SAITAMA(埼玉)暮らしと本が最強なワケ

サイタマ産まれ、サイタマ育ちの共働き夫婦によるサイタマ暮らし。 ほとんど埼玉を出ません。 埼玉LOVE♡ 本もLOVE♡ なので書評も書いています。

書評

『エッセンシャル思考』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~

FullSizeRender




「エッセンシャル思考の生き方は、本当に大切なことを大切にする生き方である」


本書は、今の自分にとって大切な指針をもたらしてくれました。

「自分にとって、本当に大切なものは何か?」

本書を読みながら、自然とそんな問いが湧いてきました。

 

これまで自分が歩んできた道は、自分が選んできた選択肢の連続でもあります。

でも、胸を張って、「これで間違いじゃなかった」といえる選択がどれだけあっただろうかと考えてしまいます。

頼まれたことを、できるからという理由だけでなんとなく引き受けてしまい、それで満足したり、自己満足的な有能感に浸っていたりしなかったか。


ふり返ってみれば、自分で選んだようでいて、実は選ぶことを放棄して、他人に流されていたことが実に多かったように思います。


私が、「安定している」公務員を退職し、起業の道を選んだのは、まさに自分で選んで決めた大切なことをやっていきたいと思ったから。

そして、その選択を真の意味で実現するためには、まず何が重要かを定めること。

そしてそれ以外を捨てること。

この2つが何より大切であると本書で学びました。


自分にとって大切なことを、今一度ふり返って考えてみてはいかがでしょうか?

 


 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「⇒」は個人的な気づき、感想


◎本書のポイント

 

・「何もかもやらなくては」という考え方をやめて、断ることを覚えたとき、本当に重要な仕事をやりとげることが可能になる

・エッセンシャル思考は、自分の選択を自分の手に取り戻すための道のりである

・自分で選ぶということは最強の武器

 → 不要なものを捨てる生き方は、自由だ。誰かの思惑に振り回されることもなく、自分で選べる 

・選択とは、行動である。与えられるものではなく、つかみとる

・選ぶ能力は誰にも奪えない。ただ、自分が手放してしまうだけ

・エッセンシャル思考の最初の第一歩は、「選ぶ」ことを選ぶこと。自分自身の選択を取り戻したとき、初めてエッセンシャル思考が可能になる

・数かぎりないチャンスのなかから、「これだけは」というものを見つけなくてはならない。本当に重要なことにイエスと言うために、その他すべてにノーと言う

・「絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである」

・捨てるべきものを問うとき、自分の優先事項がはっきりと見えてくる。自分の本当の使命が明らかになり、個人だけでなく組織全体のために最高の仕事ができるようになる

・本質目標を正しく決めれば、その後の無数の決断が不要になる

・本当に重要なことをやるために、本質的でない依頼を断る。肝心なのは、絶対にやるべきこと以外のすべてに対して、上手にノーと言うこと

・本当に重要なことにエネルギーを集中できれば、余分なものを削って、重要なものを活かす余地が生まれる

・習慣は妨害に打ち克つための最強の武器

・エッセンシャル思考の人は、今ここに集中する。昨日や明日ではなく、今この瞬間に何が大事かを考える

・エッセンシャル思考の目的は、世間的な成功を手に入れることではない。人生に意味と目的を見いだし、本当に重要なことを成しとげることである

・エッセンシャル思考の生き方は、本当に大切なことを大切にする生き方である




◆エッセンシャル思考とは


〇エッセンシャル思考になるには3つの思い込みの克服が必要 

「やらなくては」→「やると決める」

「どれも大事」 →「大事なものはめったにない」

「全部できる」 →「何でもできるが、全部はやらない」


・「何もかもやらなくては」という考え方をやめて、断ることを覚えたとき、本当に重要な仕事をやりとげることが可能になる



〇エッセンシャル思考とは何か


・エッセンシャル思考とは、「より少なく、しかしより良く」を追求する生き方である

・エッセンシャル思考は、より多くのことをやりとげる技術ではなく、正しいことをやりとげる技術である 

・努力の方向を絞り、エネルギーの使いどころを必要最小限にすることで、いちばん重要なものごとにおいて最大の成果を上げる

・要するに、エッセンシャル思考とは、自分の力を最大限の成果につなげるためのシステマティックな方法である。やるべきことを正確に選び、それをスムーズにやりとげるための効果的なしくみである

・エッセンシャル思考は、自分の選択を自分の手に取り戻すための道のりである

 → 自分で優先順位を決めなければ、他人の言いなりになってしまう 


〇成功のパラドックス
 

①目標を定め、成功へと一直線に進む

②成功した結果、どんどん多様な仕事を振られるようになる

③やることが増えすぎて、時間とエネルギーがどんどん拡散されていく。すべてが中途半端になる

④本当にやるべきことができなくなる
 

・決断疲れ

 → 選択の機会が増えすぎると、人は正しい判断をできなくなる


⇒ 選択肢を絞る、捨てることが必要。

『選択の科学』で、選べるジャムの数が多すぎると、人は買わなくなるのに似ている。5、6個の選択肢のとき、最も購買額が高い。

・自分で選ぶということは最強の武器

 → 不要なものを捨てる生き方は、自由だ。誰かの思惑に振り回されることもなく、自分で選べる
 

⇒ こんまりさんのブレイクに見られるように、捨てるスキルが多くの人に求められている



◆エッセンシャル思考の基礎となる3つの考え方 

①選択

②ノイズ

③トレードオフ


(1)選択(選ぶ力を取り戻す)

・選択とは、行動である。与えられるものではなく、つかみとる

・選択肢はかぎられているかもしれない。それでも、選択肢のなかから何を選ぶかは、いつ

だって自分次第

・選ぶ能力は誰にも奪えない。ただ、自分が手放してしまうだけだ

⇒ 今の自分は、自分が選んできた結果。

自分で選んだという自覚がないと、他人事の人生、仕事になる。自分事ではなくなる。

⇒ 失敗を他人のせいにするのは、自分事ではないから 

 

