面、デメリットとして、過労や家族との時間が減ることが考えられる

著者は、メリットの一つに「家族や地域の人との交流が深まる」ことを挙げていますが、週末起業することで必然的にそうなるというよりも、いかにここを意識した起業とするかがポイントではないか



◆成功する週末起業のポイント

(1)テーマで絞る

①やりたいことを選ぶ
②できることを選ぶ
③時流に乗っているものを選ぶ

→ ①から順に絞り込む


(2)「何を売るか」で絞る


・モノ
・ワザ
・知識・情報
・人脈


(3)「困っていること」「あったらいいな」で絞る


・ビジネスで解決できること


(4)顧客対象で絞る


→ オンリーワンビジネスを目指す

⇒ オンリーワンとは、特定分野のナンバーワンということ
 またはニッチ分野のナンバーワン



◆著者が考える週末ビジネスの心得

①継続的に投資する

②家族を巻き込む

③会社には内緒にする


④時間を確保する

⑤ビジネスを楽しむ


⇒ 特に④は、実際に行動に移すという点でも、休息を確保する点でも、家族の理解を得る点でも、時間のメリハリをつけるために有効

⑤は、決してムリをしないことにつながる


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


まさに今の私の状態こそ、「週末起業家」といえる状態でしょう。

副収入を得ているという段階とはいえませんが、やりたいことをいろいろ実践しながら、どういう方にお客さんになってもらえるか、どういうことで人の役に立てるか、何をやっているときにワクワクするかを考えています。

本で学ぶだけでなく、実際にやってみることで、多くの気づきを得ることができています。

やはり自分でやってみることが大事ですね。

逆に、やってみないと何が問題なのかさえ分からないまま。

その状態ではとても会社員を辞めて起業するのはリスクが高すぎるでしょう。

その点、週末起業という考え方は、リスクを避けたい人にとっては、起業へのステップとして有効なやり方ではないかと思います。



ありがとうございました。



「年金不足問題」から、人生100年時代の公務員の危うさを考える ~時間とお金を自由にコントロールできる生き方のために~

FullSizeRender

このところ「年金不足問題」が話題になっています。

過去にあった年金を収めた記録がないという意味での「年金不足問題」ではなく、今度は実際に受け取る年金だけではその後の生活を維持できないという文字どおりの意味での年金不足です。



問題の発端は、金融庁の審議会が、老後の資産形成を呼びかけるためにまとめた報告書でした。

その報告書では、総務省の家計調査に基づいて高齢無職世帯の生活費を計算すると、毎月約5万円の赤字となり、年金だけでは生活が難しいという内容だったということです。

その結果として、退職後の20~30年の人生の不足額は1300~2000万円ほどになるそうです。

「だから資産形成をしよう」ということでしょうね。

それが裏目に出て、「年金制度は安心できない」ということに焦点がいってしまったということのようです。



年金制度の是非についてはわかりませんが、一つはっきりしたことは、「人生100年」といわれるこれからの時代は年金だけに頼れないということです。

これはつまり1つの企業だけで働いていること、依存することの危うさを意味します。

定年まで勤め上げたとしても、その先の人生を保証してくれるものがないということなんですね。

ましてや終身雇用も保証されない時代になってきています。



そうすると必要になるのが、個人で稼げるようになることです。

最近、「働き方改革」の流れから、副業・複業がブームのようになっていますが、会社に頼らなくても、自分の力で収入を得られるような状態をつくるということが重要です。

たとえそれが1、2万円でも、会社の給料以外に、個人として収入を得ることができるということは大きな意味を持ちます。

さらにそれが1つではなく、複数の事業を展開することで、1、2万円の収入を複数つくれるようになるとその威力は増大します。

定年後や万が一会社をクビになった場合のセーフティーガードとして働くからです。



◆人生100年時代と公務員

そんなことを考えたとき、私が属している公務員とはどんな立場に置かれているでしょうか。

年金だけでは定年後の人生は生活できない。

でも副業禁止。

それが公務員の世界です。

厳密には認められている副業、というか本業以外の活動、たとえば農業や株などの投資、不動産事業は例外的に認められていたり、近頃はNPO法人や一般社団法人など限られた形態の組織での活動などは容認されている自治体もあるようですが、基本的には「禁止」が前提です。

個人情報などの機密情報の漏洩をはじめ、コンプライアンスの問題さえなければ、私なんかは副業を認めてもいいのではないかと思っているのですが、そういうわけでもないんですね。

「24時間公務員たれ!」と当然のように口にする重鎮もいまだにいます。

ならば、「24時間分の給料をくれ」といいたいところですね笑



一部の資格の必要な分野や専門的な職種を除き、特に地方公務員の一般事務職は専門性のないままいろいろな部署を渡り歩いたあげく、定年を迎えると、はじめて自らの手で生活の糧を稼がなければならないという社会の荒波に放り出されることになるわけです。

世間からは「安定している」といわれる公務員ですが、実は「人生100年時代」においては不安定そのものであり、旧時代の遺物とも呼べる制度だということがわかりますね。



じゃあ必要な分だけ貯金しておけばいいじゃないか、という意見もあるかもしれませんが、確かにそれも一つの手ではあるでしょう。

ただ、それで不安がまったくなくなるかといえば、必ずしもそうではないと思います。

貯金はどんどん減る一方で、自分がいつまで生きられるかもわからない状態で、だんだん減っていく貯金に不安を感じることになるかもしれません。

何より、働くことの生きがいが、まったく得られないまま余生を過ごすことになります。



◆真の働き方改革とは?

何もいたずらに不安をあおりたいわけではないのですが、今回の問題は、いわゆる「働き方改革」の裏にある「働くこと」と「時間」と「お金」の関係を明らかにしてくれたのではないかと思います。

つまり、会社員として働いている以上、基本的には「時間」と「お金」は反比例の関係にあります。

自分の時間を売って会社から給料をもらうので、結局は「時給いくら」という考え方になるわけですね。

そこから抜け出せない限りは、「働き方改革」とはいっても、結局は会社が社員をどう雇うかという議論に留まり、「働かせ改革」でしかないわけです。



時間を売るのではなく、自分という「商品」「サービス」を売って、自分の時間とお金を自由にコントロールできる状態にすることこそが、真の働き方改革だと私は思います。

会社に決めてもらうのではなく、自分で働き方を決めること。

そのために私は起業を目指します。

そして自分がそうありたいと思うとともに、そのような考えを持つ人たちが自分らしく楽しく働き・生きられるサポートをしていきたいと思っています。
ギャラリー
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜積読生活は永遠に(52週目) 〜
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜積読生活は永遠に(52週目) 〜
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜真・積読生活(51週目) 〜
  • 『エッセンシャル思考』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜真・積読生活(50週目) 〜
  • 『最速で10倍の結果を出す他力思考』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~
  • 『人は感情でモノを買う』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜真・積読生活(49週目) 〜
  • 第19回夫婦コミットメント倶楽部を開催しました(3/7~3/20)