SAITAMA(埼玉)暮らしと本が最強なワケ

サイタマ産まれ、サイタマ育ちの共働き夫婦によるサイタマ暮らし。 ほとんど埼玉を出ません。 埼玉LOVE♡ 本もLOVE♡ なので書評も書いています。

起業家

『最速で10倍の結果を出す他力思考』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~

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個人起業家の必須ツール「他力思考」




小林正弥さんの3冊目の著書である『最速で10倍の結果を出す他力思考』

『自分を最高値で売る方法』
『億を稼ぐ勉強法』

の前著2冊は、自分にとって非常に学びになった本でした。

とくに印象に残っているのは、『億を稼ぐ勉強法」にあった一節。


人は、自分のことを考えると悩み、顧客のことを考えると知恵が出る



この言葉はこれから起業する私にとっては、ビジネスで最も大切な顧客づくりに欠かせない重要な気づきになりました。



今回のテーマは、タイトルそのままの「他力思考」ということで、こちらも起業家にとっては重要なこと。

私たち一人起業家は、身軽ではありますが、なんでも一人で抱え込んでしまいがち。

でも、考えてみれば、一人起業家だからって全部自分でやらなければいけないという決まりはありません。

信頼できる仲間がいれば、強みを分け合うことができる。

わかっていそうでなかなか気づいていない、非常に大切な視点に気づかせてくれました。



仲間がいるのって本当に心強い!

そんな仲間をつくっていくためにも、自分も強みを磨かなければならない。

そう改めて決意させてくれた1冊でした。




↓ 本書の内容紹介はここから
~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「⇒」は個人的な気づき、学び


◎本書のポイント

・自分の力だけで頑張る「自力思考」をやめ、他人の力や応援を借りる「他力思考」にマインドシフトすることで、自分を超えた目標を達成することができる

・自力思考と他力思考

【自力思考】
①自分の頭を使う
②自分の時間を使う
③自分のお金を使う
④自分の手足を使う
⑤自分のエネルギーを使う
⑥自分の人脈を使う
⑦自分のモノを使う

【他力思考】
①人の頭を使う
②人の時間を使う
③人のお金を使う
④人の手足を使う
⑤人のエネルギーを使う
⑥人の人脈を使う
⑦人のモノを使う


他力を使えない人の4つのタイプ「頑張り屋タイプ」「競争心旺盛タイプ」「八方美人タイプ」「チェック魔タイプ

・目的を設定するときに、達成基準や手段を知っている必要はない

・自分を超えた夢が実現する「他力思考」7つの技法
人の頭を使う
人の時間を使う
人のお金を使う
人の手足を使う
人のエネルギーを使う
人の人脈を使う
人のモノを使う


・相手から何かを教わりたい場合は、相手の期待値を予想してそれ以上のものを返す

・信頼に人もお金も集まる

・「やりたいこと×得意なこと」だけやる

・仕事をお願いした相手と良好な関係を築くには、やりがい、成長、人脈など、相手が望むものを、それ以上に与える

・自分の強みに集中し、経済価値がが高まるほど、相手との価値交換は容易になる

・「自力×他力」の最大化が、とてつもない目標を達成させる最大のポイント

「他力思考」を磨く5つのステップ
①自分だけでは到底達成できない夢を描く
②自分の不得意に降参する
③人が真似できない得意に磨きをかける
④好きな人とだけ付き合う
⑤自分の持っていない強みを持つ人と組む







◆自力思考と他力思考


・自分の頭や手足を使って頑張る「自力思考」には限界がある。収入、時間、場所、成長、すべての面で自由になるには、他人の力を借りるほかない

・自分の力だけで頑張る「自力思考」をやめ、他人の力や応援を借りる「他力思考」にマインドシフトすることで、自分を超えた目標を達成することができる

・自力思考から他力思考に考え方を変えると、競争という殺伐とした世界から、分かち合いの幸せな世界に変わる
 → 「必要なものは全部ある」という感覚に包まれる

・他力思考でビジネスモデルとチームを構築すれば、脱力して、好きな人と、好きなことをやっているだけでお金が入ってくる



〇自力思考と他力思考

【自力思考】

①自分の頭を使う
②自分の時間を使う
③自分のお金を使う
④自分の手足を使う
⑤自分のエネルギーを使う
⑥自分の人脈を使う
⑦自分のモノを使う


【他力思考】
①人の頭を使う
②人の時間を使う
③人のお金を使う
④人の手足を使う
⑤人のエネルギーを使う
⑥人の人脈を使う
⑦人のモノを使う
 


〇他力を使えない人の4つのタイプ

①頑張り屋タイプ

・1馬力で勝負しようとする
・周囲の人が協力、応援しようとしても隙がない
・「結果が出たら報告します」と頑張っている割には成果が出ない
・こまめに相談する人の方が成果を出すのも成長も早い

→ 仕事もプライベートも隙のあるくらいの方が好まれる。「好き」は「隙」に入ってくる

⇒ ビジネスではないが、関係人口でも同じ議論がある。人・モノ・情報があふれかえってないものがない東京よりも、ないものが多く関わりしろが多い地方の方が若者を惹きつける


