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サイタマ産まれ、サイタマ育ちの共働き夫婦によるサイタマ暮らし。 ほとんど埼玉を出ません。 埼玉LOVE♡ 本もLOVE♡ なので書評も書いています。

移住

埼玉県ときがわ町で日本初のキャンプ民泊を営む 野あそび夫婦による移住トークショー「30歳からはじめる第2のふるさとの見つけ方 ~野あそび夫婦的 無理をしない移住~」レポート

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2020年3月15日(日)、埼玉県ときがわ町で開催された「本屋ときがわ町」で、野あそび夫婦による移住トークショーが行われました。

題して、「30歳からはじめる 第2のふるさとの見つけ方 ~野あそび夫婦的 無理をしない移住~」




会場には、ときがわ町在住の方をはじめ、町内外から14名が参加しました。

さすがの集客力!

本屋ときがわ町でのイベントでは、過去最多ではないでしょうか。

椅子があやうく足りなくなるところでした笑



関係人口から移住へと移行する際のポイントを知りたいと思い、私も参加させていただきました。

以下、レポートとしてまとめました。



~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


1 野あそび夫婦とは


「野あそび夫婦」は、キャンプ大好きの青木達也(アオさん)と江梨子さん(エリーさん)夫婦のユニット名

・「自然の中で遊ぶように暮らす」がテーマ

・仕事と暮らすが一体となった生活がしたい


・2019年5月に、ときがわ町に移住し、日本初となるキャンプ民泊を開始

・キャンプ初心者のハードルになる「お風呂、トイレ、管理人」問題を解決し、まずは庭でのキャンプを楽しめる場所をつくった(NONIWA ノニワ)

・インスタグラム、YouTubeを中心とした情報発信を行い、近頃はアウトドア系の雑誌やメディア、県の移住関連のパンフレットでも紹介されている

・地域の人とも関係を築くために、季節ごとに「ときがわばっかり食堂」を開催







2 野あそび夫婦的移住 ~物件を見つけるまで~


・一度訪れただけで、ときがわ町が大好きになり移住を決意

・練馬から川越に引っ越し、ときがわ町の物件を手に入れるための資金を貯めた

・まずはインターネットで情報収集。気になったものは現地訪問

・キャンプができるような広い庭が必要という特殊な条件

・ときがわ町にある「ときのこや」で年2回開催される「ときのこやまつり」に出店したことで、町内に人脈をつくれた

・資金や移住時期の目標はたてたが、それにがんじがらめになるのではなく、ざっくりの目標とした
 → 「自分たちがやりたいことができる物件を探す」ことにこだわった

・決めた物件は、家の中にもモノがたくさん残されていて、庭は雑草が伸び放題!
 → 知人・友人の応援で、2019年3月のプレオープンを実現






3 野あそび夫婦的働き方 ~ぬるっとした移住を実現~


〇エリーさんの場合

・エリーさんはテレビ制作会社で旅番組ディレクターとして活躍
 → 番組制作を通じて、地方での生活への憧れ

・テレビの仕事も大好きだった

・「30歳」が一つの節目と考えていた

・アシスタントディレクターの頃に一度、会社を辞めて移住したいということを上司や先輩に話したことがあったが、そのときは反対された
 → ディレクターになって、NONIWA運営のために辞めることを伝えると、反対もなくスムーズだった
 → むしろ応援してもらえ、今はフリーのディレクターとして、引き続き番組制作に携わっている
 → キャンプ客が少ない冬場中心

