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「⇒」は個人的な気づき、学び


◎本書の趣旨



・行政にとってのPDCAの問題点

→ きちんとPを作ろうとするあまり、そこで足が止まってしまう

→ 小さなdoをとにかく起こす


・どんなことでも、やってみれば見えてくるものがある。何かしらの発見がある。それが次のdoにつながっていく

→ すでに一歩踏み出している人の方が、次の行動に移りやすい


「小さなdo」で、目の前にいる人を喜ばせることの積み重ねでしか、世の中は変えていけない


目の前にいる「最初のひとり」を大切にする


公務員には大きな与信があり、大きな可能性がある。公務員だからこそできることがある





◆ナンパで身に付けたマインドセット


・成功するまでやめないと決めた時点で、失敗は存在しなくなる


・全員と知り合いになりたいなら、目の前のひとりと真剣に向き合うことの積み重ねでしか実現できない


・「絶対に成功させなきゃ」と意気込むのではなく、「女性に断る権利をあたえる」「やるべき仕事は終わった。はい、次」という型で動けば、心は折れず、いくらでも声をかけられる

→ ベンチャー企業との共通点

→ 事前に計画が立てられないベンチャーの世界では、小さな試行錯誤を山ほど繰り返す。結果を見て、ダメそうだったら棄てて、イケそうだったらさらに力を入れる。それを高速回転することで、可能性を可視化していく(=MVP(ミニマム・バイアブル・プロダクト))






◆寛容性が新しい価値を生む


・アーティストは「3つのTを大切にする場所」を好む

→ テクノロジー、タレント(才能)、トレランス(寛容)

→ 特に寛容性が一番重要

→ 寛容性が新しい価値を生み出す





◆公務員として働くこと


・知らない若者が空き家に押しかけて話を聞いてくれたのは、市役所の職員だったから

→ 公務員としての与信


・「地元で飲むと住民から文句いわれるんで、隣町で飲もう」なんてことが起きているのが、地方公務員の世界


・「少なくともお前は、ちゃんと地域に出ていっている」と認められた

→ 「変わった地方公務員」「フツーじゃない地方公務員」


⇒ 公務員が地域に出ていくのは「フツー」では?

⇒ 公務員が地元から逃げている現状は、地元の住民と関係性が築けていない状態

⇒ 与信と期待感が、「不信」に変わる。それを自ら勝手に恐れているのではないか

⇒ 小さな失敗をしても、成功させる覚悟と行動。行動すれば応援者が出てくる。結果が出れば応援者が増える



・技術的問題は民間企業でも取り組める。どこに問題があるのかもわからず、解決方法も見えない適応課題には、クビにならない公務員が取り組むしかない


「ドゥー・ザ・ライト・シング・ナウ!」

→ 自分が正しいと思うのであれば、いますぐやれ。それが自分の支持者を増やし、ひいては社会を変えていく。動き出す前に「失敗したらどうしよう」なんて悩んでいる場合じゃない






◆小さな町では動き続けることと関わりしろが重要


・地縁・血縁はしがらみである一方、地域で活動する上ではこれ以上ない武器になる


・アクションを起こしたとき、小さな町だと埋もれることがない



・「みんな来て!」では誰も来ない。ひとりずつしかナンパできない

→ 誰かが勇気をもって動き出すと、かならず応援する人が出てくる

→ 3人目までを決めておくと、「4人目」がまったく想像できなかったようなところから現れる

→ 計画しすぎず、偶発性に頼る

→ 寛容であること、どんな解釈でも受け入れる。決めつけない

→ 好きに解釈できる余白を残しておくと、思わぬ人が現れ、予想もしない出来事が生まれる


⇒ 小さな町では「関わりしろ」が大きい

⇒ 個性が発揮でき、埋もれない





◆人を育て、課題も解決するMISHIKARA(ミチカラ)の取り組み



・お金を払って、なおかつ誰かの役に立つ発想

→ 「お金を払ってでも行きたい」と民間企業が思うような場所になればいい

→ 地方の課題解決をすることが、そのまま企業の人材育成になる「MICHIKARA」



・民間と組む方が効率のいいテーマ設定

→「なんで?」「ホントに?」「具体的には?」「いつまでに?」を徹底して考え、課題の本質を明確化する

→ 明確な目標設定が可能となる

→ 当事者意識が生まれる


⇒ 地方と民間企業とのWIN-WINの実現

⇒ 埼玉県横瀬町の「よこらぼ」では、地域の側から課題を提示するのではなく、解決する課題の提案も民間企業から受けている

⇒ 国などの補助金目的の事業では、問題設定が不十分。積み上げがなく一過性の効果しかない。将来につながる道筋が描かれない誤った目標設定(観光入込客数など)



・民間企業はお金儲けだけを考えているわけじゃない。お金儲けをしつつ、世の中をよくしていくことを考えている。だから「利益を出さなきゃいけない」という制約が外されたとき、ものすごく自由を感じる

→ 公務員にしかできない仕事がある(適応課題)

→ 「初めて公務員がうらやましいと思った」


⇒ 「利益を出さないこと」にお金を使える

⇒ 公務員の「世の中をよくする」という視点と、民間企業の「お金を儲ける」の視点の価値観の融合と交換






◆地方創生のために地域で必要なこと


・未来を生きるのは、現在の若者。未来を決めるのも、彼らであるべき

→ 高齢者の方が選挙に行くから、政治家も高齢者向けの政策を打つ


⇒ 地方自治体と住民の話し合いの場に出てくるのは高齢者ばかり

⇒ 従来のやり方は若者にとって魅力がない。いかに若者が参加したいと思える場をつくれるかが重要



・地方創生のカギは、「地域で挑戦しようとする若者を応援する大人」をひとりでも増やすこと

⇒ 地域で挑戦しようとする若者が増える


・ファーストペンギンになるときは、ロストペンギンにならないこと。絶対に群れから離れないこと

→ 群れから離れると、成功も失敗も共有できない





【全体感想】


〇公務員の伸びしろ

・地方創生フォーラムで、埼玉県横瀬町の富田町長が、「公務員の仕事の熱量からお役所仕事を取り除くと、大きな伸びしろが眠っている」というようなことを話していた

・「与信」のある公務員こそ、チャレンジしやすい

・「スーパー公務員」といわれる公務員は、「与信」を最大限に活用している人たち

・「スーパー公務員」は伸びしろの実例



〇スーパー公務員

・こういう人たちが出てくるのは望ましいが、一方で「あいつは特別だから」と壁をつくって諦めている人がいないか

・「スーパー公務員」は何も特別なことはしていない。地域内外にガンガン出ていって、行動しつづけ、成功も失敗も積み上げて結果を生み出しているだけ。至ってフツーのことで、本来、公務員がやるべきこと

・これを「特別」と思う人は、「お役所」という組織内部にしか目を向けない「官務員」

→ これが「お役所仕事」

→ 「官」と「公」は異なり、「私」が交わるところが「公」(山崎亮『コミュニティデザインの時代』)

→ だとすると、公務員は地域の住民の中に入っていてこその「公務員」



〇まちの実験室

・まちには実験室が必要

・いろんな人がいろんなアイデアをどんどん試せる場所

・迷惑をかけなければ何でもやってOK、失敗もOK

・若い人も年配の人も、成功と失敗を積み重ねていける学びの場

・人が自然と集まって、人が集まると何かが動き出す場