感動力の教科書 人を動かす究極のビジネススキル
平野 秀典
ディスカヴァー・トゥエンティワン
2017-11-11



◆情報過剰時代にあって、情報を伝えるには


現代は、インターネットの普及により、情報過剰の時代といわれています。

世界中でどのくらいの情報量が流通されているかというと、2017年には23ZBだったそうです。

ZBはBの10の21乗倍を示す単位ですから、1ZBは、やや小さめに写真のデジタルデータが1枚1Mと仮定すると、実に1,000,000,000,000,000(1,000兆)枚相当のデータ量になります。

しかもこれが、毎年40%ずつ増えており、2025年には163ZBまで膨れ上がるとされているそうです。

もはやわけわからん世界ですね・・・。



当然ながらそこにある情報は玉石混交で、しかも情報の受け手側によっても「玉」か「石」かは変わってきます。

ではそれだけの情報量が日々流通している中で、どのくらいの情報が実際に使われているのでしょうか。


本書では、世の中に出回っている情報(流通情報量)のうち、実際に伝わっているであろう情報(消費情報量)の割合について調べた総務省の調査結果に触れられています。

その割合はなんと、


0.004%


実に99.996%がスルーされているというのです。

そんな時代にあって、どうすれば情報を届けたい人に、どうやって情報を伝えればいいのか。

本書では、「感動力」をキーワードにそのヒントを伝えています。



著者は、「感動プロデューサー」を名乗る平野秀典氏。

「感動力」とは、著者の造語で、商品や人や企業が持つ本来の価値が伝わり、人が自ら動き出す表現力のことです。

今の世の中には、「感動したい人=多数」、「感動を生み出す人=少数」という圧倒的な需要過多・供給不足のマーケットがあると著者は述べています。

では、情報に「感動力」を付加することによって、どんなことが起こるのか、人を感動させるには何が必要なのか。

これらのことに着目しながら本書を紐解き、気になるエッセンスを抽出してみました。


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◆人を動かすには「感動」が必要


・人を動かす秘訣とは、「自ら動きたくなる気持ちを起こさせること」(D・カーネギー)

・コミュニケーションによって、人を動かすには2つのアプローチがある。
①操作する(コントロール)
②インスパイアする(感動させる)

・操作する技術に焦点を当てがちだが、自分が操作される側(消費者)に立つと「操作されたくない」と感じる矛盾

・テクニックで操作されて動きたい人は少ないが、インスパイアされて動きたい人は大勢いる

・人と人のコミュニケーションでは、共鳴したものが伝わる

・どんないい話でも、伝わらなければ意味がない。どんないい商品も、伝わらなければ意味がない。どんなに愛があっても、伝わらなければ意味がない。伝わらないものは、そもそも覚えていない

・コミュニケーションとは、誰かを操作して動かすための手段でも、誰かに情報を伝えるだけの手段でもなく、誰かと心がつながるための人間の営みである



◆「自分」という価値を高めるためにできること


・関係性こそが重要とされるソーシャルネットワークの時代に求められるものは、たった一つ、言行一致で生まれる「信頼」という価値

・言行一致とは、言っていることと動作や表情が一致していること、言っていることを実践している自信が伝わること、言っていることと気持ちが連動していること

感動の方程式

期待 <<< 実感  ⇒ 感謝
期待 <<  実感  ⇒ 感激
期待 <   実感  ⇒ 感動
期待 =  実感  ⇒ 満足
期待 >   実感  ⇒ 不満
期待 >>  実感  ⇒ 怒り

・1日1%の成長を積み重ねると1.01の365乗=約38倍になる、1日1%怠けると0.99の365乗=約3%になる。150%の気まぐれよりも、101%の継続した一貫性が信頼と感動を生み出す

・「恩送り」とは、もらった恩を自分を通して誰かへ贈ること。もらった恩をそのまま送るのではなく、自分という存在を使い、ひと味の愛と価値を加えてGIFTとして贈る「恩贈り


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誰かに何かを伝えようとするとき「感動」がないと伝わらないというのは、自分が受け手の立場であると考えると理解しやすいですね。

たとえば、よくある状況として、説明会やセミナーなどでパワーポイントや配布資料に書いてあることをただ読み流すだけということがあります。

あれ、時間のムダでしかないですよね。

だったら資料を配って、はい終わりでいい。

説明会なんてやる必要がありません。

むしろ事前に資料を送ってもらって、当日はQAなどで直接生の声で議論しあった方がどれだけ実のあるものになることか・・・。



これまで見たように、本書には人生やビジネスにも生かせる内容が多くありましたが、私がもっとも印象に残ったのは、「言行一致で生まれる『信頼』という価値」と、「1日1%の成長を積み重ねると、1年で38倍になる」ということです。

これらはまさに自分が心掛けていることでもあります

重要なことは、1日や1回限りではなく、継続することにあります。

これがなかなか難しいわけですが・・・。

日々精進というわけですね。



余談ですが、最後にピックアップした「恩送り」という言葉。

私のメンターとなっている方がこの言葉を使っていろいろな取り組みをはじめています。

修行中の身でありながらおこがましいと思われるかもしれませんが、恩返しだけでなく、「恩送り」または「恩贈り」の気持ちを心掛けていきたいと思います。