・エッセンシャル思考の最初の第一歩は、「選ぶ」ことを選ぶこと。自分自身の選択を取り戻したとき、初めてエッセンシャル思考が可能になる


⇒ 『7つの習慣』 第1の習慣「主体的に考える」
 

(2)ノイズ(大多数のものは無価値である) 

・「重要な少数」は「瑣末な多数」に勝る(パレートの法則)

・数かぎりないチャンスのなかから、「これだけは」というものを見つけなくてはならない。本当に重要なことにイエスと言うために、その他すべてにノーと言う

・エッセンシャル思考の人は、多くをやらなくてすむように、多くを吟味する

(3)トレードオフ(何かを選ぶことは、何かを捨てること)

・何かに「イエス」と言うことは、その他すべてに「ノー」と言うこと

・「どうすれば両方できるか?」ではなく、「どの問題を引き受けるか?」を考える

・「何をあきらめなくてはならないか?」ではなく、「何に全力を注ごうか?」を考える

・トレードオフとは、戦略的に、そして慎重に選ぶとるべきもの


◆見極める技術


・選抜する=もっとも厳しい基準で決める

・「絶対にイエスだと言いきれないなら、それはすなわちノーである」

・最重要基準を一つ用意し、その基準に従って選択肢を100点満点で評価する。ただし90点未満はすべて0点と同じ(90点ルール)

 → 瑣末な選択肢を容赦なく切り捨てられる

・厳しい基準を設けるという行為は、間違いなくあなたに自由を与えてくれる。他人や世の中や偶然で決められるのではなく、自分自身で選ぶ自由だ。「仕方なく」選ぶのではなく、「選びたいから」選ぶ自由だ


◆捨てる技術

〇目標

・捨てるべきものを問うとき、自分の優先事項がはっきりと見えてくる。自分の本当の使命が明らかになり、個人だけでなく組織全体のために最高の仕事ができるようになる

⇒ 「組織」は、会社ということに限らず、社会全体に置き換えることも可能

・やろうとしている意図にそぐわない行動を切り捨てるには、自分がどんな目的に向かっているのかをとことん明確に定義しなければならない

・本質目標を決める

 → シンプルで、具体的で、魅力的で、測定可能な目標

・本質目標を正しく決めれば、その後の無数の決断が不要になる

 

⇒ 『7つの習慣』 第2の習慣「目的を持って始める」

〇拒否

・他人からのプレッシャーに負けず、きっぱりと上手に断ることは、エッセンシャル思考の必須スキルである。と同時に、もっとも難しいスキルである

・自分にとって本当に重要なことを明確にしないかぎり、私たちは葛藤に対して無力なままだ。次々とやってくるタフな選択から私たちを守ってくれるのは、「自分にとって本当に重要なのはこれだ」という確信である

⇒ 選抜の基準や本質目標を定めることで、それにそぐわないものを排除できるようになる


・本当に重要なことをやるために、本質的でない依頼を断る。肝心なのは、絶対にやるべきこと以外のすべてに対して、上手にノーと言うこと

・うまく依頼を断ることは、「自分の時間を安売りしない」というメッセージになる。

 → プロフェッショナルの証

 → 長期的に見れば、相手の経緯を手に入れられる

〇編集

・編集=エッセンシャル思考の技術

 → 不要なものや余分なものを容赦なく削り、作品の本質を取り出す仕事

・編集の技術は、ただ減らすことにあるのではなく、減らしながら、価値を増やす 

・自分の仕事や生き方を編集すれば、その成果をよりいっそう高めることができる

 → 本当に重要なことにエネルギーを集中できれば、余分なものを削って、重要なものを活かす余地が生まれる

〇線引き

・境界線を放棄してしまったら、人生でもっとも大事なものを選べなくなる

 → はっきりとした線引きがなければ、他人はどこまで踏み込んでいいかわからず、どんどん侵略してくる

・エッセンシャル思考の人は、一線を引くことで自分の時間を守り、他人からの余計な干渉を防ぐ


◆しくみ化の技術

〇バッファ

・確実に言えるのは、世の中に確実なことなどないということだけ

 → 何が起こってもあわてないように、つねにバッファをとっておく

⇒ スケジュールを詰め込みすぎると、ハプニングがあった際に対応できない

⇒ スケジュールを詰め込みすぎると、突然のチャンスが来ても飛びつけない

〇削減

 ・エッセンシャル思考の人は、仕事を減らすことによって、より多くを生み出す

・人やお金や時間を増やすかわりに、制約や障害を取り除くことを考える

〇習慣

・習慣は妨害に打ち克つための最強の武器

 → 本質的な目標に向かう行動を習慣づけてしまえば、無意識のうちに目標を達成できる

 → いちいち難しい判断をする必要はなく、誘惑から目をそむけるためにエネルギーを使う必要もない

〇集中

・エッセンシャル思考の人は、今ここに集中する。昨日や明日ではなく、今この瞬間に何が大事かを考える

・エッセンシャル思考の敵は、マルチタスクではなくマルチフォーカスである

→ 人は一度にひとつのことにしか「集中」できない。複数のことをやるのはかまわないが、集中の対象がどれなのかは、はっきりさせておく必要がある
 

〇未来

・エッセンシャル思考を生き方の基本に据え、何をするにもそこから考える

・エッセンシャル思考の目的は、世間的な成功を手に入れることではない。人生に意味と目的を見いだし、本当に重要なことを成しとげることである

 ・エッセンシャル思考の生き方は、本当に大切なことを大切にする生き方である

・エッセンシャル思考を生きることは、後悔なく生きること。本当に大切なことを見極め、

そこに最大限の時間とエネルギーを注げば、後悔の入り込む余地はなくなり、自分の選択を

心から誇りに思える


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

 
エッセンシャル思考の肝は、「何が重要かを決めること」、そして「それ以外を捨てること」

私が苦手とするのは、圧倒的に後者。

とにかく捨てられない!(泣)

モノもコトも。

そのせいでいつも目先のことにとらわれてしまっている気がします。

どうしても、「もったいない!」が先行してしまうのですね・・・。

 

「断捨離」とまではいかずとも、少しモノもコトも減らしたいですね。
突如、訪れる大事なチャンスをつかむために!
自分が大切にしたい生き方を守るために!

