SAITAMA(埼玉)暮らしと本が最強なワケ

サイタマ産まれ、サイタマ育ちの共働き夫婦によるサイタマ暮らし。 ほとんど埼玉を出ません。 埼玉LOVE♡ 本もLOVE♡ なので書評も書いています。

すてきな絵本の世界(書評)

こんな絵本があったのかしら!本屋のヒントが盛りだくさんの『あるかしら書店』

あるかしら書店
ヨシタケ シンスケ
ポプラ社
2017-06-06


【本屋さん、またはこれから本屋さんになろうとする人にオススメ!】


子どもの絵本を買いに行き、絵本を物色しているときに偶然発見した人気作家ヨシタケシンスケ氏の絵本(?)

そのタイトルも『あるかしら書店』


タイトルにあるとおり「あるかしら書店」というある本屋にまつわる物語です。

あるかしら書店は、「本にまつわる本」の専門店。

毎日、いろんな本を探しに多くのお客さんが訪れます。

お客さんの悩みごとに応じて、店主が本をセレクトします。

そのユニークな視点がヨシタケシンスケさんらしくユニークで、しかもこれからやろうとしている本屋のヒントが満載です。

もはや絵本の域を超えていると感じました。



これは!と思った内容

〇2人で読む本
・上下巻で、内容が上半分・下半分にわかれており、2冊並べて同時にページをめくらないと読むことができない


〇読書サポートロボ
・読書をよりよいものにするサポートロボット。途中でくじけそうになったら励ましてくれる、ウトウトしたら起こしてくれる、感想を聞いくれるなどの機能

⇒ AIでもできるかもしれないが、人がやったら「読書コーチ」みたいなものができるかもしれない。
または、「読書民泊」なんていう発想もある。


〇読書履歴捜査官
・容疑者が今まで読んできた本を見抜く超能力で事件を解決する

⇒ ブリア・サヴァランの名言に、「あなたがこれまで食べてきたものをいってみたまえ。あなたがどんな人間であるか当てて見せよう」というものがある。
言い換えれば、「どんな食べ物を食べてきたかがわかれば、その人がどんな人間であるかがわかる」というもの。
最近、本についても同じではないかと考えている。
「どんな本を読んできたかがわかれば、その人がどんな人間であるかがわかる」


〇本のつつみ方

・お客さんの要望に応じて、いろいろなやり方で本を包む

⇒ 包み方による差別化


〇本とのお別れ請負人
・センスのいい本棚の保管を請け負う

⇒ 保管できなくなった本、やむを得ず処分しなければならない本を引き取るサービス(今回試しにやってみたこと)


〇書店婚
・本屋で結婚式
⇒ アリでは!?
たとえばプロフィールビデオの代わりに、影響を受けた本リストとか面白い!!


〇お墓の中の本棚
・お墓参りの時だけお墓が開き、故人が好きだった本、大事にしていた本が納められている


〇本のその後
・本のリサイクルセンターで、本がいろいろな要素(紙、色、文字、ものがたり、作者の気持ち)に分けられて処理される


〇本が好きな人々

・かぐのが好き、いろいろはさむのが好き、読むのが好き、積むのが好きなど、本にまつわる「好き」は人それぞれ


〇本のようなもの
・人間を本に例える


〇ラブリーラブリーライブラリー
・誰かの家の本棚の本たちはその人のものでしかない
・図書館にいる本たちには、「誰かのため」という夢がある


〇本屋さんってどういうところ?
・本屋さんの仕事の意味

⇒ 参考になります!



全体通じて、「さすがヨシタケシンスケ!」という感じです。

ヨシタケシンスケさんの他の絵本も、ユニークかつ内容も深いので、大人でも楽しめて大好きです。

これからも同氏の絵本をウォッチしていきます!

ありがとうございます!


「子どもとキャンプに行くなら、こんなことをしてみたい」がつまった絵本(『キャンプ!キャンプ!キャンプ!』)







子どもがキャンプに行く楽しみが凝縮している度 : ★★★★★
子どもが「キャンプ行きたい」と言うことが予想できる度 : ★★★★★




『ピヨピヨはじめてのキャンプ』に続き、キャンプ関係の絵本を発見してしまいましたので報告させていただきます!

