比企地域元気アップ実行委員会主催の現地視察会に参加してきましたー。
視察先は、川島町の「笛木醤油」さん。
2019年11月に、新たに「しょうゆパーク」をオープンし、多くのお客さんが訪れているという人気スポットだそうです。
元気アップセミナーの現地視察会は今回が2回目ですが、今回は私が好きな「醤油」がテーマということなので、ピンポイントでの参加でした。
このあたりで醤油屋というと、坂戸市・日高市にある弓削田醤油さんの「醤油王国」が有名です。
(実は私も弓削田醤油の「高麗郷の丸大豆天然醸造しょうゆ」の大ファンだったりします)
でも、笛木醤油のしょうゆパークは、もっと本格的なしょうゆのテーマパークということでかなり気になっていました。
ということで、実際に行ってみた感想や現地視察会での学びをレポートとしてまとめてみました。
↓ レポートはここから
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「⇒」は個人的な気づき、学び
◆笛木醤油株式会社 十二代目当主 笛木社長のお話
・笛木醤油の創業は1789年。現当主は2年前に承継
・仕事の傍ら、夜間大学に通い、MBAを取得
・原料の大豆から作っている
→ 7月種まき、10月収穫
→ 大豆収穫後に小麦種まき、梅雨前に収穫のサイクル
・木桶は3年に1個ずつつくっている
→ 杉はときがわ町産、竹は日高市のもの
・工場見学することで、「醤油がおいしくなる」
→ 理由は不明
→ 醤油が「見られている」「声を聴いている」
→ モーツァルトを聞かせている酒蔵もあるとか
→ 仕込み蔵の中で絶対に怒ったり、汚い言葉を使ったりしない
・もろみはなるべく混ぜずに、自然に発酵させる=技術
→ 混ぜれば混ぜるほど、人工的な発酵になってしまう
・職人さん自身による説明が大事
→ 熱意伝わる
→ 職人のファンになるお客さんも(ファンレターが届いた!)
⇒ 職人さんのモチベーション向上にもなる好循環が生まれる
・社長は「一番厳しいお客さん」でなければならない
・デザインは営業収入に響くが、大切なもの
→ 先輩経営者に相談し、県の補助金を使ってデザイナーに依頼
・全体で従業員が20名増えた。女性が3分の2
・オリジナル醤油づくり体験なども提供
・各地のいろんな醤油屋さんの醤油を買えるようにもしたかったが、実現せず
・聞かれればすべて答えるオープンマインド
⇒ ここには書かないが、売上額、訪問者数も教えてくれた
・奥さんがアイデアマン
→ いいと思ったことはどんどん取り入れる
・「小出しにする」
→ そうしないと飽きられる
⇒ それもあるが資金面の都合もあるのでは。スモールスタートで、小さく始めて、小さな改善を少しずつ積み上げていくと失敗したときのダメージが少なく、確実に成長できる
⇒ 事件があったときのリスクが大きい食品関係ならなおさら
〇しょうゆパークのコンセプト
・「学ぶ」「遊ぶ」「食べる」「買う」
・工場見学では、大手がやっている醤油のプレゼントをやめた
→ その代わりにお客さんに提供するのは、満足を超える「感動」
→ 金笛しょうゆ楽校の「教科書」を配布
・すべての目的は、すべての「醤油を買ってもらうこと」
→ 「ここでしか買えないもの」=小川町産有機栽培の在来大豆を使った醤油
→ 「売れる商品」=パウダー醤油
川越市にある支店でのテスト販売を繰り返し、製造が追いつかないくらいの大ヒットに
・目標は年間1万人
①「学ぶ」
・木桶の中のもろみをかきまぜる体験(全国で1社しかやっていない)
・仕込んだばかりのもろみと、発酵が進んだもろみの味比べ
・絞りたての生醤油が味わえる
・発酵熟成期間は2年間(大手メーカーは数か月)
②「食べる」
・期待を超えたい → 軽食ではなく、メニューを充実させ、選ぶ楽しみを提供
③「買う」
・醤油、商品を選ぶ楽しさ
④「遊ぶ」
・滞在時間を延ばしたい → フォトスポット、わんぱく広場
〇課題・今後の展望
・駐車場が手狭
・川島町全体への波及効果
→ レンタサイクルを導入するも、利用者ゼロ
→ 川島町特産品を使った商品開発
・醤油の絞りカスの活用方法
→ 家畜の餌となるのは数パーセントで、多くは産業廃棄物になる
→ 塩分が8パーセントあり、菌も生きている状態
→ 活用することができれば、利益を拡大することができる
→ 某大学との連携による研究中
◎全体の気づき
・満足を超える「感動」を与える
・すべての事業は目的の達成のため
・駐車場の容量などを考えると、より多くのお客さんに来てもらうよりも、濃厚なファンをつくることが今後重要になるのではないか
→ 新規よりもリピーターを増やす
→ 100人の人に1回ずつ来てもらうより、1人に100回来てもらう
・醤油マイスター、醤油ソムリエのようなものがあると、学ぶモチベーションになる
→ 初級→中級→上級など段階があるとさらに濃厚なファンになる
・その他、個人的にあったらいいと思ったもの
→ 木桶グッズ(タンブラー、家庭用のうどん桶)
→ 自家製醤油仕込みセット
→ 複数種類の醤油小瓶セット
・青森県民が利きリンゴができるように、埼玉県が利き醤油ができるようになったら面白い
・埼玉県は、一部を除いて観光スポットとしては小粒な場所が多い
→ 川島町の中で考える必要はなく、どんどん連携していけばいい
・埼玉県には、海以外のもので生活に必要なものは何でもそろう
→ 「非日常」よりも、「特別な日常」感の方が埼玉のイメージに合うのでは(埼玉県産業振興公社 斎藤氏)
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↑ レポートここまで
いやー、地域には頑張っている企業がたくさんありますね!
何より笛木社長の熱量はスゴイ!!
聞いていてまさに「感動」したし、ワクワクしました。
このような会社が地域にどんどん増えればいいなと思いますし、頑張っている企業が成長するお手伝いができたらいいなと思います。
そのために自分にできることをやっていきます!
それから、現場視察会に参加された皆さんも、少しでも多く学ぼうと意欲的に質問したり、しょうゆパークの仕掛けを積極的に体験していました。
中には江の島から来られた方もいました!
やっぱりこういう前向きな学びの場ってモチベーションが上がっていいですねー。
あと、ここには詳しく書きませんでしたが、工場見学後の食事も美味しかったです。
うどん中心メニューですが、いろいろな醤油を自由に試せるようになっていて、こりゃー楽しい!
これからの取組が楽しいですね!
また来ます。
比企地域元気アップ実行委員会の皆さん、笛木社長、ありがとうございました!!