この『エッセンシャル思考』の本も大切な1冊になりそうです。



 

『人を動かす』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~

FullSizeRender


「⇒」は個人的な気づき、学び


◎本書のポイント

【人を動かす3原則】

(1)批判も非難もしない。苦情もいわない
(2)率直で、誠実な評価を与える
(3)強い欲求を起こさせる

・人を動かす秘訣は、この世にただ一つしかない
 → みずから動きたくなる気持ちを起こさせること

・人を動かすには、相手の欲しているものを与えるのが唯一の方法である
 → 「自己の重要感」=「偉くなりたいという願望」=「重要人物たらんとする欲求」

・人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ

・他人の立場に身を置き、その心の中に欲求を起こさせるということは、相手をうまく操ってこちらの利益になるはなるが先方には損になることをやらせるというのでは決してない。当事者双方が利益を得なければうそである

・「まず相手の心のなかに強い欲求を起こさせること。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、一人の支持者を得ることにも失敗する」(オーヴァストリート)



人に好かれる6原則】
(1)誠実な関心を寄せる
(2)笑顔で接する
(3)
名前は、当人にとって最も快い、最も大切なひびきを持つ言葉であることを忘れない
(4)聞き手にまわる
(5)相手の関心を見抜いて話題にする
(6)重要感を与える。誠意をこめて

・人に好かれる一番簡単で、わかりきった、しかも一番大切な方法は、相手の名前を覚え、相手に重要感を持たせること

・「商談には特に秘訣などというものはない。ただ、相手の話に耳を傾けることが大切だ」(チャールズ・エリオット)

・話し上手になりたければ、聞き上手になることだ

・興味を持たせるためには、まず、こちらが興味を持たねばならない

・あなたの話し相手は、あなたのことに対して持つ興味の百倍もの興味を、自分自身のことに対して持っている

・人間は、だれでも周囲の者に認めてもらいたいと願っている。自分の真価を認めてほしいのだ



人を説得する12原則】
(1)議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける
(2)相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない
(3)自分の誤りをただちにこころよく認める
(4)おだやかに話す
(5)相手が即座に”イエス”と答える問題を選ぶ
(6)相手にしゃべらせる
(7)相手に思いつかせる
(8)人の身になる
(9)相手の考えや希望に対して同情を持つ
(10)人の美しい心情に呼びかける
(11)演出を考える
(12)対抗意識を刺激する

・「自分の意見を述べるだけでなく、相手の意見をも尊重するところから、話し合いの道が開ける。まず、話し合いの目的、方向をはっきりさせて、相手の身になって話を進め、相手の意見を受け入れていけば、こちらの意見も、相手は受け入れる」(J・S・ニーレンバーグ)




【人を変える9原則】
(1)まずほめる
(2)遠まわしに注意を与える
(3)まず自分の誤りを話した後、注意を与える
(4)命令をせず、意見を求める
(5)顔を立てる
(6)わずかなことでも、すべて、惜しみなく、心からほめる
(7)期待をかける
(8)激励して、能力に自信を持たせ
(9)喜んで協力させる

・相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪に陥らせるようなことをいったり、したりする権利は私にはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ」(サンテグジュペリ)


・批判によって人間の能力はしぼみ、励ましによって花開く

・人を変える必要が生じた場合に考えるべき6つの事項
 ア 誠実であれ。守れない約束はするな。自分の利益は忘れ、相手の利益だけを考えよ
 イ 相手に期待する協力は何か。明確に把握せよ
 ウ 相手の身になれ。相手の真の望みは何か?
 エ あなたに協力すれば相手にどんな利益があるのか?
 オ 望みどおりの利益を相手に与えよ
 カ 人にものを頼む場合、その頼みが相手の利益にもなると気づくように話せ



幸福な家庭をつくる7原則】
(1)
口やかましくいわない
(2)長所を認める
(3)あら探しをしない
(4)ほめる
(5)ささやかな心づくしを怠らない
(6)礼儀を守る
(7)正しい性の知識を持つ

・妻に対するささやかな心づくりの価値を軽く見すぎている男性が世の中には多すぎる

・結婚の幸福は、些細な心づくしの集積によって得られる。この事実に気付かない夫婦は、不幸な結婚生活を送らねばならないだろう

・「結婚生活を幸福にする要素はいろいろあり、性の問題はその一つにすぎない。だが、性の均衡が破れると、他の要素は一切むだになる」(バターフィールド神父)



~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆人を動かす3原則



(1)批判も非難もしない。苦情もいわない


・盗人にも五分の理を認める

・他人のあら探しは、なんの役にも立たない。相手は、すぐさま防御態勢をしいて、なんとか自分を正当化するだろう。それに、自尊心を傷つけられた相手は、結局、反抗心をおこすことになり、まことに危険である 

・人を批評したり、非難したり、小言をいったりすることは、どんな馬鹿者でもできる。そして、馬鹿者にかぎって、それをしたがるものだ
 → 理解と寛容は、すぐれた品性と克己心をそなえた人にいて初めて持ちうる徳である

・人を非難するかわりに、相手を理解するように努めようではないか。どういうわけで、相手がそんなことをしでかすに至ったか、よく考えてみようではないか。そのほうがよほど得策でもあり、また面白くもある。そうすれば、同情、寛容、好意も、おのずと生まれ出てくる