(『ピヨピヨはじめてのキャンプ』の紹介はこちら。)



その名は、『キャンプ!キャンプ!キャンプ!』

この絵本を偶然図書館で見かけたとき、「おおっ」と驚きました。

まさにそのものズバリのタイトルです

なんとタイトルだけで「キャンプ」が3回も出てきます。

こんな絵本があったんですね。



タイトルだけではありませんよ。

期待に違わぬ充実したキャンプ話が詰め込まれています。



主人公は小学校低学年くらいと思われる男の子。

家族4人で、お父さんの友人家族5人と一緒にキャンプに出かけるというお話です。

初めてキャンプを経験する彼の目線から、ざっとこんな出来事が描かれています。


・始めてのキャンプ

・友達家族とのキャンプ

・テント張り

・川遊び

・川でのエビ捕り

・火おこし

・バーベキュー&エビ素揚げ

・花火

・満点の星空

・テントで寝る

・夜明け前の昆虫採集&セミの羽化

・野外での朝食

・後片付け、ゴミ拾い

・友達との秘密の約束




キャンプに出掛けてから帰るまでが、まるで絵日記のように描かれていて、表情豊かな描写に吸い込まれそうです。


特に、私のお気に入りのシーンはコレ。


IMG_6625


どうですかこの満天の星空。

見たときの感動が伝わってきますよね

夜空に「すいこまれそう」という気持ちがよくわかります。



ちなみに、私自身は家族でのキャンプ経験はなく、少年野球時代と社会人になってからそれぞれ1回ずつバンガロー?コテージ?のようなところで宿泊したことがある程度なので、「未経験者・初心者」の目線がよくイメージできます。

想像力豊かな子どもだったら、なおさら主人公の感動、戸惑い、ドキドキを疑似体験できるんじゃないかなあ。



現に、『ピヨピヨはじめてのキャンプ』のときもそうでしたが、図書館から借りてきてまだ2日しかたたないというのに、おそらく10回以上は読んで聞かせています。(もちろん押し付けたわけではなく、子どもの意思です)

それくらい魅力的に感じられる「体験」なんだろうなと思います。

で、読んだあとは、「キャンプいきたい」です。



なんでも「やってみたい」という好奇心を引き出すことと、その好奇心を満たしてやることは親の責務というべきでしょう。

さあどうするかな・・・。



シュールすぎる「ほとけさま」たちの運動会に、じわじわと笑えてクセになる(『だいぶつさまのうんどうかい』)

だいぶつさまのうんどうかい
苅田 澄子
アリス館
2017-08-25


設定がシュールすぎる度 : ★★★★★
ほとけさまたちに親近感を感じる度 : ★★★★★




娘のための絵本を買おうと、娘と二人で本屋にいって見かけたときは一瞬、「え?」という感じでした。

ですが、じわじわと笑いがこみあげてきて、「なにコレ!?」という半ば呆れと、「マニアックすぎる!」という半ば興味本位で、娘をうまく洗脳して(?)購入しました。



いやー、期待どおりというか期待以上というか、実になんともいえないほのぼのしたシュールさ加減ですね。

一言でいえば、「だいぶつさまが運動会に参加したらこうなる」。

ただ、それだけのお話です。

それだけなんですが、それがじわじわときいてクセになるんです。


主役のだいぶつさまは、予想どおりの活躍(?)を見せるので、それほど意外性はないかもしれません。

でも、周りの「ほとけさま」や「ぼさつさま」たちが、なかなかいいキャラを醸し出していて、絶妙にシュールな世界を演出してくれています。


たとえば、こんな感じ。


筋肉むっきむきな「におうさま」

ひたすら動きがかわいい「じぞうさま」

天才か!?と叫びたくなる姿で描かれた「せんじゅかんのんさま」

天然ボケ的なところもある「あみだにょらいさま」



どの「ほとけさま」たちも、本来の性格がよく表れていますね、

思わず、「ほとけさま」のことを学びたくなります!

(「ほとけさま」と一括りにしていますが、「仏」と「菩薩」と「天」って本来まったく別ものなんですよ)


加えて付録として、絵本に出てくる「ほとけさま」たちを紹介するリーフレットが付いているのが嬉しいですね!



最初は、「よくわからん!」と正直な感想を述べてくれた娘ですが、今ではお気に入りの1冊です。

ほとけのポーズ」もマスターして、その場面ではノリノリで真似してくれる娘です笑



ポンポンポンチョが営む本屋では、本ではなく自分への信用を「価値」に変えた「ポンチョ」自身が商品になった(『ほんやのポンチョ』)

