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「⇒」は個人的な気づき、学び



◎本書の主張

・地方創生とは、事業であるべき

→ 地方創生に必要なのは、「おカネそのもの」ではなく、「おカネを継続的に生み出すエンジン」


⇒ 「おカネ」は単純に理解しやすいが、それ以外の「利益」、たとえばファンの獲得、人間のつながり、自然環境(農地、森林)の維持、地元愛といった面がどのようにとらえられているのかが疑問

⇒ 確かにおカネを生んで地域経済を循環させるという視点は、地域活性化に最も有効な視点だが、おカネさえ稼げればそれでいいという発想になりかねないおそれもある

⇒ おカネを継続的に生み出せれば、他のものは後から結果としてついてくるという考えか






◆地域での事業における3つの基本原則


①事業で達成しようとしている目標を一つに絞ること

②小さく積み上げ、売り上げの成長と共に投資規模を大きくしていくこと

③事業を組み立て、営業できる人間が経営し、資金調達に行政は関与しないこと



・必ず小さなものが積もり積もって大きくなる。その逆はない。

→ 「積小為大」(二宮尊徳)






◆行政主導の地方創生の何が問題なのか?



事業内容が「顧客」を向いて決定されるのではなく、「地元合意」と「制度制約」に則って、決定されてしまう


⇒ 「閣議決定」「議会の議決」「公共の福祉」という体のいい言葉で、住民や国民の一人ひとりの姿が覆い隠される

⇒ 「合意」を得ているものとみなされる

⇒ 「公平性」の重視。頑張っている人も頑張っていない人も同じ

⇒ 「合意」よりも、地域活性化に必要なのは一つの成功事例。そのための正当な「えこひいき」は可能



・皆が合意してもプロジェクトは成功しない

→ 「関係者全員の合意がとれない」「どうしたら反対されないのか」を考えるのではなく、本当に必要なのは、「地域がどうしたら活性化するか」という具体的なやり方のはず

→ 無責任な100人より、行動する1人の覚悟を重んじる


⇒ そもそも「合意」の場に出てくるのは、直接関係のない地元の「重鎮」が多い

⇒ 無責任で、利害関係ない「地元関係者」

⇒ 成功を生み出したことがなく、むしろ今の状態の地域をつくってきた人たちに何が判断できるのか

⇒ そもそも出てくる意見は、「自分たちでこうしよう」「こうしたい」ではなく、行政にこうしてほしいという要望や苦情が大半






◆継続的にお金を生みだすエンジンをつくるために必要なこと



・自治体の掲げる戦略に沿わないことをやってはいけないわけではない

・むしろ自治体の戦略を「完全無視」してでも、自分たちが必要であると考える取り組みを小さく始め、実績をあげていくこと


⇒ そもそも自治体の戦略とは、大半が「総合振興計画」に基づくもの。総合振興計画は自治体の最上位計画であるが、10年分を定める計画になっている

⇒ 10年先を見通せるわけもなく、変更などにも当然時間がかかるため、社会・経済の変化に対応できるだけの柔軟性・機動性がない

⇒ にもかかわらず、そこに位置づけられた事業でないと基本的には予算がつかない。予算がついたとしても、形だけの成果指標を達成することが求められ、それに反することは認められない

⇒ むしろ「行政の「支援」を受けられない=制約がない」とプラスに考え、自分たちで実績をつくるべき

⇒ 成果を上げれば、行政が勝手にすり寄ってくる。でもそれにへりくだってはダメで、自分のやり方は変えずに、「支援するなら勝手にどうぞ」というスタンスを貫かないと行政に振り回されて疲弊してしまう。行政の都合に合わせないこと