
「⇒」は個人的な感想、意見、疑問
◆パラレルキャリアとは何か?
・P・F・ドラッカーによる予言
「知識労働者は何歳になっても終わることがない。文句は言っても、いつまでも働きたい。・・・第二の方法は、パラレルキャリア(第二の仕事)、すなわちもう一つの世界をもつことである。」
・本書のパラレルキャリアの定義
「会社勤めなどの本業をしっかりと持ちながら、本業以外に社会活動を行なう新しい生き方」
→ 本業+社会活動
・シングルキャリアとは
「自分が本業と考える組織、あるいは役割に全面的に依存してしまい、その価値観を疑問の余地なく受け入れ、その状態から変化する可能性すら想定していない場合」
⇒ 本書ではパラレルキャリアとは本業(職業)+社会活動(役割)ととらえられており、あくまで主たる収入である本業と、収入にとらわれない役割としての社会活動は別という考え方
⇒ だが、定義にあるとおりパラレルキャリアは「新しい生き方」であり、本業と社会活動の区別なく、文字通り「平行して」複数の職業や役割を担うことと捉えてもいいのではないか。(これは同時に私の「複業」の定義)
⇒ そこでは仕事=収入=お金よりも、個人による価値提供という役割が強調される
⇒ そうすることで、働き方=生き方と捉えることが容易になる
⇒ つまり、パラレルキャリアとは、社会において果たしている自分の役割を見える化したものである
⇒ また、自分の目指そうとする生き方を、社会における自分の役割として具体化したものである
⇒ 生業(なりわい)、わたくしごと(私=仕事)、くらしごと(暮らし=生きる=仕事)
◆「二枚目の名刺」を持つことの意味とパラレルキャリアで得られるもの
〇二枚目の名刺
・会社人としての1枚目の名刺だけでなく、2枚目の名刺を持つことを通じて自分の価値観や実現したいことが明確になっていく。1枚目の名刺が自分のアイデンティティのようになっていた人にとっては、「自分」が、自身の中で再定義されていく
⇒ 先の定義をあてはめると、「1枚目の名刺」と「2枚目の名刺」という区別は不要になる
⇒ どちらも自分の役割であり、名刺は自分の社会的な役割を細分化して見せているだけのものにすぎないし、それは2枚に限らずいくつあってもいい
⇒ すべての名刺が表現している集合体が「自分」であり、自分の生き方となる
⇒ 「beの肩書き」に通じる
〇シングルキャリアからパラレルキャリアへのシフトで得られるもの
・キャリアの時間軸(いつまで働くか)を、他者の基準(定年など)ではなく、自分で決められる
・自社の垂直的な価値観の中だけで学ぶのではなく、水平的に学習することで、多様な価値観の異種混成を経験することができる
→ 多様な価値観の共存
→ 不確実性、曖昧さを受け入れられるようになる
◆サードプレイスの必要性
・パラレルキャリアにおいては、人が気軽に集まれる場所も必要
・地域で顔なじみの人が集まるという場所に限らず、家庭でも職場でもない場所で、新しい発想に巡り合える場
・「フューチャーセンター」
→ 対話によって、未来に向けた創造的なアイデアを創出する場
・人がつながる場であると同時に、自分のアイデアを試し、さまざまな活動に個人で参画していく場(「港南台タウンカフェ」の事例)
◆パラレルキャリアの現場の事例から
・「人生を最高の居場所にしたい」(「最高の居場所」の事例)
・「キャリアバラエティ」という考え方(「キャリアバラエティ」)
→ 多くの人の生き方、働き方が、ひとり何役であってもいいし、多様な選択をすることができるように変化してきた
→ 「働きながら×働く」「働きながら×社会活動する」「働きながら×学ぶ」「働きながら×趣味を極める」など、さまざまなパターンがあったほうが人生が豊かになる
→ 今後の社会の多様性に対応するためのパラレルキャリアの捉え方