「⇒」は個人的な気づき、学び
◎本書の趣旨
・セルフ・アウェアネスとは、「自己に意識を傾けること」
・自己認識には、内面的自己認識と外面的自己認識がある
・セルフ・アウェアネスは、これからのリーダーの必須科目である
◆セルフ・アウェアネスとは何か?
・自己認識とは、自分の感情、長所、短所、欲求、衝動を深く理解することである
・ほとんどの人は、自分は自身を知っていると信じているが、条件を満たしている人は10~15%しかいない(著者調査結果による推計)
〇自己認識能力が高い人の特徴
・自分自身に対しても他者に対しても正直
・自分の感情が、自分自身、他者、自分の仕事の結果にどう影響するかを認識している
・自分自身の価値観や目標が理解できる
・より自信があり、より創造的である
・より適切な判断を下し、より強い人間関係を築きコミュニケーション能力も高い
・嘘をついたり、だましたり、盗んだりする可能性が低い
・仕事のパフォーマンスが優れ、昇進しやすい
・より有能なリーダーであり、部下の満足度が高く、会社の収益向上にも貢献している
〇2種類の自己認識
・内面的自己認識・・・自分の価値観、情熱、願望、環境への適合、反応、他者への影響力について認識すること
・外面的自己認識・・・他者が自分をどのように見ているかの理解
〇経験と権力は自己認識の妨げになる
・人は経験から必ずしも学ぶわけではない
→ 事前の下調べ、反証的証拠の探求、自分の思い込みを疑う妨げになる
〇内省によって自己認識が必ずしも高まるわけではない
・内省する人は、自己認識度がより低く、仕事の満足度と幸福度も低い
・内省で使われる問い「なぜ」は、間違った答えを導き、非生産的なマイナス思考を招く
→ 「なぜ」ではなく「何」を問いかけるべき
→ 「何」という問いは、客観性と未来志向を持ち、新たな洞察に基づいて行動を後押しする
◆仕事にしたい好きなことを見つける2つの方法
・自分が好きなことを仕事にするべきという意見に懐疑的な人が多い。自分が好きで情熱を注げることを仕事にすることがなかなかできない人が多いのはなぜか
→ 多くの人は、成功したからそういえるのだという感想を持つ
・最終的に成功できたのは、自分が好きで情熱を注げることを仕事に結びつけたからという事実
→ 好きになるには心がわくわくすることが必要
→ 潜在力をフルに発揮するには心と身体を働かせなければならないため、心が喜ぶことは重要
→ 好きという気持ちがあれば、努力を重ねて技術を磨き、苦しい時期を乗り越え、自分の仕事や人生に意味を見出すことができる
⇒ 好きでないと続かない
⇒ 続けられないとプロになれない
・恐怖心や不安を心から離し、自分の希望や夢を意識する
→ 出てきたいろいろなアイデアを、検討する前に排除しない
→ 「どのようにやるか」を心配する前に、「何をやるか」に焦点を当てる
◆セルフ・アウェアネスは、これからのリーダーの必須科目である
【従来のリーダーシップ論】
・いかに人を圧倒し、権力を持って人を動かすか
・リーダーは、数字、ロジック、ビジネスモデルを語る
・「自己に意識を傾ける」のは敗者がすること
・リーダーの取るべき行動やリーダーの役割などの「doing」に焦点が当てられる
・カリスマ型のリーダーは、自己愛が強すぎるあまり、自己陶酔して自分を見失い、人として大切な倫理観を失って道を踏み外してしまうことがある
【これからの新しいリーダーシップ論】
・自己の強みや専門性を活かして、他を動かす側面が重視される
・オーセンティック・リーダーシップ・・・リーダーが自分の強みや弱みを見極め、自分らしさを発揮する。誠実さ、倫理観などの内的な基準に結びつく
・人として大切な倫理観を失わず、道を踏み外さないために、リーダー自身のあり方「being」に焦点が当てられる
・不確実性の時代、正解のない時代には、チームのメンバーが、自分自身についての内省を深め、強み弱みを知り、それぞれの分野の専門家としてチームに貢献しなければならない(シェアード・リーダーシップ)
・自己分析による内面的自己の掘り下げは比較的多く行われているが、外面的自己を理解する試みが圧倒的に不足している
→ 影響力の過剰見積もり、過小見積もりを生む
→ 他者からのフィードバックを意識的に増やし、内面的自己認識と外面的自己認識のバランスをとることが重要
⇒ 自己分析系ワークでは、単なる自己分析だけでなく、他者との共有の時間を設けることで、内面的自己認識と外面的自己認識を深めることができる