定価:1,500円+税
ISBN:978-4-434-24711-8
お金持ちの生活が少しわかった気がする度 :★★★★★
お金持ちの考え方は超シンプル度 :★★★★★
◆お金持ちの思考をのぞいてみたい
特に「年収が1億円欲しい!」というわけではないのですが、お金持ちの思考法にちょっと興味があったので読んでみました。
難しい内容が書いてあるわけではなく、読んでいるだけですっきりするくらい彼らの考え方は極めてシンプルです。
多くの人よりもたくさんお金を稼いでいるはずなのに、なぜか窮屈に感じる。
一定程度の年収から抜け出せない。
そういった悩みをお持ちの方にコロンブスの卵的な発想を与えてくれるかもしれません。
中にはもちろんお金持ちだからこその発想もありますが・・・。
(ただし、お金持ちだからそう考えるのか、そういう考え方をしたからお金持ちになれたのかといった因果関係は不明です)
◆お金持ちは何より「自由」を重視する
私は本書のテーマはこの一言に凝縮されていると思います。
働き方、というよりはもはや彼ら(お金持ち)の生き方そのものです。
そもそも彼らは仕事と生活の境界が曖昧です。
常に自らを束縛されない方向を選び、頭をクリアに保ち、健康を保って、ビジネスチャンスに目を光らせているといいます。
自由というと一見時間がたくさんあるというイメージかもしれませんが、おそらくは彼らの中では逆なんだと思います。
誰よりも時間が有限であることを知っているのです。
だからこそ自分の時間を大切に、他人に決して邪魔されないよう有意義に使おうとするのです。
◆会社という場所は効率が悪い
これは私が最近感じていることで非常に共感しました。
会社はいわゆるオフィスであり、スーツに身を包むことで気持ちが引き締まり、職場の仲間もいて、必要な資料などもそろっているなど仕事をしやすい環境に思えます。
もちろん業務に必要なパソコンや文具、空調なども完備され、コストは会社持ち。
ですが、よく考えてみると、これほどストレスのたまる場所は他にありません。
まず人。
怒らせると厄介な上司のご機嫌とり、一緒にいると気詰まりな同僚など会社内部の人間に加え、無理難題を迫る得意先、理不尽な要求をしてくるクレーマー・・・などなど枚挙に暇がありません。
また、それは必ずしも自分が相手をしているときに限られません。
そばでやりとりを聞いている(意図するしないにかかわらず聞こえてしまう)だけで、集中は乱され、腹が立ってムカムカし、ストレスで頭痛などの体調不良すら起こりえます(私も実際に経験があります)。
次に、通勤時間。
猛暑だろうと台風だろうと雪だろうと会社まで行かなければなりません。
徒歩で5分くらいならまだしも、電車で片道1時間という距離を毎日です(これは私の例です)。
自分のことながら、これほどの無駄はないと感じます。
しかも毎日毎回時間どおりに電車が運行する保証などどこにもありません。
ときには人身事故などで数時間もの時間を奪われることもあります。
(特に私が使っている東武〇〇線は人身事故が多いことで有名です。帰りの電車で2つの人身事故が立て続けに起こったこともあります・・・)
なかには電車に乗っている間に読書をしたり、睡眠をとったり、パソコンで仕事もできると主張する人もいるかと思います。
ですが、先に述べたようなリスクを負うデメリットに比べてどれほどのメリットがあるでしょうか。
さらにいえば、電車で必ず座れるとは限らないし、何より自宅やカフェなど自分が集中して読書や仕事のできる場所や環境で取り組んだ場合、効率性は比べものにならないでしょう。
◆いかに自分を大切にできるか
筆者がいうように、お金持ちの視点は要はこれだと思います。
これは決して他人を蔑ろにするということではありません。
むしろ自分を大切にしているからこそ、他人の時間を無駄にしないような気遣いの気持ちが生まれるのではないかと思います。
もちろん思考を転換したからといって年収が1億円になるということではありません。
取り入れるべきはその精神です。
彼らは自分が進みたい、進むべきだと思う方向に向けて、一心にひたむきに努力する。
自分が決めたことだから辛くても精神的には豊かで充実しているのです。
その魅力的な精神が人を惹きつけ、応援を呼び、ひいては経済的な豊かさにも結びついているのだと思います。
逆にいえば、年収がいくら高くても、仕事が忙しくてただ辛いだけで満たされないのは、自分が選んだことではなかったり、そもそも好きではなかったり、人にやらされたりしている結果なのだということかもしれません・・・。