埼玉県ときがわ町の起業支援施設 iofficeにて、「女性×起業」をテーマとした読書会「女性 × 起業 Book Cafe」が開催されました。(主催はときがわカンパニーさん)
(ときがわカンパニーさんの開催記録はこちら。)
開催にあたって、2つのことを試みました。
一つは「女性と起業」
iofficeでは、起業相談や比企起業塾などで起業したい人の支援を行ったり、読書会をやったりしていましたが、女性に特化したものはありませんでした。
もちろん本来は女性だけの問題ではないのですが、一般的に仕事と家事・育児との両立に悩んでいる女性が多いので、子どもが保育園や小学校に通っている時間帯を狙って、開催日時を「平日」「昼間」に設定しました。
もう一つの試みは、リアルとオンラインを組み合わせた「ハイブリッド型」の読書会であること。
ここのところの新型コロナ騒動で、集まって何かやるというのが自粛ムードにあります。
それに伴って、オンラインツールの活用スキルの必要性が急速に高まっています。
そのため今回は、オンライン会議ツールの第一選択肢として有力なZoomを使用して、オンラインでの参加を募ることとしました。
参加者は、リアル5名、オンライン3名の計8人(進行役含む)での開催となりました。
うち女性が5名で、既に起業している方が3人、これから起業したいと考えている方が2人でした。
リアルの進行は私、オンラインの進行はKazuma&Ma-shiroの20代・40代コンビが務めました。
課題本には、テーマが「女性 × 起業」ということで、『マイペースで働く!女性のひとり起業』。
この本を題材に、各自の考えを話し合いました。
以下、読書会の様子をまとめました。
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1 「女性と仕事」を考える
(1)仕事をする上での不安、悩み、困りごと
・お金をもらうのに気がひける
→ 友人など親しい人にお願いされて、つい通常よりも割引価格で仕事を請け負ってしまったことがある
→ そういうときに限ってうまくいかないことが多い。つい後回しになってしまい、薄っぺらい成果になってしまう
→ 通常の価格で引き受けることで、相手にとっては予算的にはきついかもしれないが、その分だけ満足感が得られるメリットがあることを伝えるようにしている
・直観で勝負
→ 自分の甘えだと思っていたが、この本に書かれた内容を読んで、男性との違いということで納得できた
・成功する人と成功しない人の違い
→ 続けた人だけが成功する。好きじゃないと続けられない
→ 最近、布ナプキンの営業をしているが、自分がやりたいのは本当にこれなのか疑問に思えてきた
→ 農業のお手伝いをしたり、鶏を飼って世話をしているが、そっちの方が楽しくなってきた
・子育てで時間に制約があることもあり、つい頑張りすぎてしまう
→ 頑張れば頑張るほど、罪悪感を覚える
→ 仕事が好きであればあるほど、自分のわがままではないかとの疑問
→ 子どもが小さい頃はとくにそうだった。うまく付き合っていくしかない
・本書では、仕事と家庭の両立が前提だが、少し前の時代は女性がキャリアを追い求めるには家庭を犠牲にするしかなかった
→ 罪悪感があった
・子どもが小さい頃から、自分で自分のことができるマネジメント力や、料理ができる男の子を育てることを考えていた
【意見交換】
・直感は大事。ただ、クライアントに説明する義務があるので、直感を理論武装できるように準備している。秘訣は、「なぜ?」を考えること
・「ミッションは変えてはいけない」と聞くが、起業に成功している友人に聞いたら、「ミッションとかビジョンは何度変えてもいい」といっていた
・奥さんから、「今の仕事に全力投球したい」といわれたら、男性はどう思うか?(男性への質問)
→ (男性A)ずっとと言われたら、難しい。自分もやりたいようにやらせてもらっているので、奥さんにもやりたいことをやらせてあげたい。できる限りのことをする
→ (男性B)お互い様。できる方がやればよいというスタンス
→ (男性C)まだ結婚していないが家事全般できるので問題なし
(2)仕事の上で大切にしていること
・同じことを繰り返すので、自分が「飽きない」こと
→ 成長やチャレンジを楽しむ
→ 仕事が好きなので、逆に自分が楽しみすぎてお客さんが置き去りにならないように気を付けている
・自分を常にベストな状態に保つこと。そうでないといい仕事ができない
→ そのうえで挑戦や失敗をどんどんしたり、社会の役に立つことを意識している
・細く長く続けること
→ 小さなことで仕事を失うのはもったいない。些細だけど大事なことには気を遣う
・今はスキルと結果にこだわりすぎないこと
→ 今まで遠回りしてきたけど、遠回りすることで得られることも多い
・楽しむことを大事にする人生にしたい
→ 今の仕事は楽しいと思えることがほとんどない
・時間に余白をつくること
→ 土日を除き、保育園が週5日あるうちの3日で仕事を終えられるスケジュールを組んでいる
→ 仕事が終わらない場合の予備日やインプットの時間として使う
・楽しむこと、自分の幸せが他の人の幸せにつながること
【意見交換】
・体調不良で仕事にいけないときどうしている?