・周りに応援してもらえるタイミング、関係づくり、自分のポジション獲得が大事だったと思う

・結果、「ぬるっとした移住」が実現できた



〇アオさんの場合


・アフリカ輸入雑貨の商社に勤務

・物件が決まってテンションが上がり、キャンプ民泊に全力投球したいというモチベーション。車で1時間の通勤はきつい。ただ、一抹の不安も・・・

・当時、会社ではリモートワークや副業などをやっている人はいなかった

・会社に、思い切ってリモートワークで働きたいことを伝えたら、意外にも叶えてくれた

・7年間、営業として一生懸命やってきたことが評価され、信頼されていたのかなと感じる

・結果、今は週2回の出勤のほかはリモートワーク



〇まとめ

・自分の思いを素直に伝えてみると、意外に会社は受け入れてくれることもある

・ただし、前提として会社の人との信頼関係が築かれていることが大切

・いきなり全部移行するのは怖いけど、複業として始めることで「ぬるっとした移住」が実現できた







4 意見交換(地域の人との関わり方を中心に)



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・若い人は、みんなSNSやらインターネットで情報発信する。でも年配の人は何をやっているのかわからない

・自治会やPTAの仕事に関わって、紙での情報発信も大事だと感じた
 → 人ごとに使うメディアは違う。伝えたいのであれば、その人に応じた情報発信のやり方が必要

・自分たちが、その地域とどうやって関わっていきたいのか。定住して骨をうずめたいのか、一時的な住まいと考えるかによって関わり方は変わってくる

・情報発信も大事かもしれないけど、信頼されるためには顔を実際に突き合わせることが一番大事だと感じる
 → モノがいいとか悪いとかよりも、その人を信頼できるかどうかで判断される

・埼玉県と長野県で二拠点居住にチャレンジしたいと思っている。各地で農園を借りているが、農園でのイベントなどを通じて地域の人と関わっているといろいろな情報が入ってくる。信頼されるまでになるのに3年くらいはかかった。

・地域に溶け込みたいと思うなら、地域の活動に参加することも必要(自治会、隣組など)

・地域によって受け入れスタンスも違う。組に入れてもらえなかったという友人の話も聞いた。自分は移住してきたときに、区長に案内されて全戸を回って挨拶することができたから幸運だった

・とにかく実際に会う回数を増やして、人目につくことが大事

・地域の人向けに、トークショーで話したような内容を伝えてもいいかも

・「ぬるっとした移住」の話は参考になった


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


しょっぱなからプロジェクターのランプが切れたり、ブレーカーが落ちたりするトラブルに見舞われましたが、野あそぶ夫婦さんのトーク力でなんとか乗り切っていただけました。

エリーさん、アオさん、ありがとうございました!



それにしても「ぬるっとした移住」という言葉が評判だったようで、参加者にも何度も使われていましたね笑

影響力のある言語力もさすがでした!



「ぬるっとした〇〇」には「起業」という言葉も入りそうですね。

個人的には、お二人が話していたように、地方では仕事と暮らすが一体、またはそれに近いというのが大きなポイントではないかと感じました。

学ばせていただきました。

ありがとうございました!!

読書会議「関係人口を考える」を開催しました ~関係人口はおもしろい!!~


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※写真は、本屋ときがわ町の主宰者ときがわカンパニーさんのホームページから



2020年2月16日(日)の第11回本屋ときがわ町にて、読書会議「関係人口を考える」を開催しました。

課題本は、「関係人口」の火付け役の一人、ローカルジャーナリストの田中輝美さんの著書『関係人口をつくる 定住でも交流でもないローカルイノベーション』



微妙な天候で集客が危ぶまれましたが、 ときがわ町内外から、なんと11人(ときがわ町、川越市、嵐山町、坂戸市)の方に参加していただきました!

ありがとうございます!!