(2)率直で、誠実な評価を与える


・重要感を持たせる

・人を動かす秘訣は、この世にただ一つしかない。みずから動きたくなる気持ちを起こさせることだ

・人を動かすには、相手の欲しているものを与えるのが唯一の方法である
 → 「自己の重要感」=「偉くなりたいという願望」=「重要人物たらんとする欲求」



(3)強い欲求を起こさせる

・人の立場に身を置く

・人を動かす唯一の方法は、その人の好むものを問題にし、それを手に入れる方法を教えてやることだ

・「人間の行動は、心のなかの欲求から生まれる。だから、人を動かす最善の法は、まず、相手の心のなかに強い欲求を起こさせることである」(オーヴァストリート 心理学者)

・他人の立場に身を置き、その心の中に欲求を起こさせるということは、相手をうまく操ってこちらの利益になるはなるが先方には損になることをやらせるというのでは決してない
 → 当事者双方が利益を得なければうそである

⇒ 『7つの習慣』の第4の習慣「WIN-WINを考える」


・「まず相手の心のなかに強い欲求を起こさせること。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、一人の支持者を得ることにも失敗する」(オーヴァストリート)




◆人に好かれる6原則


(1)誠実な関心を寄せる

・友を得るには、相手の関心を引こうとするよりも、相手に純粋な関心を寄せること

・他人に示す関心は、人間関係の他の原則と同様に、必ず心底のものでなければならない。関心を示す人の利益になるだけでなく、関心を示された相手にも利益を生まねばならない。一方通行ではなく、双方の利益にならなくてはいけない。




(2)笑顔で接する

・笑顔の効果は強力である。たとえその笑顔が目に見えなくても、効果にはかわりがない

・「笑顔を見せない人間は、商人にはなれない」(中国のことわざ)

・笑顔は好意のメッセンジャー




(3)名前は、当人にとって最も快い、最も大切なひびきを持つ言葉であることを忘れない


・人間は他人の名前など一向に気にとめないが、自分の名前になると大いに関心を持つ

・人に好かれる一番簡単で、わかりきった、しかも一番大切な方法は、相手の名前を覚え、相手に重要感を持たせること




(4)聞き手にまわる


・「商談には特に秘訣などというものはない。ただ、相手の話に耳を傾けることが大切だ」(チャールズ・エリオット)

・話し上手になりたければ、聞き上手になることだ

・興味を持たせるためには、まず、こちらが興味を持たねばならない


・あなたの話し相手は、あなたのことに対して持つ興味の百倍もの興味を、自分自身のことに対して持っている



(5)相手の関心を見抜いて話題にする


・相手の関心を見抜き、それを話題にするやり方は、結局、双方の利益になる



(6)重要感を与える。誠意をこめて

・人間は、だれでも周囲の者に認めてもらいたいと願っている。自分の真価を認めてほしいのだ


・人はだれでも他人より何らかの点で優れていると思っている。だから、相手の心を確実に手に入れる方法は、相手が相手なりの世界で重要な人物であることを率直に認め、そのことを相手に悟らせることだ





◆人を説得する12原則


(1)議論に勝つ唯一の方法として議論を避ける

・誤解は、議論をもってしては永久に解けない。気転、外交性、慰め、いたわり、そして、相手の立場で同情的に考える思いやりをもってして、初めて解ける

・相手がだれであろうと、口論をしてはいけない。相手の間違いを指摘して怒らすようなことはせず、いささか外交的手法を用いよ



(2)相手の意見に敬意を払い、誤りを指摘しない


・相手の間違いを指摘することは、相手を罵倒するのとなんら変わりない。なんのために指摘するのか
 → 相手は、自分の知能、判断、誇り、自尊心に平手打ちを食らわされている
 → 傷つけられたのは、論理ではなく、感情である

・相手の間違いを頭から決めつけるやり方は、効果がないどころか、結局は、相手の自尊心を傷つけ、みんなからも敬遠されて、話し合いもできなくなる



(3)自分の誤りをただちにこころよく認める

・自分が悪いと知ったら、相手にやっつけられる前に自分で自分をやっつけておいたほうが、はるかに愉快

・苦しいいいわけをするよりも、このほうが、よほど愉快な気持ちになれる



(4)おだやかに話す


・北風より太陽

・親切、友愛、感謝は世の一切の怒声よりもたやすく人の心を変えることができる



(5)相手が即座に”イエス”と答える問題を選ぶ

・人と話をするとき、意見の異なる問題を初めに取り上げてはならない。互いに同一の目的に向かって努力しているのだということを、相手に理解させるようにし、違いはその方法だけだと強調する

・初めに”イエス”と多くいわせればいわせるほど、相手をこちらの思うところへ引っ張っていくことが容易になる



(6)相手にしゃべらせる


・相手のことは相手がいちばんよく知っている。だから、その当人にしゃべらせることだ

・相手がいいたいことをまだ持っている限り、こちらが何をいってもむだ

・「敵をつくりたければ、友に勝つがいい。味方をつくりたければ、友に勝たせるがいいい」(ラ・ロシュフーコー 哲学者)



(7)相手に思いつかせる

・人から押しつけられた意見よりも、自分で思いついた意見のほうをはるかに大切にするものである

・人に押しつけられているとか、命令されているという感じは、誰にしろ嫌なもの
 → それよりも、自主的に行動しているのだという感じの方がはるかに好ましい
 → 自分の希望や欲望や意見を人に聞いてもらうのは嬉しいものだ



(8)人の身になる


・相手は間違っているかもしれないが、彼自身は、自分が間違っているとは決して思っていない
 → 相手を非難しても始まらない。理解することに努めねばならない
 → 賢明な人間は、相手を非難するのではなく、相手を理解しようと努める