→ 大事な仕事のときは体調管理を万全にする。そもそも体調を崩さないことを徹底。体調悪くてもそれを見せない
→ スケジュールがタイトだと体調崩しやすいので余白は大事
→ 体調管理も仕事のうち
・子どもが体調不良のときは?
→ 仕事のスケジュールにあわせて、子どもの体調管理も徹底
→ どうしてもやむをえないとき、一度だけ夫に任せたことがある。そのあとのフォローが大変だった・・・
・夫婦でなぜ半々で分担できないか?
→ (女性A)理想と現実。やろうとすると覚悟がいる。それを変えようとするか、現実的にこれだけのことをやるのにどうしたらいいかを考えるか
→ (女性B)家事も育児も、できる方がやればいいはず。妻がやると当たり前で、夫がやると「すごい」といわれるのが複雑な気持ち
2 「女性と起業」を考える
(1)「起業」のイメージ
(2)女性ならではの「起業」って?
・「女性起業家」というと総じてスケールが小さい。上場するような企業がバンバン出てもいいはず
→ 女性だから小さくていい、というある種の抑圧を感じる
・「家事と育児=女性の役割」という感覚がそもそもおかしいのでは
→ スモールビジネスでなければいけない理由は、女性だけの問題ではない
・女性が稼ぐのはなぜなのかという動機づけが、社会に認知されていない
→ 離婚や夫の逝去で、妻が家計を支えなければならなくなったらどうするか
→ いざというときに自立できる経済力を持ちたい
→ 夫と一緒に何かやっていきたいという気持ちもある
・女性の起業は小さくなりがち。でも一方で、小さいから気軽にできるので覚悟がいらない
→ 家事・育児が女性に偏りがちなのは、女性ができるから
→ 数字が苦手で、大きいことが考えられない
→ メリット、デメリット両方ある
→ 重要なのは「何のために起業するか」
・小さく始められるのはメリット。行動が起こしやすい
→ 社会と接点を増やすことで、自分の評価が得られる。自分はどんなことができて、どんなことができないか
【意見交換】
・今の大学生は一度は起業したいと思っている?
→ 起業を考えている人は少ないのではないか。自分は起業したいと思っている
・男女の起業相談で、内容の違いはあるか?
→ あくまで経験則だが、女性は「好きなこと」で起業したい人が多い。あとは、資格を活かしたビジネス
→ 男性は「稼がなきゃ」「組織や会社が嫌だ」という人が多い。こういう人に限って1回しか相談にこなかったり、いわれたことをやらない
・男女の起業相談で、アドバイスする内容に違いあるか?
→ ない。「どうやってお客さんをつくるか」がすべて
・女性は、数字や契約の内容面で弱いところはあるかもしれない
・友人が起業したから私も!というパターンも多い
・ビジネスを大きくすることにこだわっているわけではないが、起業しはじめの頃、子どもを保育園に預けられず、キャリアを同時にスタートさせた知人との比較で落差を感じた
→ 自分の後に続く人たちに、同じ思いをさせたくない
3 参加しての感想
・本だけではわからない、生の声を聴けてよかった
・Zoomはかなり使えそうなので、もっと勉強したい
・起業塾の活動報告会後のモヤモヤ期に入っていたので、いい刺激になった。自分に今できることで行動を続けたい
・起業の先輩の話を聞くいい機会いいになった。
・「罪悪感」の話は共感した
・これまで聞けなかったみんなのモヤモヤを聞くことができてよかった
・子どもの成長に連れ、悩みが変わることがわかった
・女性の本音を垣間見ることができた
・男性も自分事として考えないといけない
4 次回開催への期待
・今回はマインド系だったので、次はスキル系、実践系を学びたい
・ゼロイチ向けの本だったので、ある程度の起業経験者向けでもよい
・男女向け問わず、良いビジネス書を学びたい
◎次回への課題(個人的な反省も含め)
・声が聞き取りづらい場面があった
→ 1人1台パソコンを準備し、それぞれイヤホン&マイクを使用するとよいかもしれない
・2時間だと負担が大きい
→ 平日の午前中、90分くらいが参加しやすい
・参加者レベルに応じた選書をする必要がある
→ ターゲット設定
・話の聞き方のルール設定があいまいだった
・ワークシートを用意しておけば問いの全体像を予め把握できるため、回答の重複防止にもなり、思考の整理にも役立つ
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今回の読書会では、本からの学びだけにとどまらず、いろいろな学びがありました。
リアルとオンラインそれぞれの進行、Zoomの活用方法、参加者との対話・・・なんと実りの多い読書会になったことか。
参加者の皆さまにとっても有意義な時間となれば、この上ない喜びです。
参加者の皆さま、Kazuma&Ma-shiroのお二人、ありがとうございました!