出身、性別、年齢、職業が異なる多様な方から、多くの意見をうかがうことができました。

今回は、読書会議の様子をかいつまんでご紹介します。


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(1)目的の共有



今回の読書会議の目的は2つ。

①「関係人口」という言葉を知ってもらうこと

②ときがわ町に「関係人口」をつくるには?を一緒に考えること




はじめに確認したところ、「関係人口」という言葉自体を知らない人が大半だったので、まずはこの言葉を知ってもらい、その意味をみんなで考えていくことにします。


『関係人口をつくる』では、「関係人口とは、住んでいなくても、地域に多様に関わる人々=仲間のこと」であるとされています。

ただ、まだまだ定義が明確になっているとはいえません。

たとえば「関係」とは何なのか。

何と何の関係なのか。

ぜひそうしたことを一緒に考えてみたいと思います。





(2)アイスブレイク



参加者の方は、私は知っている方ばかりでしたが、お互いに知らない方もいたので、「①名前、②生まれたところ、③住んでいるところ、④なぜ今の地域を選んだのか」を軽く自己紹介。

お一人を除くほかは全員が、「生まれた地域」と「今住んでいる地域」が違うことが判明。

中には、これまで13回転居したという方も(すごい!)



「このまちに住みたい」と思って選んだ方もいれば、家族の希望で選んだ方や「便利だから」という方もいました。

住む地域の選び方でも、それぞれいろんなストーリーがあっておもしろいですねー。



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※写真はときがわカンパニーさんホームページから




(3)「関係人口」を考えてみよう



行政がやっている「移住促進」を考える導入部をはさんで、いよいよ本題の「関係人口」への考えを深めていきます。

先にも述べたように、『関係人口をつくる』では、「関係人口とは、住んでいなくても、地域に多様に関わる人々=仲間のこと」であるとしています。

実際のところ、地域ではどのようなことが起こっているのか。

私から提示させていただいたいくつかの「お題」をもとに、意見交換をしていきました。




◆「関係人口」のイメージ

・地域おこし協力隊は、住民票を移すことが条件になっておりハードルが高い。それがなければやってみたい案件あるのに・・・

・行政が所有するシェアハウスに住むとき、「地域に貢献する意思があるか?」などと聞かれた。人目につきやすい、注目されているというようなニュアンスのことをいわれ、あとからかなりのプレッシャーを感じるようになった

・すごく好きなまちはある。でも家賃が高くてとても住めない。住まなくても、行ったり来たりしているだけで幸せ

・山が見える田舎に住みたいと子どものころから思っていた。企業は損得でやめられるけど、地域はやめられない。利害関係でないぶん、関係が深くなりやすい

・田舎に住むのはキツイ。実は都会好き。人間関係の狭さを露呈・・・

・住むことによって生まれる「しがらみ」がある


⇒ 「住む」と「好き」は別物という視点が見えてきた

⇒ 田舎と都会の違い





◆「関わりたくない地域」ってどんなところ?


・住むと、地域活動(自治会、地域の行事など)あれこれ強制されるようになる

・少なくとも何かを期待される

・規模が大きい、人が多いまちのイベントに出店すると、場違いな感じ。

・生まれたころから長く住んでいると、周りが自分のことを知っている人ばかりで、どこにいくにも気になる

・住む地域と働く地域はわけたいと思っていた
 → 働くうちに、ときがわっていいなと思えるようになった。今は住んでもいいと思う


⇒ 周りの人との関係は大きい




◆「関わりたい地域」ってどんなところ?


・学生時代は都市部に住んでいたが、アパートの隣の部屋に住んでいる人の顔も知らなかった。ときがわ町のシェアハウスに住み、今は町内の別の場所に家を借りて住んでいる
 → ときがわ町は、「顔の見える関係」「ほどよいウェルカム」「ちょうどよさ」があると感じる

・最初は知らなくても、何度も行くうちに知っている人ができて、仲良くなる人できた




◆ときがわ町は「関わりたくないと思うところ」「関わりたいと思うところ」とその理由



【関わりたいと思うところ】


・地域というよりは、特定の場所や人の要素が強い
 → やらせてくれる、関わらせてくれる

・「人」は重要

・それまで知らないまちだった。でもここ(ioffice)を知って、知り合いができた。受け入れてくれると感じる場所
 → いろんなイベントに訪れるようになり、人と話すと、買うつもりのなかったものまで買いたくなる(買ってしまった)

