定価:1,400円+税
ISBN:978-4-408-11073-8
◆ゼロ起業とは?
本書がいう「ゼロ起業」とは、5つのゼロから起業することを示しています。
①コストが限りなく「ゼロ」である
モノを仕入れたり、在庫を抱えたり、店舗を構えたり、従業員を雇ったりすることは必要ない。
②リスクが限りなく「ゼロ」である
コストがかからないのでリスクも低い。
③今の自分のまま・・・「ゼロ」の状態でスタートできる
特別な資格はいらない。今、自分の中にあるものを活用する.。
④競合「ゼロ」でスタートできる
オンリーワン、新機軸のポジションを見つけることからスタートするため、競合はいない。
⑤実績「ゼロ」でスタートできる
新機軸でスタートするので当然誰も実績はない。ほんの数名のクライアントでOK。
その成功の仕組みとしては、普通の人とのほんのわずかな知識差のある自分の知識や経験を活かしてビジネスをすることにあります。
◆著者が手がけた「フツウの人々」の起業実績から、起業へのヒントを紹介
本書は、株式会社コンサルタントラボラトリーの経営者である北野哲正氏と同氏のビジネスパートナーである吉江勝氏による共著。
北野氏は、マーケティングコンサルタントやコーチ業を手がけ、「独立、企業、集客支援」を得意としています。
吉江氏は、サラリーマンに対して、ゼロからコンサルタントになる方法を提供する「サラリーマン起業支援コンサルタント」の第一人者です。
本書は、6000人以上の起業を支援したこれまでの二人の実績から、「知識差」を活かしてリスクを極力少なくした起業の方法をまとめたものとなります。
一人一人の持つ知識や経験、性格や興味などにより、コンサルタント起業法やセミナー起業法、出版起業法など7つの起業法を紹介しています。
グローバル展開を視野に入れるようなビッグビジネスではなく、自分の趣味や知識・経験などを活かした「小さな」起業をお考えの方にとって、自分にとっての最適な起業法を見つけるヒントになるかと思います。
◆まずは自分のたな卸しから~あなたの知識差ビジネスを発見するためのワーク「ファイブ・フォーカス」~
ファイブ・フォーカスとは、自分にとっての「ゼロ起業」を見つけるためのワークです。
以下の5つの視点から、あなたの強みを掘り起こしていきます。
①あなたが好きで情熱が沸くこと
②あなたが今までに経験してきたこと
③あなたが人からほめられたり、喜ばれたりしたことがあること
④あなたのコンプレックス
⑤何の規制もなければやってみたいこと
知識差ビジネス(=自分のビジネスにおける新機軸)は、これらをできるだけたくさん書き出すことから始まります。
本書では各項目についてさらに4~5の視点から掘り下げて、各項目について最低10~20個を書き出すことを目標としています。
これだけ徹底的に考え抜くと、そこだけスポットライトがあたっているようなピカピカのキーワードが浮かび上がり、絶妙なインスピレーションが沸いてくるといいます。
あとはそれを足し算・引き算したり、共通項をあわせたり、ターゲットなどを絞り込むことで絞り込み、自分の知識差ビジネスを磨き上げていくこととなります。
おそらくはこの作業が「ゼロ起業」の肝といえるでしょう。
いわば自分という人間の掘り起こしの作業です。
自分を見つめなおすという意味では一人で黙々と作業することも必要かと思いますが、たとえば配偶者や親しい友人など、自分の身近にいる人から客観的に見てもらうのもいい方法かもしれないと思います。
また、この作業は今後のビジネスの土台になる部分ですので、社会の動向を見ながら、必要に応じて定期的に見直しをすると展開も広がったり、より詳細なニーズの獲得につながる独自性を生んだりするかもしれないと思いました。
私もさっそく試してみました。
結果をお披露目するのはまたの機会にして、やってみた感想としては、頭で考えていただけではモヤモヤしていたものが、言語化することではっきり形を成していくのを自覚することができます。
また、これを使って妻とのブレインストーミングもやってみました。
自分が考えている自分の姿と妻とはいえ他人から見える自分の姿ではやはりギャップがあるということが分かりました。
このギャップをうまく自分の中に取り込んで消化することができれば、また自分の新たな可能性に気づくことができるかもしれないと思っています。
◆7つの起業法
最後に本書で紹介されている以下の7つの起業法をざっくり紹介してみます。
①コンサルタント起業法
あなたの知識や経験を顧客に教えて、顧客に新たな体験や問題解決ノウハウを伝えることで対価をもらう起業法です。
業務の一環としてコンサルト的な「教える」という要素を加えるというのはどの起業法にも共通して必要だといいます。
②セミナー起業法
大勢の参加者に対して一度に自分の知識や経験を伝えられる方法で、売る人(販売者)から教える人(先生)にポジションを変えられるという利点のある起業法です。
そのことによって、収益の出る情報商材や個別コンサルティングなどのプログラム商品が売りやすくなるといった効果があります。
③出版起業法
これは見たまんまで、商業出版、つまり本を出すということです。
本を出すことで、読者に「本を出すような専門家の意見なので貴重だ」という意識付けを行うことができます。
また、全国の書店があなたのビジネスを一斉に広告してくれるメリットを享受することもできます。
④会員制ビジネス起業法
この起業法では固定客を得ることで、毎月安定した会費を受け取ることができます。
それによってビジネスに安定性と継続性が生まれ、営業にかける時間や労力を減らすことができ、自分のビジネスに注力しやすくなるなどのメリットがあります。
⑤コーチング起業法
この起業法は①のコンサルタント起業法と似ていますが、はじめるにあたって自分の専門分野を持つ必要がないのが特徴です。
どういうことかというと、コーチングとは、質問や傾聴、承認といったスキルを使って相手に考えさせ、気付きを与え、答えを引き出していく手法で、「答えは自分の中にある」という前提に立つものだからです。
⑥プロデュース起業法
プロデュース起業法では、ほかの知識差ビジネスとは異なり、「知識を持っていて、それを提供する人」と「集客し、販売していく人」との役割の分担があります。
自分は他人に提供できる知識やスキルがなくても、それを持っている人をプロデュースする側に回り、集客・販売を担うことで収益化を図る起業法です。
⑦サロン起業法
他の起業法が知識やスキルを提供するものであるのに対して、サロン起業法では施術といったサービスの提供も含められます。
集客とリピート率が収益化には重要な要素となる起業法です。
これらの起業法はどれが良い、優れるといったものではなく、あくまで自分の強みや個性との適正によるかと思います。
いずれにも共通するのは、ニッチな分野に特化することでよりニーズに合ったビジネスとしていくことで、自分だけのブルーオーシャンを切り開くことが成功への鍵となる点でしょう。
また、これらの起業法は、どれか一つに限定しなければならないというものでもありません。
(著者自体も、コンサルタントとコーチング、セミナーなどをかけあわせたやり方をとっているようです。)
むしろそうすることで相乗効果が期待できるはずです。
ゼロ起業ですので、はじめることにリスクがほぼないならば一通り実際に試してみて、自分にあうものを探しながら、自分のビジネスを磨いていくのもいいかもしれませんね。
今後のビジネスのはじめ方を考える上で、非常に参考になると思いました。