②競争心旺盛タイプ
・一匹狼になりがちで人と交わらない
・人を介してやってくるチャンスが少なくなる


③八方美人タイプ

・自分の軸を持たず、相手に好かれようと自分をコロコロ変えるので信頼されない
・信頼されない人は他力を使えない


④チェック魔タイプ
・常にチェックしていると相手は思考停止に陥り、依存的になる
・過度なチェックは相手を信頼していないことが伝わる





◆自分を超えた夢が実現する「他力思考」7つの技法


〇目的と手段は分けて考える


目的・・・最終的に達成したい夢・ゴール
目標・・・目的の達成基準
手段・・・目標達成の方法

・目的を設定するときに、達成基準や手段を知っている必要はない
 → 自分でも目標や手段が明確にわかるものは、目標ではなく、過去の延長線上にある単なる予定、ルーティンなってしまう

・手段まで全部自分で考える人は過去の延長で生きており、代わり映えのない人生を過ごしている
 → 人生を変えたいなら、過去の延長に理想はない
 


〇技法1 人の頭を使う


・成功者の稼ぐ思考を借りる

・記憶力より、「検索力」「質問力」を磨く
 → 「検索力」で、googleで必要な知識や情報を引き出す
 → 「質問力」で、解決策を持っている人に聞く

・どのような質問をすれば、相手の素晴らしいアイデアや考えを生きだせるのかを考える

相手から何かを教わりたい場合は、相手の期待値を予想してそれ以上のものを返す

・相手の知識を盗むのではなく、お借りしている、広がる支援をしているというメンタリティが大切

・教えを実行しながらフィードバックをもらう



〇技法2 人の時間を使う


・自分の時間は、どんなに頑張っても1日24時間しかない

・YouTube、ブログ、本を使うと時間の制約はなくなる
 → 読む時間、視聴する時間に使うのは、相手の時間
 → 時差や国境も関係なく、世界中の人に、相手の時間を使って自分の知識をシェアできる

・苦手なことをやればやるほど、時間やエネルギーなどのいろいろなコストが増大し、得意なことまで弱る

⇒ 人の時間を使うことで、自分の予定があく
⇒ この時間を使って、新しい事業を考える。いつ訪れるかわからないチャンスに備える



〇技法3 人のお金を使う

・お金があるから夢や目標が叶うわけではなく、素晴らしい夢や目標にお金が集まってくる

・相互メンター制度・・・自分のスキルや知恵と、相手が持っているスキルや知恵を等価交換することで、そこにお金が発生しない仕組み

・信頼に人もお金も集まる
 → 相手から、信じて、頼られる存在になる
 → 有言実行すること

⇒ 最も基本的なのは「約束を守ること」



〇技法4 人の手足を使う

・「やりたいこと×得意なこと」だけやる

 → 「やりたくないこと×得意なこと」「やりたいこと×苦手なこと」「やりたくないこと×苦手なこと」は、ほかの「やりたいこと×得意なこと」の人にお願いする

・自分の時間単価を上げる

・仕事をお願いした相手と良好な関係を築くには、やりがい、成長、人脈など、相手が望むものを、それ以上に与える
 → 相手の「好き×メリット」を見極める



〇技法5 人のエネルギーを使う

・目標達成率は、「達成を信じる人の数」と「想いの強さ」の掛け算によって生み出されるエネルギーの総量に比例する

・約束すること=コミットメントで、やらざるをえない環境に身を置く
 → 誰かのためなら自分を超えたエネルギーが湧いてくる

・自分の能力を超えた夢やゴールに他力は集まる
 → 自分ひとりでできること、私利私欲の範疇では他力は発動しない



〇技法6 人の人脈を使う

・「誰から紹介してもらえるか」が大切
 → 紹介者の信頼レベルで、信頼度が決まる

⇒ 紹介者に信頼される自分になる
⇒ 紹介者との信頼関係が大切


・24時間365日働く自分紹介ツールをつくる
 → 書籍、YouTube、公式サイト、パンフレット



〇技法7 人のモノを使う


・人とシェアする共有欲を満たすことで、他力を使いやすくなる

・所有欲を終わらせて、「それ貸して」と言える自分になる

・Google、YouTubeなどの無料ツールを使う
 → 人間がやるべきは、他力を使って生産性を無限に伸ばす方法を考えること





◆目標を達成するための他力思考


・あくまでも「お借りしている」という意識で、借りたものを返そうと意識して実践していくうちに、潜在能力が開花していく

・自分の強みに集中し、経済価値がが高まるほど、相手との価値交換は容易になる

・「自力×他力」の最大化が、とてつもない目標を達成させる最大のポイント



⇒ 最初から人任せでは相手が迷ったときのディレクションやマネジメントができない
  自分やってみることで、自分に足りないものやお願いする相手を見極めたり、判断したりする能力を身につけることも大切