・住んでいる人が、自分のまちを「好き」っていうまち

・おもしろい人がいるかどうか

・ときがわ町や越生町など、秩父の手前の一帯は「環武蔵野文化圏」ともいうべき地域
 → 東京的な感覚を持ちながら、東京では生きづらい人が、秩父まであえて行かずに留まっている地域

・保守的でなく、かつ、革新的すぎないちょうどよさがある

・海の近くがよかったが、夫の希望で住む場所を決めたので最初はあまり地域に関心なかった。しがらみは嫌だけど、知り合いがまったくいないのもつらい
 → いきつけの店ができると、人づてにどんどん人の環が広がっていった
 → 知り合いも近くに住むようになった

・ちょっと知っている、立ち寄れる場所が複数ある、何かあったときにちょっと話せる人が複数いる。=「サードプレイス」

・ときがわと長く関わっていたわけではないが、夫も自分も気に入って住むことに決めた
 → 好きな地域=住んでいる地域

・移住してきたときはそこまで関わりたいと思っていなかったが、自分はよくても子どもたちもいるので最低限の付き合いは必要と思っていた
 → インターネットで地域のことを発信していたら、地域の関係者から連絡があったことで、地域と関わるようになった
 → 地域での役割を与えられた



【関わりたくないと思うところ】


・勢いで同棲したけど、ちょっと戻りたい感覚(シェアハウスに住んで)

・しがらみが強すぎると生きづらい。知っている人ばかりで見はられている気がして、気が滅入る

・地域での役割を与えられた反面、いろいろなことを期待されるようになる
 → ボランティアでは続かない




(4)まとめ


参加者の皆さんとの対話を通じて、関係人口とは何かという明確な定義が生まれたということではありませんが、少なくともいくつかの重要なキーワードが出たように思います。

整理しますと、


・「好きな地域=住みたい地域」では必ずしもない

・強制されない(選ぶのは自分)

・役割が与えられる、関わらせてもらえる(でも選ぶのは自分)

・しがらみは嫌。でも知り合いがまったくいないのも嫌

・ちょっと寄れる、知っている人や場所が複数ある

・サードプレイス

・ほどよいウェルカムさ




もちろん、これらの程度感は人それぞれ違うと思います。

私は、最後は、結局のところ「ジブンゴトの関係がどれだけあるか」ということが重要ではないかと思いました。

ここでいう関係とは、「自分と地域」との関係、ひいては「自分と地域にいる人」との関係のことです。

そして、「地域にいる人」とは、住んでいる人もそうだし、関係人口自身もその中に含まれるのではないかと考えます。

それぞれの人との関わり方はそれこそ人の数だけあって、それだけ地域との関係も多様なものがある。




そして、ありがちな「移住は関係人口のゴール」という議論については、私は明確に「ノー」という
立場です。

移住・定住はあくまで「関係」の一つの形でしかありません。

だから、関係人口が増えること自体は、人口を増やすことと直接関係があるとはいえないのですが、結果的に関係人口が増えればその中から移住する人も出てくるかもしれません。

ただし、あくまで「住む」「住まない」に良い悪いはなく、その人自身の選択によるものでしょう。

そもそも、住んでいる人が「住みたい地域」だと自信を持っていえる地域になっているか。

住んでいる人みんながそう思えるような地域であれば、「ぜひ移住してください」なんていわなくても、来る人みんなが移住したくなるはずですから。



最近考えていた関係人口について、今回はいろんな意見を聴ける貴重な機会となりました。

参加者の皆さん、改めてありがとうございました!