・相手の考え、行動にはそれぞれ相当の理由があるはずだ。その理由を探し出さねばならない
 → そうすれば、相手の行動、相手の性格に対する鍵まで握ることができる

・「自分の意見を述べるだけでなく、相手の意見をも尊重するところから、話し合いの道が開ける。まず、話し合いの目的、方向をはっきりさせて、相手の身になって話を進め、相手の意見を受け入れていけば、こちらの意見も、相手は受け入れる」(J・S・ニーレンバーグ)



(9)相手の考えや希望に対して同情を持つ



(10)人の美しい心情に呼びかける


(11)演出を考える


(12)対抗意識を刺激する


・優位を示したいという欲求、対抗意識、負けじ魂、男の気魄に訴える法

・成功者はみなゲームが好きだ。自己表現の場が与えられるからだ。存分に腕を振るって相手に打ち勝つ機会、これが、いろいろな競争や競技を成立させる。優位を占めたい欲求、重要感を得たい願望、これを刺激するのだ





◆人を変える9原則


(1)まずほめる

・まず相手をほめておくのは、歯医者がまず局部麻酔をするのによく似ている。もちろん、あとでガリガリやられるが、麻酔はその痛みを消してくれる


(2)遠まわしに注意を与える

・「しかし」を「そして」にいいかえる

「ジョニー、お父さんもお母さんも、お前の今学期の成績が上がって、ほんとうに鼻が高いよ。しかし、代数をもっと勉強していたら、成績はもっと上がっていたと思うよ」

 ↓

「ジョニー、お父さんもお母さんも、お前の今学期の成績が上がって、ほんとうに鼻が高いよ。そして、来学期も同じように勉強を続ければ、代数だって、ほかの課目と同じように成績が上がると思うよ」



(3)まず自分の誤りを話した後、注意を与える


・自分自身の誤りを認めることは、たとえその誤りを正さず、そのままにしておいても、人を変えるのに役に立つ



(4)命令をせず、意見を求める




(5)顔を立てる

・相手の自己評価を傷つけ、自己嫌悪に陥らせるようなことをいったり、したりする権利は私にはない。大切なことは、相手を私がどう評価するかではなくて、相手が自分自身をどう評価するかである。相手の人間としての尊厳を傷つけることは犯罪なのだ」
(サンテグジュペリ)



(6)わずかなことでも、すべて、惜しみなく、心からほめる


・われわれは、他人から評価され、認められたい願望があり、そのためにはどんなことでもする。だが、心のこもらないうわべだけのお世辞には反発を覚える

・批判によって人間の能力はしぼみ、励ましによって花開く



(7)期待をかける

・ある点について矯正したいと思えば、その点について彼は既に人よりも長じているといってやることだ



(8)激励して、能力に自信を持たせる


・馬鹿だとか、能なしだとか、才能がないとかいってののしるのは向上心の芽を摘み取ってしまうことになる
 → 大いに元気づけてやりさえすれば、容易にやれると思い込ませ、相手の能力をこちらは信じているのだと知らせてやるのだ。そうすれば相手は、自分の優秀さを示そうと懸命に頑張る



(9)喜んで協力させる


・肩書や権威を与える

・人を変える必要が生じた場合に考えるべき6つの事項

①誠実であれ。守れない約束はするな。自分の利益は忘れ、相手の利益だけを考えよ

②相手に期待する協力は何か。明確に把握せよ

③相手の身になれ。相手の真の望みは何か?

④あなたに協力すれば相手にどんな利益があるのか?

⑤望みどおりの利益を相手に与えよ

⑥人にものを頼む場合、その頼みが相手の利益にもなると気づくように話せ






◆幸福な家庭をつくる7原則

(1)口やかましくいわない

・「世の妻たちは、口やかましい小言によって、結婚の墓穴を掘り続けている」(ボストン・ポスト紙)


