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「⇒」は個人的な気づき、学び



◎本書の趣旨


・カスタマーサクセスは日本企業にこそ必死の概念

・デジタル時代のビジネスはリテンションモデルへのシフトを逃れられない

・リテンションモデルの成功のカギとなるのがカスタマーサクセス







◆カスタマーを虜にするリテンションモデル


・アマゾン、ウーバー、アップルがデジタル時代に強い競争力を持つ真の理由は、課金制度がサブスクリプションモデルかどうかではなく、利用者がそれ無しでは生活できないという域の存在になるリテンションモデル(カスタマーを虜にするモデル)であるということ


・リテンションモデルの定義

①利用者が、日常的・継続的にそのプロダクトを利用し、モノの所有に対してではなく成果に対して対価を払う
②利用者が、いつでも利用を止める選択肢を持ち、かつ初期費用が非常に少なくてすむ
③利用者が、それ無しでは生活や仕事ができない・使い続けたいと断言できるほど明らかにプロダクトが常に最新状態に更新・最適化され続ける
④利用者が、自分にとって嬉しい成果を得られるならば、自分の個人データをプロバイダーが取得することを許す



・モノ売り切りモデルでは、売った瞬間にプロダクトの価値が固定化される

⇔ リテンションモデルでは、売った後もずっとプロダクトの価値が最新・最適化され続ける






◆日本企業にこそカスタマーサクセスが必須な理由


〇現代のビジネスはリテンションモデルへのシフトを不可避である理由としての4つのトレンド


①経済取引の価値の源泉がモノの所有から体験や成果へシフト

②供給者が従来握っていた経済取引の既得権、選択権が利用者へシフト

③選ばれ続けるのに必要なプロダクト価値の水準が「利用者が中毒になる」レベルへシフト

④競合のゴールがカスタマーのライフタイムバリューの最大化へシフト・・・価値最大化の方程式は「高額・多数の単発取引」から「少額・親密な継続取引」へ




〇リテンションモデルへのシフトに伴って価値を失う3つの競争優位性


①既存のサプライチェーン基盤に対する取引優位性

②情報の非対称性に守られた経済取引のコントロール権(=経済取引の選択権が利用者へシフト)

③モノ自体への知覚価値に基づくブランド力

→ モノづくり自体は永遠になくならないが主導権を握る座は失う

→ 日本企業はモノ売り切りモデルで勝ってきたモノづくり大国であるため、デジタル時代に世界相手に事業をする起業はリテンションモデルから逃れられない

→ そのカギがカスタマーサクセス


⇒ 「高額のものを所有する」ということへの価値と二極化するのでは?

⇒ 圧倒的多数がリテンションモデルの利用者になるからこそ、モノの所有にこだわるごく一部の消費者も残る






◆カスタマーサクセスとは何か


・カスタマーサクセスの本質は「商いは買っていただいた後が大切」という基本精神

→ お客様とよい関係を続けることで「最初の商いの継続」を最大化し、「減った商い」を最小化し、「増えた商い」を最大化する

→ 商いの継続(グロスリテンション)、商いの成長(ネットリテンション)の達成



・「カスタマー」とは、買ってくれたという事実と具体的な人格や利用歴が存在する「うちのプロダクトを使っている××さん」であり、使い続けてほしい人

⇒ ターゲット


・カスタマーサクセスはカスタマーに成功を届ける

→ カスタマーごとに「成功」を具体的に定義してそれを届ける

⇒ それがカスタマーにとっての価値


・カスタマーサクセスは、リテンションモデルで成功するために必要不可欠





◆カスタマーサクセスの原則


①ライフタイムバリューの最大化

・成功を届けられるカスタマーとの末永い関係に責任を持つ

・プロダクトの究極の目的は、カスタマーを虜(ファン)にして、「この素晴らしさを広めたい!」という理屈を超えた愛着感情に基づく行動(口コミや紹介など)を引き出すこと

・カスタマーの「成功」を正しく理解する

・成功を届けられない相手には売らない覚悟と仕組みをもつ




②買ってもらってからが勝負


・リテンションモデルでは買ってもらえなければ最初から勝負にならない

・カスタマーの成功につながる効果的な育成や支援をできるかどうかが勝負どころ

・「どれだけ使っているか」より、「どれだけ価値や成果を得たか」が重要

価値は小さくてもいいから少しでも早く届けるべし(タイム・トゥ・バリュー)

・カスタマーがイライラする負荷をなくす、不快を排除する(エフォートレス)

→ 期待を上回るサービスで顧客を感動・満足させてロイヤルティを向上するよりも、エフォートレスを追求してロイヤルティ消滅を防止する方が、はるかにインパクトが高い

→ エフォートレスはロイヤルティ消滅の防止に直結する



③手放せない・外せないプロダクト

・使い続けてもらうことの方がずっとハードルが高い

→ 買うのに努力が必要なら確実に競合プロダクトが選ばれる

・重要なのは、買ってもらった後に手放せない・外せないプロダクトであり続けること



④データからカスタマーの未来を創る

・最大の武器は、カスタマー一人ひとりを知り尽くすこと

⇒ 「顧客」ではなく、「××さん」にとっての成功を定義し、それを届けること



⑤スケーラビリティ構築力


・セルフサービス(カスタマーによる自助)

→ 問題や質問したいことがあるとき、より良い使い方を学びたいとおきにエフォートレスにアクセスできる

・ピアツーピア(カスタマー同士の互助)

・自助や互助が促進される基盤をつくり、カスタマー自身の手や知恵を最大限に活用して、こちらの時間を使わずともカスタマーがやってくれる仕組み


⇒ 自分とお客、お客とお客のコミュニティ化






◆カスタマーサクセス人材とは


・カスタマーサクセスに向く人の特性

①共感性が強い

②感情よりも論理(ロジック)やデータを優先して意思決定する

③関係性(リレーションシップ)を重視し長期・全体へ目配りできる

④自分と合うタイプの人と知り合うのが好きで影響力を活かした協業が上手い

⑤未知のことに挑戦し未踏のフロンティアを歩くのが好き