これからも関係人口研究家として、探求を続けていきたいと思います。



次はぜひ、地域に住んでいる人から見た、関係人口との関わりについても考えてみたいですねー

『関係人口をつくる 定住でも交流でもないローカルイノベーション』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~

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「⇒」は個人的な気づき、学び



◎本書のポイント


・関係人口とは、住んでいなくても、地域に多様に関わる人々=仲間
 → たとえ地域に住んでいなくても、地域を元気にしたいと思って実際に地域を応援し、関わる仲間が増えれば、地域は元気になる 


・社会や地域、環境をよりよくしていこうという意識を持つソーシャルないまの若い世代にとって、地方とは単に住むための場所、自分だけの暮らしの場所なのではない。自分も地域もよりよくなっていくために、自分が関わりたい、役に立ちたいと感じる場所


・これからの地域を盛り上げる3つのキーワード
①関係人口を増やす
②未来をつくっている手応え
③自分ごととして楽しい


・地域の方が1人の重みは大きい
島根県 1/712,336人 > 東京都 1/13,212,226人
地域にとっては課題でも、関わりたい側にとっては「自分が関わるべきテーマ」になりえる


・地域の「関わりしろ」とは地域の課題。課題の解決のお手伝いができるからこそ、ソーシャルな気持ちを持った人々にとって手応えが感じられるし、役割も感じられるし、その地域を選んで関わろうという気持ちを持つことができる


・地域の「人口」は減がることは避けられないが、関係人口は増やすことができる。地域に関わる人である「人材」が増えるのなら、地域の活力になる
→ 本当の地域の消滅は、地域に関わろうとする人が減り、いなくなったとき




~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~



◆関係人口とは何か?


〇関係人口とは

・関係人口とは、住んでいなくても、地域に多様に関わる人々=仲間
 → たとえ地域に住んでいなくても、地域を元気にしたいと思って実際に地域を応援し、関わる仲間が増えれば、地域は元気になる 
 → 地域が元気になるかどうかは、住む人が増えるかどうかだけではない
 → 関係人口は未来を拓くキーワード



〇人口減少地域の「誇りの空洞化」問題と、都市に住む若者のふるさとへのあこがれ

・人口減少が続く地域では、地域住民がそこに住み続ける意味や誇りを見失いつつある「誇りの空洞化」が進む
 → 何とかしたいと立ち上がった人がいたとしても、周囲のあきらめが強かったり、モチベーションが低かったりすることで、なかなか前に進まない
 → 地方は、体力面、精神面、ともに危機に直面している


・ふるさとという言葉に新しい息吹が吹き込まれ、都市に暮らす若い世代にとって、自分が求めている関わりがあるあこがれの場所だというように映っている


・社会や地域、環境をよりよくしていこうという意識を持つソーシャルないまの若い世代にとって、地方とは単に住むための場所、自分だけの暮らしの場所なのではない。自分も地域もよりよくなっていくために、自分が関わりたい、役に立ちたいと感じる場所
 → 役に立つためには、役割が必要
  人が減り続けている地方には課題がたくさんあり、その課題を解決するための役割もたくさんある

 ⇒ 地方にはチャレンジすることのできる関わり代がたくさんある
 ⇒ 「誇りの空洞化」に直面する地方を変えるエネルギーになる



〇関係人口の特徴

・関係人口の大きな特徴の一つは、関係する地域は複数持つことができること

・関わりの階段を登ることに必ずしもこだわらない
 → 関わりの度合いを深めたり、ゴールに移住・定住を置いて、そこを目指したりしなくてもいい
 → 地域に関わりハードルを下げることができる


⇒ 人口減少社会では地方の定住人口の減少は避けられないが、関係人口は増やすことができる

⇒ 多様な関わり方を受け入れる寛容性が必要
  寛容性が地域の関わりしろを増やす



〇関係人口をどのように評価するか

・住む=滞在時間以外の評価基準が、関係人口には必要
 → どんな社会的価値や影響を地域にもたらしたかという社会的インパクトを評価軸にする

・社会的インパクトの例
ヒト=地域への愛着が増す、ファンや訪れる人が増える
モノ=地域の特産品の認知度が上がる、売れる
カネ=地域への投資が増える
アイデア=地域に新しい知恵やアイデアをもたらす


