ほんやのポンチョ
にしの あきひろ
幻冬舎
2018-12-06


ポンチョの生き方に憧れる度 : ★★★★★
こんな本屋があったらいいなと思える度 : ★★★★★




『えんとつ町のプペル』でおなじみの、キングコング西野氏の絵本。

これからの本(屋)のあり方、「価値」について考えさせられますね。



ポンチョは、まちの人たちの手伝いばかりしています。

ポンチョは、本を売ろうとしません。

ポンチョは、自分の店の本を読んでばかりいます。

ポンチョは、自分の店の本にしるしやコメントを書き込みます。

そうしたら本が売れました。



言葉にしてしまえば、それだけのストーリーです。

ですが、そこには著者からの込められたメッセージが散りばめられています。



◆本に印や書き込みをすると売れるようになるか

では、果たして本に印や書き込みをすると売れるようになるのでしょうか。

そんなはずはありませんね。



まちの人たちが本を買ったのは、その本がポンチョのお店の本だったからです。

もっというと、ポンチョが読んで面白いと思い、印やコメントを書き込んだ本だったからです。

扱う本が新刊本だろうと中古本だろうと関係ありません。

ポンチョが手に取って、読んで、印をつけて、コメントした「その本」に価値があるのです。

言い換えれば、ポンチョの店で本を買うお客さんにとって、本の価値は、ポンチョが印をつけたかどうかということで決まるということですね。

モノや情報それ自体に価値があるのではなく、それを発信する人自身(の信用)に価値を認めるという著者の考えが明確に示されていて興味深いです。



◆ポンチョは結局何をしたのか

ポンチョは、毎日まちの人たちのお手伝いをすることで、まちの人たちからの「信用」を築いていきました。

ポンチョが意図してそれを狙っていたのかはわかりませんが、結果的にそれが彼の店の大繁盛と火事からの復活につながるのです。

自分の店の本を売ることだけを考えて売り込みをしていたのでは、決して店は大繁盛することはなかったでしょうし、火事でお店がなくなってしまったときも店を復活させることはできなかったでしょう。



本が大好きなポンチョ。

まちの人たちのことをいつも考えているポンチョ。

店や店の本よりも、女の子からもらったぬいぐるみを「たからもの」というポンチョ。

そんなポンチョだからこそ、まちの人たちも彼のことを好きになり、彼が選ぶ本を信用したんだと思います。



しるしのおかげで ポンポンポンチョのみているところがよくわかる

しるしのおかげで ポンポンポンチョのドキドキワクワクよくわかる

これはせかいにひとつだけ とってもステキな『しるしぼん』




このセリフが世界観を象徴的に語ってくれますね。



これからは「お金」より「信用」の時代。

そんな価値観が表現されている絵本です。

子どもだけでなく、大人の方が読んでも気づきを得られる本です。