(2)長所を認める




(3)あら探しをしない



(4)ほめる

・男性は、自分を美しく見せようとする女性の努力を賞讃すべきだ



(5)ささやかな心づくしを怠らない

・妻に対するささやかな心づくりの価値を軽く見すぎている男性が世の中には多すぎる

・結婚の幸福は、些細な心づくしの集積によって得られる。この事実に気付かない夫婦は、不幸な結婚生活を送らねばならないだろう



(6)礼儀を守る

・無作法は愛情を破壊する癌だ。それくらいのことは誰でも知っているはずだが、家の者に対しては、知らない人に対する場合よりも無作法に振る舞う

⇒ 猛省します・・・



(7)正しい性の知識を持つ

・「結婚生活を幸福にする要素はいろいろあり、性の問題はその一つにすぎない。だが、性の均衡が破れると、他の要素は一切むだになる」
(バターフィールド神父)


~~~~~~~~~~~~~~~~


『神速スモール起業』まとめ ~ローカルビジネス・起業のための読書記録~

FullSizeRender

「⇒」は個人の感想、疑問、意見



◆本書のコンセプト


・本書の4つのコンセプト

①90分以内で本書を読み終える

②かける費用は1万円以内

③24時間以内に自分のビジネスを立ち上げる

④1か月以内に結果が出る


→ これらを実現する方法


・スモールビジネス実践者が抱える3つの問題

①自分のビジネスの価値を高められていない

②ビジネスの「見せ方」「伝え方」がわかっていない

③便利なツールを知らない、活用できていない

→ 価値が伝わらない=お客さんは集まらない





◆スモールビジネスの始め方

・ビジネスの3原則+1

①スピード・・・いかに速く始めて、成果を出すか

②ボリューム・・・単価×数

③インフラ・・・システム化




④リカバリー・・・費用をかけず、1つの失敗を最小限に留めて何度もチャレンジできる






◆テーマ・・・好きなことをビジネスにする



・「好き」というだけで圧倒的に有利

・誰よりも初心者の「困りごと」「悩み」をリアルに知っていて、日々直面している張本人

・「困りごと」や「悩み」のリサーチは済んでいる




◆7つのステップでアイデアをつくる

(1)「悩み」「困っていること」「不」を探す


・「誰のためのサービス」か?
→ どんな人が「これを受けたい!」と思うか


・自分ができることではなく、「周りに人は何に困っているか?」を考える


・「誰が」「どんな場面で」「何に困っているのか」を明確にする


⇒ 不平、不満、不安、不具合、不完全、不似合い、不都合、不便、不釣り合い、不評、不幸、不可能、不利、不治、不知、不明




(2)ターゲットを絞り込む


・「みんなに喜んでもらう」=「誰のための商品、サービスなのかはっきりしない」

・ビジネスの価値を上げるのは「専門性」




(3)「何を得られるか」

・「欲しい」「参加したい」と思わせる

・「お客さんが得られる価値」と「物理的に手にできるもの」




(4)ビフォー&アフターをイメージさせる

・「困っていること」「悩んでいること」が解決される、現状がより快適・より良くなる

・ビフォー&アフターの感情の動きが本当の価値を生む

・商品やサービスそのものよりも、それを通じて自分がどう変わるかという「体験」にお金を払う




(5)あきれるほど「初心者向け」にする

・「誰に」「何を」「どうやって」を考える

・初心者にもわかりやすくして「安心」を与える




(6)安心感を与える

・お客さんの不安は「わからないから」

・どんな人が教えてくれるのか、どこでやるのか、どんなふうにやるのかをできるだけクリアに見える化する
→ 写真でリアルにイメージさせる




(7)旅のしおりを用意する

・当日の流れやスケジュールがだいたい想像できる「旅のしおり」を用意する





◆8つの神速フォーマットでサービス・商品を売る


・まず売ってみる
→ 売れてから準備する、売ってみれば結果が分かる

⇒ トライ・アンド・ラーンを積み重ねる


【ビジネスプランを伝える8つの神速フォーマット】


①商品・サービスが「誰のためなのか」を書く

②「ビフォー・アフター」を明確にする

③価値を高める数字を入れる

④教える権利が自分にあることを説明する

⑤価値を高める「補足」を付ける

⑥現場・場所・スケジュールを「見える化」する

⑦相手に「伝わる言葉」で語る

⑧最後に「参加」「購入」を促す



→ 一瞬で閲覧者の目に留まるために、タイトルでビフォー・アフターがわかるようにする

→ お客さんは、自分が興味のあるものについては心のどこかで「背中を押してもらいたい」と思っている



『凡人起業』 ~凡人の、凡人による、凡人のための起業法~




【自分が天才ではないのを自覚しながら、これから起業しようとする方にオススメ】


あなたは自分が天才だと思いますか?

あるいは、あなたは自分が誰よりも優れていると自覚していますか?



これらの質問にyesと答えた方は、残念ながらこの本は役に立たないでしょう。

なぜなら、本書は「凡人の凡人による凡人のための起業法」をまとめたものだからです。

勝つための起業というより、負けないための起業法といっていいでしょう。

負けないための起業法とは、つまり長く続けるための起業法ということです。



この点は重要なことだと思います。

私は、起業において最も重要なことは、続けられることだと考えています。

どんなにいい商品やサービスでも、それを続けられなければ意味がありません。

逆に、最初はそれほどたいしたことのない商品やサービスでも、長く続けることができれば、どんどん改善することができ、質を高めていけるからです。

また、それが事業規模の拡大にもつながっていきます。




本書では、そんな負けない起業をするための考え方、方法が紹介されています。

天才でもない凡人が、着実に事業を継続していくためには何が必要かを教えてくれます。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆凡人起業家マインド

①自分の能力を信じない
②よい市場を選ぶ
③コツコツ続ける仕組みをつくる



(ポイント)
・つくりたいものをつくるより、時代に乗ること

最高のものである必要はない。誰よりも先にやる

・勝つことより、負けないことを考える

・拡大・成長しそうな市場を選択する → 先行者になる → 専門家になる


⇒ 「好きなことよりも、負けないことをやる」というフレーズもあったが、「好きでないこと」は続かない(やっていくうちに「好きになる」はOK)
いくら成長市場でも、好きになれない仕事には情熱が湧かず、モチベーションが続かないし、やりがいも得られない
それでは起業する意味がない



◆凡人起業のための戦略

①社会課題、時代背景をとらえる
②スタートアップ環境を理解する
③自分の強みが発揮できる領域を選択し、コツコツ情報発信や事業を継続して専門家になる


→ 負けない領域で、その領域の第一人者になることを目指す



◆凡人起業のための11のスキル