〇関係案内所

・地域の面白い人に出会えるホットスポット、地域に求められている役割など、地域との関わり方を案内する機能を果たす場所、関係人口づくりをお手伝いする場所としての関係案内所が必要
 → 人と地域が関わりを結ぶことができる





◆しまコトアカデミーによる関係人口づくり


〇しまコトアカデミーの戦略的ゆるさ

・「ゆるさ」=居心地のよさ

・半年間の講座では居心地がよくなくては、とても続かない

・もっと関わりたい、友だちになりたい、そういう気持ちを醸成するには、完璧であったり一人勝ちしなかったりすることがポイント


〇これからの地域を盛り上げる3つのキーワード

①関係人口を増やす
②未来をつくっている手応え
③自分ごととして楽しい


⇒ 関係人口が自分勝手に地域に関わるのではなく、地域側の人たちや関係人口同士が参加する、一緒にすることでさらに自分ごとになり楽しい

⇒ つながりが強くなる、関係人口が増える



〇東京と島根県における「あなた」の存在

島根県 712,336人 < 東京都 13,212,226人


→ 分子に「あなた」の「1」を置くと・・・

島根県 1/712,336人 > 東京都 1/13,212,226人


→ 地域の方が1人の重みは大きくなる



〇結果としての移住


・最初から移住を目指しているというより、自分の生き方を考える中で、地域と関係を結ぶようになり、どんどん距離が縮まっていき、そして移住につながる

⇒ 移住も関係人口としての関わり方の選択肢の一つにすぎない



〇多様な地域との関わり方

・それまで、移住以外に地域と関係する方法がなかった

⇒ 移住する側の「移住」という一方的な行動があるだけで、地域の人との関係はない

⇒ よそ者、他人事感

⇒ 続かない。地域の人に受け入れられない。移住者は増えない






◆関係人口のつくり方


〇関係人口をつくる5つのポイント

①関係案内所を設ける
・建物を整備することではなく、居心地の良い場、居心地の良いコミュニティをつくる
・会いに行きたくなるような魅力的な人がいること


②入り口を広く、ゆるく
・移住だけではない、多様な関わり方を受け入れる
・移住までは考えていないが地域に関心がある人を受け入れる


③役割を提示する

・地域での役割や関わり方=「関わりしろ」を見せる
・関わりしろ=地域課題
 → 地域にとっては課題でも、関わりたい側にとっては「自分が関わるべきテーマ」になりえる
・地域課題の解決のお手伝いができるからこそ、ソーシャルな気持ちを持った人々にとって手応えが感じられるし、役割も感じられるし、その地域を選んで関わろうという気持ちを持つことができる


④自分ごとにする
・「取り組むべき」とするのではなく、自分の強みや興味、関心を関わりしろと結びつける仕掛け
 → 自分ごとにならないと長続きしない


⑤人につなぐ(信頼のネットワーク)
・関係人口は、離れていながら地域に関わる仲間というあり方
 → 地域で動いたり、想いを持ったりしている地域の人と協力する必要がある
・地域の人とのリアルなつながり

⇒ 地域の人とリアルな関係があってこそ、地域の人たちからの信頼を得られる



〇人口減、人材増


・地域の「人口」は、減ることは避けられない

・地域に関わる人である「人材」が増えるのなら、地域の活力になる

→ 本当の地域の消滅は、地域に関わろうとする人が減り、いなくなったとき


⇒ 人材は使われないと腐る。宝の持ち腐れ

⇒ うまく活用することで、地域の「人財」とすることができるか


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


本書を読むのは、もう何度目だろうなあ。

関係人口はやっぱり面白い!


