【集客がうまくいかない、集客地獄から逃れたい人にオススメ】
本書は、売り込まなくても結果が出る集客術を身につけ、集客地獄から抜け出すことを目的とした本です。
著者の佐々妙美氏は、セミナーに特化した集客コンサルティングを専門とする「セミナービジネスプロデューサー」として、これまで1万5000人以上をセミナーやイベントへの集客を手がけてきた実績を持ちます(発行当時)。
豊富な実績に裏打ちされた「感情集客術」のためのヒントが紹介されています。
著者は、クライアントへのコンサルティングを繰り返す中で、試行錯誤を重ねがら徹底的に分析し、再現性があると確信できたものをノウハウ化することを行ってきました。
しかし、それでも集客に悩む人は一向に少なくならないという事実に気がつきます。
なぜか。
それは、集客のために必要なのは、ノウハウやテクニックではなく、お客さまとの「人間関係」という根本的なことが置き去りになっているからだというのです。
それを忘れてノウハウやテクニックばかりに気を取られると、お客さまをモノやお金として考えられなず、いつもお客さまをかき集めなければならないという「集客地獄」に陥ってしまうといいます。
じゃあどうすればいいか。
著者は、お客さまが本質的に求めているのは、あたなの商品やサービスから、どんな感情を得られるのか、何が満たされるのかが大事だといいます。
そして、お客さまの感情を理解して、その感情を動かすことができれば、お客さまは自然に行動してくれるようになります。
そのことによって売り込まなくても結果が出るようになり、集客の苦しみから救われるというわけです。
それでは、「感情集客術」を実行するうえで重要なことを整理してみます。
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◆理性の前に感情ありき
・生物としての人間の脳の構造から見た衝動の仕組み「本能」→「感情」→「理性」
・消費行動の前には、必ずその行動によって得たい感情がある
・「好き」が集客やセールスの最大のポイント
→ 「生涯顧客」になってもらう前提条件は「好き」になってもらうこと
・相手との関係性がないとテクニックやノウハウを使っても意味がない
→ 1回きりで終わらない集客をするには、1回きりで終わらない人間関係を築くこと
→ 相手の感情を満たすこと
◆行動を生み出す2つの要素と5つの感情のマトリクス
【2つの要素】
「痛み」・・・痛みから逃れる
「快楽」・・・快楽を求める
【5つの感情のマトリクス】
・行動の動機づけとなる感情は5分類
①安心したい・・・「痛みから逃れる」×「対自分」
②繋がりたい・・・「痛みから逃れる」×「対他人」
③認められたい・・・「痛みから逃れる」×「快楽を求める」×「対自分」×「対他人」
④変化したい・・・「快楽を求める」×「対自分」
⑤貢献したい・・・「快楽を求める」×「対他人」
・人によって、どの感情が行動の動機づけとして突出しているかを知り、そこを刺激すること
・関係を築くための順番
「安心」できる状態をつくる → 「繋がり」を感じられる → 「認められたい」を満たす
◆5つの感情の特徴
〇安心したい
・「行きたい」という欲求に続く最も基本的な欲求
・心配がない
〇繋がりたい
・「愛されたい」欲求
・ザイアンス効果(会う回数が増えるほど、親しみや好意がわく)
→ 一度に長文を送るのではなく、コミュニケーションを小分けにする
〇認められたい
・自己受容感
・特別感
〇変化したい
・強味の発見
・悩みの明確化
〇貢献したい
・小さなお願い+感謝
◆お客さまに信頼される
・5つの感情を満たす=「好き」
・「好き」に「すごい」を追加する
・「すごい」=スピード、外見、権威
・商品やサ-ビスが顧客の幸せにつながると確信を持つ
→ 自分がまず信じる
・お客さまはモノを「買いたい」
→ 買わないのは買う理由がわかっていないから
→ 買い理由を与えてもらうと、買うことができる
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「お客さまの感情を理解して、その感情を動かすことができれば、お客さまは自然に行動してくれる」とは、神田昌典さんのいうエモーショナル・マーケティングや小阪裕司氏の感性マーケティングにも共通する考えかと思います。
つまり、お客さまが「感動」し、感動したお客さまに見込客になってもらうこと、そしてそうした見込客を増やすことがマーケティングの本質であるということです。
「感動」が肝というわけですね。
「感動」と一言でいうのは簡単ですが、いざやるとなるとなかなか難しい。
特に、欲しいモノや情報がいつでもどこでも手に入りやすい現代においては、ニーズが細分化し、しかもそのニーズが満たされて「当たり前」というのが前提にある気がします。
ただニーズが満たされるだけでは満足しない。
ましてやちょっとしたことでは感動することはありません。
しかし、だからこそ、お客さまの期待を上回る、あるいはお客さまが気づいていない潜在的なニーズを呼び起こし、感動させることができれば、お客さまを引き付ける強い力になるでしょう。
そのためには、売り込みよりもまず、お客さまにとっての利益や価値を考えることが大事なんだと思いました。
ありがとうざいました。