①競争を避ける

・失敗の確率を下げる

②毎日継続できる、レベルの低いことをする

・自分のできることからやる
・コツコツ続けることで、コンフォートゾーンが広がる
・自分に自信が持てる

③毎日継続せざるを得ない養成ギプスをはめる

・やっていることを公開する

④無料セミナーをし、資料をつくらざるを得ないよう追い込む

⑤自分を信用していないからヒアリングを大切にする

・見込客、顧客に聴く

⑥誰も否定できないことを整理して先駆者感を出す

・「世の中に必要」「業界に必要」だと認知される
・その会社がその何をするかよりも、何に貢献する会社かを明らかにする

⑦お金がないから広報に取り上げられる工夫をする

⑧自分にはチャンスが少ないことを認識し、真剣に提案する

⑨お金の使い道が見えてから資金調達する

⑩社員に名前を売ってもらう。売れば売るほど営業が不要になる


⑪ニッチでもナンバー1と言える領域を徹底的につくる。そこが伸びるとトップシェアの自分たちが最も伸びる


→ 大切なことは、メッセージの起点を、自分ではなく「市場」「相手」「客観性」に置くこと

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


負けない起業法のポイントとして、「自分のやりたいことではなく負けないこと」、つまり「顧客や市場が求めていることをやる」というのは、ビジネスの本質をついているかと思います。

最後にご紹介した、「メッセージの起点を、自分ではなく「市場」「相手」「客観性」に置く」という考え方にそれが端的に表れています。



自分のやりたいことをやって、自分で満足するだけでよければそれでいいでしょう。

もちろん、自分がやりたいことをやった結果、それに魅力を感じる人がいてビジネスにつながるということもあると思います。

ですが、それは結果論で、最初から起業を目指しているのであれば、つまりそれで稼いでいこうとするならば、自分がやりたいことだけをやるのででなく、相手が求めていることを考えることが少なからず必要です。



どんなに素晴らしい商品・サービスがあっても、買うお客さんがいなければビジネスにはなりません。

逆にいえば、何の変哲もない商品・サービスでも、買う人がいればビジネスになるのです。

そのことを改めて確認できました。


ありがとうございます。




これからの「新しい力」とは何か?(『NEW POWER これからの「新しい力」を手に入れろ』)

定価:1,800円


ニューパワーの行動原理が非常によくわかる度 : ★★★★★
日本はまだまだオールドパワーの価値観がはびこっているなあと思う度 : ★★★★★




◆本書の視点

・テクノロジーによって、どこにいても誰とでもつながることが可能となり、時代をつくる新たなモデルや考え方(=ニューパワー)が誕生した
・どうすれば大勢の人が飛びつき、盛り上げ、拡散してくれるアイデアを生みだせるのか?
・集団との結びつきがますますゆるく一時的になっていく時代に、どうすれば大勢の人が長く所属したがる場をつくれるのか?
・新旧のパワーをどのように使い分け、どんなときに両方を組み合わせるべきか?
・オールドパワーのほうがよい結果をもたらすのは、どんなケースか?



◆ニューパワーとは何か

〇「オールドパワー」と「ニューパワー」の対比(巻頭)

【オールドパワー】     VS    【ニューパワー】    
貨幣(カレンシー)           潮流(カレント)        
少数の人が握る            多くの人が生み出す
ダウンロード型             アップロード型
リーダー主導型             仲間主導型
閉鎖的                  開放的


〇「オールドパワー」の価値観と「ニューパワー」の価値観(p51)

【オールドパワーの価値観】
・フォーマルな統治(代表者による運営)、管理統制主義、制度尊重主義
・競争、独占、リソースの統合
・機密保持、慎重、公私の区別
・専門知識、プロフェッショナリズム、専門化
・長期の所属と忠誠、全面的な参加度は低い

【ニューパワーの価値観】
・インフォーマルな統治(ネットワークによる運営)、自己組織化
・コラボレーション、群衆の知恵、共有、オープンソース
・徹底的な透明性
・メイカー・カルチャー、「自分たちでやろう」の精神
・短期間の条件付き所属、より全面的な参加


・今の30歳未満の人に顕著なのは、「参加する権利」を持っているという感覚
・「ニューパワーの価値観=善」で、「オールドパワーの価値観=悪」ということではない
・まったく別個に存在し対立するものではなく、ひとつの連続体ととらえ、今の自分自身や所属する組織の価値観を見極め、対応していくことが重要



◆ニューパワーの)世界で拡散されるためのアイデアに必要な3つの原則「ACE」

・チップ・ハースとダン・ハース兄弟は、著書『アイデアのちから』で、人の心をつかみ、共感を呼ぶアイデアに備わっている以下の6つの特徴を示した。(p78、「SUCCESs」の法則)

※SUCCESs・・・Simple(単純明快)、Unexpected(意外性)、Concrete(具体性)、Credible(信頼性)、Emotional(感性)、Stories(ストーリー)の6つ

・これに加えて、近年、成功している取り組みの多くには3つの特徴「ACE」が見られる(p80)
・「ACE」を備えた取り組みは、早く、広く拡散し、持続する

【ACEとは】

①Actionable(行動をうながす)
・ただ憧れたり、記憶したり、消費したりする以上の行動を起こすきっかけを人に与える
・行動は、シェアにはじまり、さまざまな形に発展していくことも多い
・コミュニティの行動を、どうしたら自分たちのコミュニケーション構造に組み込めるかを考える必要がある。コミュニティの人々は、ただ消費して従う以上のことをするためにいる

②Connected(つながりを生む)
大切な人たちや価値観を共有する人たちの仲間同士のつながりを促進する
・アイデアの共有によって、志を同じくする仲間の一員としての帰属意識
・アイデアをさらに拡散させるネットワーク効果
・今もっとも反響を呼ぶアイデアは、莫大な人数をターゲットにしたものでなく、仲間同士ならではのつながりやアイデンティティを表現できるもの
・数人のインフルエンサーの投稿やツイートよりも、無数の小さなグループが情報をシェアするほうが効果が大きい
・影響力のある人物が発信する情報は拡散性が高いが、インパクトは短命

③Extensible(拡張性がある)
各参加者によって容易にカスタマイズ、リミックス、シェアができる
・共通のベースから、アイデアをアレンジし、発展させられる
主体的に参画意識を持たせ、共感を呼び起こし、元のアイデアに工夫を加えて発展できるものが勢いよく拡散する



◆「群衆」を生むための5つのステップ

〇「群衆」(=クラウド、ムーブメント)を生み、成長を持続するために重要な5つのステップ(p113)
・群衆の形成に成功するには、人々に参加のステップを上らせながら、ときには妥協し、折り合い、課題に対処し、長期にわたってコミュニティを維持・発展させることが重要