今のテーマは、「関係人口」をもっとなじみやすい、ほぐした言い方がないかを考えること。

ファン、共感者、仲間、メンバー、協働者、支援者、応援者、パートナー、サポーター・・・



探求は続きそうです。



移住にも、起業にも役に立つヒントやアイデアが盛りだくさん!!地方移住・起業などの事例紹介サイト「MACHI LOG」


machi log



地方での暮らしや起業を考える上で、非常に参考になるサイトを見つけました!!

どの記事もすごく参考になったので、ご紹介したいと思います。



その名は「MACHI LOG

https://machi-log.net/


地方創世の地方移住や起業事例などを紹介しているサイトです。

どの記事も非常にクオリティが高く、地方での暮らしや仕事のリアルがよく分かり、もちろん読み物としても楽しめます!



どれもすごく参考になるのですが、特に私が気になった記事を簡単にご紹介したいと思います。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆地域ビジネスの創出に関する記事


「話題の地域商社こゆ財団のイベントに60名以上が集結。地域ビジネス創出のコツとは?

https://machi-log.net/?p=68035

〇宮崎県新富町を拠点に、特産品販売や起業家育成などの地域ビジネスの創出に取り組む「一般財団法人こゆ地域づくり推進機構(こゆ財団)」の活動


・雇用の創出
→ 起業家育成

・持続可能なビジネスを実現するために、稼いだお金を町に還元する

・起業家が育てば町が潤い、ビジネスが拡大する


〇こゆ財団代表理事、地域プロデューサーの齋藤潤一氏

・地域づくりに大事なことは「笑顔とお金」
→ 年商1000万円の事業でも、100事業あれば100億円。小さなビジネスの集合体を目指す

・地域ビジネスのコツ
①「ワクワクする」こと
ワクワクするくらい自分の好きなことなら、誰かに指示されなくても自然に動き出せる、継続できる
②地域の課題を解決すること
地域にとって必要となるビジネスをつくる
③リスクの高い補助金を使わず、自主財源で運用する

→ 失敗を恐れずチャレンジする「1勝99敗」の精神とトライ&エラー



◆地方移住し、起業した事例に関する記事

「家族と幸せに暮らすための ”最適解” が「地方で起業」することだった 宮城県丸森町「カフェ ペルシッカ」西岡さん」

https://machi-log.net/?p=69571

・起業するなら、都市で埋もれるより、地方に「無い」ものを作った方がいい
→ 起業するのに、田舎はむしろ有利

・失敗しても、それを糧にまた他レンジできる。2、3年やっていくうちに、どんどん不安が減って自身が大きくなっていった

地元の人ほど、「ここには何の価値もない」
→ 誰もやらないなら自分がやる。田舎は何だってできる

・目的はシンプルに「自分と家族が幸せに暮らすこと」
→ 「何がやりたいか」ではなく、どんな風に暮らしたいか、そのための仕事を作っていけばいい
→ 目的のために必要なことを積み上げる

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~


MACHI LOGに掲載されている記事は、いずれも地方移住や地方での起業の「生の姿」を鮮明に語ってくれています。

また、豊富な事例に加えて、こゆ財団代表理事・地域プロデューサーの齋藤潤一さんをはじめ、西粟倉村エーゼロの牧さんなどの地域ビジネスで実績を上げている方との対話など、実例から学ぶべきところがたくさんあります。

しかもどの記事も1~2分くらいで読むことができ、何といっても読みやすいのが魅力ですね。



地方移住や地域でのビジネス、起業をお考えの方にぜひオススメです!

