・大きな起業や組織になるほど、本人の意見をあまり口にしない人が増える傾向が感じられる。本人自身が、今この瞬間に感じていることはあまり語ろうとしない。隠れているつもりはないのかもしれないが、目の前にいるのにそこにいる感じがしない。
・役場の窓口のような場面で生じやすい、「そういう決まりなので」といった対応
→ 役割やルール、表面的なコミュニケーション・スタイルを楯にして、自分自身の実感や居所をあかさない人は、関係性を冷やす
⇒ 都会ほど顕著。その代わり、SNSの利用が反比例する
⇒ 田舎ではSNSの利用率が意外に少ないと聞く。生の実感や一人ひとりの人間関係や社会との関わりが濃密だからではないか
・社会で生きることは24時間・365日、何らかの形で人の仕事に触れ続けること。その結果、無数の存在感・不存在感と接している
→ 不存在感から受ける薄いダメージのような虚無感は、あきらめや無関心を広げ、社会を散漫で秩序のないものに変えていく
・
「いい仕事」とは、人が「より生きている」ようにすることを助ける働きのこと→ より生きている人の姿は、それを見る人の存在感覚に働きかける
→
自分が「いる」仕事をすること
⇒ 会社でも組織でもなく、自分の名前で仕事をすること
◆「自分の仕事」・職業を入口にして「自分の仕事」を考えると、価値基準が外から与えられやすい
→ 美容師になりたいわけでも野球選手になりたいわけでもなく、
「自分」になりたい。より「自分」になる仕事を探している→ 働くことを通じて「これが私です」と示せるような媒体になる仕事を求めている
→ なにがしたいということより、それを通じてどんな自分でいたいとか、どう在りたいということの方が中心にある
・カタログ化した社会では価値をつくるのではなく、選んだり買ったりして生きている。自分に合わせて選んでいるように見えて、実は与えられた枠組みの方に自分を合わせている
◆人づきあいと自分づきあい・「自分」対「他者」という図式の中では、片方を大切にすると、残りの片方を大切にしきれないといった状況も生じかねない
→ 「自分」と「自分自身」を分けると、「自分」「自分自身」「他者」の3者の関係になる
→ 「自分自身」も「他者」もどちらも大切で、「自分」はその間で双方の調和や調停をとるという図式になる(下図)

(本書から引用)
→ 「他者」が折り重なったものが「社会」(下図)

(本書から引用)
・
仕事は、自分の課題と社会の課題が重なるところにある→ 「自分がやりたいこと」でも、「社会から求められること」でも、そのどちらか片方だけをやることではない
・死ぬまで自分をいかして生きることが、わたしたち一人ひとりの仕事
・「お客さんでいられないこと」の中に、一人ひとりの「自分の仕事」の鉱脈がある
→
他の人には任せたくないこと、思わず手がのびて掴みにいくような衝動が生じること、そしてそれが成果に至るひとつながりの働きとして他者や社会に差し出されるとき、その人ならではの、かけがえのない「自分の仕事」になる・仕事は収入を得ることと同義になってしまうと、生気を失ってしまう
→ 仕事ではなく労働
・お金ではなく、関係性の中で価値を交わし合うことに時間を使って生きると、関係性によって生きていける世界ができる
→ 仕事や働くことを通じて形成される人間同士の関係性 =
「関係資産」(感想)
・読めば読むほど、心がうずく、熱くなる
・今の状態は、「生きていない」状態
・「より生きる」には、「自分である」ために、時間や仕事を「自分」の中に取り戻すことが必要
・人を「より生きている」ようにする助けをする前に、まずは自分を「より生きている」状態に助けよう