
過去にあった年金を収めた記録がないという意味での「年金不足問題」ではなく、今度は実際に受け取る年金だけではその後の生活を維持できないという文字どおりの意味での年金不足です。
問題の発端は、金融庁の審議会が、老後の資産形成を呼びかけるためにまとめた報告書でした。
その報告書では、総務省の家計調査に基づいて高齢無職世帯の生活費を計算すると、毎月約5万円の赤字となり、年金だけでは生活が難しいという内容だったということです。
その結果として、退職後の20~30年の人生の不足額は1300~2000万円ほどになるそうです。
「だから資産形成をしよう」ということでしょうね。
それが裏目に出て、「年金制度は安心できない」ということに焦点がいってしまったということのようです。
年金制度の是非についてはわかりませんが、一つはっきりしたことは、「人生100年」といわれるこれからの時代は年金だけに頼れないということです。
これはつまり1つの企業だけで働いていること、依存することの危うさを意味します。
定年まで勤め上げたとしても、その先の人生を保証してくれるものがないということなんですね。
ましてや終身雇用も保証されない時代になってきています。
そうすると必要になるのが、個人で稼げるようになることです。
最近、「働き方改革」の流れから、副業・複業がブームのようになっていますが、会社に頼らなくても、自分の力で収入を得られるような状態をつくるということが重要です。
たとえそれが1、2万円でも、会社の給料以外に、個人として収入を得ることができるということは大きな意味を持ちます。
さらにそれが1つではなく、複数の事業を展開することで、1、2万円の収入を複数つくれるようになるとその威力は増大します。
定年後や万が一会社をクビになった場合のセーフティーガードとして働くからです。
◆人生100年時代と公務員
そんなことを考えたとき、私が属している公務員とはどんな立場に置かれているでしょうか。
年金だけでは定年後の人生は生活できない。
でも副業禁止。
それが公務員の世界です。
厳密には認められている副業、というか本業以外の活動、たとえば農業や株などの投資、不動産事業は例外的に認められていたり、近頃はNPO法人や一般社団法人など限られた形態の組織での活動などは容認されている自治体もあるようですが、基本的には「禁止」が前提です。
個人情報などの機密情報の漏洩をはじめ、コンプライアンスの問題さえなければ、私なんかは副業を認めてもいいのではないかと思っているのですが、そういうわけでもないんですね。
「24時間公務員たれ!」と当然のように口にする重鎮もいまだにいます。
ならば、「24時間分の給料をくれ」といいたいところですね笑
一部の資格の必要な分野や専門的な職種を除き、特に地方公務員の一般事務職は専門性のないままいろいろな部署を渡り歩いたあげく、定年を迎えると、はじめて自らの手で生活の糧を稼がなければならないという社会の荒波に放り出されることになるわけです。
世間からは「安定している」といわれる公務員ですが、実は「人生100年時代」においては不安定そのものであり、旧時代の遺物とも呼べる制度だということがわかりますね。
じゃあ必要な分だけ貯金しておけばいいじゃないか、という意見もあるかもしれませんが、確かにそれも一つの手ではあるでしょう。
ただ、それで不安がまったくなくなるかといえば、必ずしもそうではないと思います。
貯金はどんどん減る一方で、自分がいつまで生きられるかもわからない状態で、だんだん減っていく貯金に不安を感じることになるかもしれません。
何より、働くことの生きがいが、まったく得られないまま余生を過ごすことになります。
◆真の働き方改革とは?
何もいたずらに不安をあおりたいわけではないのですが、今回の問題は、いわゆる「働き方改革」の裏にある「働くこと」と「時間」と「お金」の関係を明らかにしてくれたのではないかと思います。
つまり、会社員として働いている以上、基本的には「時間」と「お金」は反比例の関係にあります。
自分の時間を売って会社から給料をもらうので、結局は「時給いくら」という考え方になるわけですね。
そこから抜け出せない限りは、「働き方改革」とはいっても、結局は会社が社員をどう雇うかという議論に留まり、「働かせ改革」でしかないわけです。
時間を売るのではなく、自分という「商品」「サービス」を売って、自分の時間とお金を自由にコントロールできる状態にすることこそが、真の働き方改革だと私は思います。
会社に決めてもらうのではなく、自分で働き方を決めること。
そのために私は起業を目指します。
そして自分がそうありたいと思うとともに、そのような考えを持つ人たちが自分らしく楽しく働き・生きられるサポートをしていきたいと思っています。