MACHI LOGサイトはこちらから。

雨ん中、「やまんなか」(埼玉県ときがわ町おためし住宅)を体験! ~ときがわで、「令和」を迎える~

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いきなり家を借りたり買ったりして移住するとなると、やはりハードルを高く感じるもの。

移住したいけど、実際の暮らしがどんなものか気になる・・・。

そんな移住のハードルを解消するために、「お試し移住」が体験できるのが、埼玉県ときがわ町のおためし住宅「やまんなか」です。



ときがわ町を頻繁に訪れるようになり、ときがわ町のすばらしさを知っていくうちに、この施設のことも前から気になるようになりました。

10連休で何日か利用してみようか・・・と実は狙っていたのですが、人気の施設のようで、3月中旬頃に調べたときは予約がいっぱいであきらめていました。


それが10連休が間近という時期になって急遽1日(1泊2日)分のキャンセルが出たということで、即座に申し込み!

平成から令和へと切り替わる記念の日を、ときがわ町で過ごすことになりました。



◆雨ん中、「やまんなか」へ


あいにくこの日は朝から雨。

でも雨男の私にとっては想定の範囲内。

家族も半ばあきらめムードです笑


まずは食材の買い出し。

1日しかないため、「やまんなか」を満喫すべく、籠城するための最低限の食材を調達します。

そしていざ「やまんなか」へ。


第一印象は、とにかくキレイ!

約1200万円をかけて、空き家となっていた古民家を町がリフォームしたとのこと。

床や壁もほとんどが真新しい木材でピカピカの中、玄関と和室の巨大な梁がひと際目を引きます。

部屋数も多く、間取りも気に入りました。(将来への参考になるかも・・・)

これで1泊はもったいないなあと思いました。

友人や親戚など複数の家族での利用も面白そうです。

↓(やまんなかをぐるっと巡って大公開)
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平屋建ての一軒家、しかも周りに人家なし。

ということで、特に子どもは大興奮!

ついたそばから家じゅうを駆け回り、ゲラゲラ笑いながらあっちこっちを転げまわる。

レンタルの布団が届けば、それに向かってダイブする。

家じゅうを使ったかくれんぼなど、雨で外には出られなくても、十分楽しめた様子です笑。



夕方近くになって、雨が一時止んだので、目の前の斜面でタケノコ掘りに。

数はそれほど多くなかったけれど、めぼしいものをザクザク掘って、その場であく抜き。

夕飯のメニューに入れることにしました。


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夜はうどん


◆「やまんなか」でだるまをつくる


テレビが備え付けられていましたが、普段もほぼテレビを見ないようになっているので、特に見たいという気持ちも起こらず、じっくりと時間を使うチャンス。

この機会に、家族みんなでだるまづくりにチャレンジ!



小川町で調達してきた和紙とでんぷん糊を使って、だるまを飾り付けていきます。

やっぱりやってみると新しい気づきやイメージがわいてきますね。

1時間ほどかけて、家族それぞれのだるまが完成!

なかなかいいだるまができたんじゃないでしょうか。

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◆ときがわで、令和を迎える ~ときがわ町への謝辞~

短い時間でしたが、ゆったりのんびり家族だけの時間を過ごすことができた1泊2日でした。

決して有名な観光地があるわけでもなく、お店や交通手段も限られて派手さはないときがわ町ですが、今や私たちにとって大切なまちであり、大切な人たちが関わっているまちです。

そんなまちで、家族と充実した時間を過ごせたことは幸せでした。



テレビを見ていないので、令和を迎えたことで世間がどのように反応したのか(していないのか)はわかりませんが、昭和に生まれ、平成を経て、令和を迎えたということに、なんとなく感慨深いものがあります。

平成の後半に2人の子が生まれ、この子たちが過ごす未来はどんな未来になるんだろうなあと思いをはせたりします。

この子たちには自分の好きなことで自由に生きてほしい。

そのための土台づくりとして、私たち夫婦が自由に生きることにチャレンジしているんだと思います。

もちろんそれは子どもへの義務感ではなく、自分たちの希望でもあります。



そんな希望を持てたのも、ときがわ町でいろいろな人たちと出会えたからこそ。

ときがわ町との出会いに感謝です。

今後もお世話になります笑

ありがとうございました!

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