ほんやのポンチョ
にしの あきひろ
幻冬舎
2018-12-06


ポンチョの生き方に憧れる度 : ★★★★★
こんな本屋があったらいいなと思える度 : ★★★★★




『えんとつ町のプペル』でおなじみの、キングコング西野氏の絵本。

これからの本(屋)のあり方、「価値」について考えさせられますね。



ポンチョは、まちの人たちの手伝いばかりしています。

ポンチョは、本を売ろうとしません。

ポンチョは、自分の店の本を読んでばかりいます。

ポンチョは、自分の店の本にしるしやコメントを書き込みます。

そうしたら本が売れました。



言葉にしてしまえば、それだけのストーリーです。

ですが、そこには著者からの込められたメッセージが散りばめられています。



◆本に印や書き込みをすると売れるようになるか

では、果たして本に印や書き込みをすると売れるようになるのでしょうか。

そんなはずはありませんね。



まちの人たちが本を買ったのは、その本がポンチョのお店の本だったからです。

もっというと、ポンチョが読んで面白いと思い、印やコメントを書き込んだ本だったからです。

扱う本が新刊本だろうと中古本だろうと関係ありません。

ポンチョが手に取って、読んで、印をつけて、コメントした「その本」に価値があるのです。

言い換えれば、ポンチョの店で本を買うお客さんにとって、本の価値は、ポンチョが印をつけたかどうかということで決まるということですね。

モノや情報それ自体に価値があるのではなく、それを発信する人自身(の信用)に価値を認めるという著者の考えが明確に示されていて興味深いです。



◆ポンチョは結局何をしたのか

ポンチョは、毎日まちの人たちのお手伝いをすることで、まちの人たちからの「信用」を築いていきました。

ポンチョが意図してそれを狙っていたのかはわかりませんが、結果的にそれが彼の店の大繁盛と火事からの復活につながるのです。

自分の店の本を売ることだけを考えて売り込みをしていたのでは、決して店は大繁盛することはなかったでしょうし、火事でお店がなくなってしまったときも店を復活させることはできなかったでしょう。



本が大好きなポンチョ。

まちの人たちのことをいつも考えているポンチョ。

店や店の本よりも、女の子からもらったぬいぐるみを「たからもの」というポンチョ。

そんなポンチョだからこそ、まちの人たちも彼のことを好きになり、彼が選ぶ本を信用したんだと思います。



しるしのおかげで ポンポンポンチョのみているところがよくわかる

しるしのおかげで ポンポンポンチョのドキドキワクワクよくわかる

これはせかいにひとつだけ とってもステキな『しるしぼん』




このセリフが世界観を象徴的に語ってくれますね。



これからは「お金」より「信用」の時代。

そんな価値観が表現されている絵本です。

子どもだけでなく、大人の方が読んでも気づきを得られる本です。



『ピヨピヨはじめてのキャンプ』の読み聞かせで感じた、「キャンプ」の吸引力

ピヨピヨ はじめてのキャンプ
作・工藤 ノリコ
佼成出版社
2014-04-18






子どもと一緒にキャンプに行ってみたくなる度 : ★★★★★
キャンプはやっぱりカレーでしょ度 : ★★★★★



上の子用の絵本として新たに『ピヨピヨはじめてのキャンプを購入しました。

はじめてのキャンプ」という言葉が気になってしょうがなかった私。

上の子が別の絵本に替えようとするのを巧みに(?)誘導して買うことが決まりました。

野あそび夫婦」こと青木さん夫婦に触発されたのかもしれませんねー。



家に着くと、妻が夕食の支度をしていたので、夕食まで上の子の相手。

新たに買った本・借りた本は即読み聞かせを迫ってくる上の子。

この日も例外でなく、さっそく『ピヨピヨはじめてのキャンプ』を手に、「これ読んで!」の連呼。

これ読むまで続きます。(そして読んでもいつ終わるかわからない・・・)

なので覚悟を決めてソファに腰かけ、上の子を抱えて読み始めました。



すると、出るわ出るわキャンプの醍醐味(ろくにキャンプにいったことのない私がいうのもどうかと思いますが)


テント、野外での火おこし、調理、食事、魚とり、山の幸(きのこや木の実)、寝袋・・・。

「まつぼっくりはよく燃える」なんてトリビアもありました。

松葉は知っていましたが、まつぼっくりは知らなんだ。



キャンプに憧れはあっても、野外での火おこしとか調理とか経験がそれなりにあること以外についてはなかなかなじみを感じられないでいる私。

でもやっぱり子どもには経験させたいし、一緒に経験してみたい。

そう思います。

とある集まりで話題に出た、「子どもがいるとキャンプには行かざるをえなくなる」というお話。

これ本当かもしれません。

だって子どもの食いつきが違うんです!

ピヨピヨはじめてのキャンプ』を読んで、「テント欲しい!」「寝袋欲しい!」と上の子のテンションが上がるわ上がる

なんと連続して5回も同じ絵本を読まされましたよ・・・。



これはいずれ「野あそび夫婦」にお願いすることになるかもしれませんねー。



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