定価:1,500円+税
ISBN:978-4-86663-039-7
自分が夢中になれる「遊び」とは何か考えさせられる度 :★★★★★
著者をモデルケースに自分の考えを比較できる度 :★★★★★
◆ビジネスとは違う「遊び」が自分ブランドをつくる
本書にある著者の考えはシンプルです。
ビジネスでは自分が好きなことだけをやっているとは限らない。
だが、遊びは間違いなく自分が好きなことだ、ということです。
ビジネスだけでなく遊びにも力を注ぐことで、ビジネスでは出会えない様々な人たちと関係を持つことができます。
そもそもその「遊び」が好きで集まってきた人たちですから趣味があうのは当たり前。
そこにビジネスが掛け合わさることで、お互いがお互いのためになることを提供できる関係が築かれる可能性が高いということではないでしょうか。
著者は、その中で自分の持てる力で彼らの豊かさのために尽くすといいます。
それが自分の価値を高め、自分ブランドを築くことができるからです。
また、それが信頼を生み、次のさらなる好循環につながるのです。
好きなこと、遊びに時間を割くことで友人の範囲が広がるという著者の考えには共感を覚えます。
なぜなら、いかに自分の時間を、好きなことに多く割けるかは今の私の最大の関心事だからです。
今のライフスタイルに疑問を持っている方、これから自分のライフスタイルを新たに築こうとしている方にオススメの本です。
◆真似をする、そして違う自分を発見する
本書を読む途中で感じた違和感は、「本書はノウハウ本なのか」ということでした。
各チャプターでは、一つ一つ「〜しよう」といった指南書的な提案がされています。
ですが、その内容には一見矛盾したものがあるように感じたのです。
たとえば、「自分がパンクロックの格好をするのが好きでもそれが受ける人は少ないから、最大公約数の人に好かれることを考えよう」といった件があります。
ですが、それは自分の好きなこと、「遊ぶ」ということに反するのではないか。
自分が他に好きなものがあるのに、他人のためにそれを我慢するのは、ストレスや対人疲れにつながるのではないだろうかという疑問を感じました。
いったんはそう首を傾げたものの、後で自分なりに本書の意図に気づきました。
(あくまで個人的見解なので、著者の本来の意図とは異なるかもしれません。)
おそらくはこれが著者のデザインした自分の生き方なのではないか、ということです
つまり、本書に散りばめられた著者の指南書は、彼自身が意識して行っていることに他なりません。
これまで試行錯誤を繰り返した結果、磨かれてきた彼自身のライフスタイルなのではないでしょうか。
ですから、それが万人にとって必ずしもベストの選択肢ということにはならないのです。
本書では、あくまで著者自身の経験したところを読者に提供してくれているにすぎません。
本書の読者はおそらく、(私も含めて)自分のライフスタイルを見直したいと悩んでいる人たちです。
当然、どうしたらシフトがうまくいくのか確信もノウハウもなく、本書にそのヒントを求めています。
そのため著者がモデルとなり、自分の経験や考えを伝えているのです。
自分のスタイルが見つからない人は、著者が本書で述べているように、まずは人の真似からでいい。
それが違うと思えば、自分で試行錯誤しながら自分の形にアレンジしていけばいい。
先の矛盾はこうしたメッセージではないかと私は考えました。
◆他者との関係の中に「自分」の姿が見つかる
私自身、あまり多くの人と付き合うと気疲れしてしまうタイプです。
体育会系の「イエーイ」的なノリにはとてもついていけませんし、他人が興奮すれば興奮するほど冷めて見てしまうタイプです。
(自分でも困ったちゃんだとは思うのですが・・・)
そんな自分ですので、人付き合いについて著者の真似をしようとしてもおそらくムリでしょう。
どこか他人に合わせている気がしてストレスがたまりまくってしまうと思います。
それはそれで自分は自分なのだから仕方がありません。
決して人嫌いというわけでもないので、自分なりの人付き合いの方法を見つけていけばいいんだと思っています。
意識して自らを磨き上げ、ビジネスと趣味を見事に融合させて「自分ブランド」にまで昇華させている著者の生き方には非常に感銘を受けます。
自分の生き方とはいうものの、決して自己本位ではなく、他者との付き合いの中で自分の幸せを見出していると感じるからです。
確かに自分を掘り下げて、自分の中の本当の自分を探すのも一つの方法かもしれません。
一方で、他者との関係の中で気付き、発見する自分の新たな姿もあります。
もしかしたら、自分一人で悩むより、他者に自分がどう見えるかを聞いた方が早いし、的確かもしれません。
自分とは他者との関係の中にあるもの、ということを何かの本で読んだ気がしますが、まさにそのとおりだと思います。
何も好きでもない人となにふりかまわず付き合おうというのではありません。
自分の好きな「遊び」の中で、気の合う友人と付き合い、本当の自分を見つけられたらこんな素晴らしいことはないと思うのです。
自分にとって本当の友人とはだれか。
あるいはどんな人と友人になりたいのか。
そんなことも考えさせられる本でした。