①「コネクテッド・コネクター」を見つける
・やみくもに仲間を増やすのではなく、「つながりたい人(=コネクテッド・コネクター)」をつかまえる
・「コネクテッド・コネクター」は世界観を共有してネットワークを形成し、各メンバーが周囲に影響を及ぼす

②「ニューパワー・ブランド」をつくる
・上から下への語りかけではなく、対等なメンバー同士として語りかける
・人々が「自分はグループの一員だ」と感じるとともに、「自分の特色を出してもいいのだ」と思える打ち出し方

③「参加の障壁」を下げる
・「入会」(会費、忠誠、個人情報)をできるだけ簡単にする
・手間を最小化して、規模を最大化する

④「参加のステップ」を上らせる
・オンラインは参加をきわめて容易にするが、弱い絆のまま終わってしまう
・簡単なことから徐々にコミットさせる
「共有」⇒「加入」⇒「応用」⇒「出資」⇒「生産」⇒「形成」
・ステップの道筋をはっきり示す

⑤「3つの嵐」を利用する
・「ゼロから風を吹かせる」「風が吹く一瞬をとらえる」「挫折を逆に利用する」
・切迫感が伝わってこそ、人は期待に応えてくれる



◆いかに人を引き込むか、支援者、「スーパーファン」になってもらうか

〇参加特典(プレミアム)が支援者、スーパーファンをつくる(p226)
・20世紀における経済活動は、「経済的利益」(=具体的な見返り)と「利他的な恩恵」(=目的意識)
・「具体的な見返り」と「目的意識」を組み合わせると、「参加特典(プレミアム)」が生まれる
・「参加特典」は、「夢見るためにお金を出す」支援者、スーパーファンをつくりだす
・人は、自分がつくったり参加したりするものに、とりわけ大きな価値を見出す


〇「オールドパワー」と「ニューパワー」の資金調達スキル

【オールドパワーの資金調達スキル】
・昔ながらのセールストーク
・経歴と技術的な専門知識
・有力者の後ろ盾を手に入れる力
・複雑な官僚制の中でうまくやっていく力
・豪華な特典や限定的な特典を用意する

【ニューパワーの資金調達スキル】
・誰にもわかりやすいストーリーテーリング
・共感を引き出すパーソナルなナラティブ
・群衆とインフルエンサーを巻き込む力
・コミュニティの複雑な力関係のバランスをとる力
・参加特典をつくりだす



◆いかなる場合にニューパワーを使うべきか

・いついかなる時でもニューパワーを使うのが正解とは限らない
・組織のタイプや取り組みの性格によって向き・不向きがある


〇ニューパワーを使うときに検討すべき4つの問い(p262)

・①⇒②⇒③⇒④を検討した結果、ニューパワーへの転換を決意したのでなければ、不本意な結果を招くおそれ

①戦略(本当にニューパワーが必要か?)
・自分の戦略にニューパワーが本当に適切か(自分の取り組みに本当の価値をもたらせるか)
・群衆に対して、どんな価値を提供できるか

②正当性(群衆と信頼関係を築けるか?)
・力になってくれる特定のコミュニティが存在するか(信頼関係があるか、信頼関係を築くための準備をしているか)

③コントロール(予想外の展開を受け入れられるか?)
・なにもかもコントロールしようとせず、理想的とは思えない結果(予想外の展開)も受け入れられるか

④コミットメント(腰を据えて取り組めるか?)
・コミュニティの人々のエネルギーや情熱を、長期にわたって育んでいく熱意が必要



◆著者が理想とする「フルスタック・ソサエティ」とは

・表面的かつ断続的な参加では意味がなく、継続的かつ多層的に参加できる世界(=「フルスタック・ソサエティ」)が必要(p411)
・「フルスタック・ソサエティ」は、人々はもっと有意義に参加でき、生活のあらゆる面で当事者意識を持てる世界
・今の人々が既存の組織を信用しいない最もたる理由は、組織が人々を信用せず、人々に参加の機会をろくに与えないこと


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


インターネットやスマートフォンなどの普及により、SNSやシェアリングエコノミーが社会に浸透し、私たちの考え方や行動もそれらを前提とするように変わってきていると感じます。

インターネットを介して、いつでも、どこでも、誰とでもつながることができる。

自分の意思でコミュニティを選択でき、参加することも、やめることも簡単にできる。


その中で形づくられてきた潮流が、「ニューパワー」と定義されているようですね。

キーワードとしては、「共感」、「コミュニティ」、「参加者意識」、「障壁の低さ」といったところでしょうか。


ただ、気をつけなければいけないことは、冒頭であったように、ニューパワー=善」とは必ずしもいえないことです。

拡散性が高いために、犯罪行為や差別行為などに悪用された場合には、社会の大きな弊害となるおそれもあります。

重要なことは、オールドパワーとニューパワーの持つそれぞれの特徴を理解し、人々との関わりやコミュニティの組織にあたっていかにそれらを「適切に」活用するかということです。

場合によっては使い分けも重要であると本書では指摘されています。

そのためのリテラシーを身につけることが大切ということですね。


やはりここでも「学ぶこと」がいかに重要かということです。

学ぶことで常に自分をアップデートし続けること。

そのことが変化し続ける社会に対応しながら(流されるのではなく)、自分らしく生きることにつながるのだと思います。



「ニューパワー」という概念をつくり出したことで、今世界で起こっている人や組織の考えや活動の変化がよく理解できます。

ただ、事例になじみがないので、頭の中で消化するのに骨が折れるのが難点です。

(それにしても、『LIFE SHIFT』もそうですが、どうしてこう海外のビジネス書はこう読みづらいんでしょうか・・・。

事例を列挙し、「ここではこういうことがいえる」ということが羅列されており、いまいち体系化されていないように思えてなりません。)


ギャラリー
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜積読生活は永遠に(52週目) 〜
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜積読生活は永遠に(52週目) 〜
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜真・積読生活(51週目) 〜
  • 『エッセンシャル思考』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜真・積読生活(50週目) 〜
  • 『最速で10倍の結果を出す他力思考』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~
  • 『人は感情でモノを買う』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~
  • 本を(厚さ)1キロメートル読む! 〜真・積読生活(49週目) 〜
  • 第19回夫婦コミットメント倶楽部を開催しました(3/7~3/20)