⇒ 丸投げではなく、主体性を確保することは必要





◆「他力思考」を磨く5つのステップ



①自分だけでは到底達成できない夢を描く
・WHAT(夢・目標)と同時にHOW(方法・計画)を考えない
 → WHATとHOWを同時に考えると、今の自分が達成できる夢・目標しか描けない



②自分の不得意に降参する
・短所を克服している暇があるほど、人生は長くない

⇒ 前提として、長所と短所を見極められていることが必要

⇒ 見極めるには、まず自分でやってみて判断すること
  やらないと、できるかできないかわからない



③人が真似できない得意に磨きをかける

・自分の得意に磨きをかけ、経済価値を高めれば高めるほど、必要な他力は手に入りやすくなる
・コピペしたくてもできない得意を磨くには、結果にコミットする



④好きな人とだけ付き合う
・相手の他力を引き出す原動力は、相手に好きになってもらうこと



⑤自分の持っていない強みを持つ人と組む
・自分の強みを磨き、自分が持っていない強みを持つ人と組むことで、生み出す結果、も受け取る報酬も、やりがいも飛躍的に伸ばすことができる

⇒ チームを組んでお互い強みを共有るすることで、受けられる仕事が多くなる
⇒ 総和としての経済価値も大きくなる




『ローカルベンチャー』まとめ ~ローカルビジネス・起業のためのエッセンス読書記録~




【地域への圧倒的な熱量と行動力、地域が持つビジネスの可能性に胸が熱くなる1冊】


ローカルベンチャーとは、地域の宝物を自分なりの視点で見つけ、地域でビジネスを起こす。そして起業家たちが増え、お互いに関連を持ちながら、その地域の経済を成り立たせていく事業のことです。

本書の著者である牧大介氏によって提唱されたものです。



著者の牧大介氏は、自らも岡山県西粟倉村で「西粟倉・森の学校」と「エーゼロ」という2つのローカルベンチャーを手掛けるとともに、ローカルベンチャーの育成にも取り組み、人口約1500人という小さなまちでまさにローカルベンチャーのうねりを巻き起こしています。

地域に関わる上で、著者が抱いてきた、そして今も抱いている最も大きな問題意識は、「地域にはプレイヤーが足りない」ということ。

人やお金などを実際に動かさないと何も地域は変わらないし、地域でプレイヤーが増えないと社会を変えていくことはできないと著者はいいます。

そして、「仕事がないんだったら、仕事をつくる人がいたらいい・・・分厚い報告書をつくることよりも、そういう人が1人でも地域にいることのほうが、きっと意味がある」と考えるに至り、自らもローカルベンチャーに、そしてローカルベンチャー育成に身を投じてきました。



しかし、そこにある想いは、人口減少や高齢化に苦しむ地域への「あわれみ」からではありません。

著者は、「地域にはビジネスの可能性があふれている」といいます。

本書で述べられているのは、著者が学生時代で経験した地域でのフィールドワークや、西粟倉村での事業活動を通じて確信するに至った、地域に眠るビジネスの可能性についてです。

同時に、知識やスキルを学ぶための単なるノウハウ本ではなく、まちづくりの一実践書として、そして地域に眠る可能性を振り返るきっかけとなる本として、ぜひまちづくりに関わるすべての人に届けたい内容ですね!

特に、地方自治体に勤める公務員は絶対読むべきです笑



以下、本書で私が心惹かれた個所を整理します。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆森や木から価値を生み出す「西粟倉・森の学校」の取り組み

〇百年の森構想

・村が掲げた「百年の森構想」
→ 「村の森林は村役場で預かる」、「木材の加工・流通・販売など総合商社としての役割は『西粟倉・森の学校』が担う」、「森林組合は現場の仕事(管理・伐採)を全うする」という地域での役割分担
・村における林業関連の売り上げが、「百年の森構想」を掲げた2008年の約1億円から、10年間で8億円に成長


〇「西粟倉・森の学校」


・ほぼ全員素人からのスタート
・少量多品目の木材加工モデル
・木材の価値を最大限に生かす(森や木に価値を生み出す)
・地域の人が働きやすい職場づくり
→ 家族の予定に合わせて休み、労働時間を自由に調整できる


〇「西粟倉・森の学校」の活動を通じて得た新たな問題意識


・地域全体に多様な価値が眠っているなか、木材や木材製品を売るだけでいいのか
・農業、林業、水産業という枠を超えて、自然資本として価値をつなげていかなければならない
・農業、林業、水産業を横につないで循環させる何かができれば、地域全体の循環が可能になる
・地域での循環が大きくなっていけば、地域経済の自立度も高まっていく
→ 日本の田舎に自立度の高い経済があれば、人が生きていくのを支える基盤になる

→ 地域で多くの価値が埋める仕組みづくりのための2つめのローカルベンチャー「エーゼロ」の展開




◆「地域や社会へさまざまな価値を生み出す土壌になりたい」からはじまった「エーゼロ」の取り組み

①自然資本にまつわる事業

・森林、山、土壌、海、川、大気、生き物などを「自然資本」ととらえ、自然資本が持つ本来の力を引き出し、価値を創造する
・自然資本の中で循環を生み出し、その価値が高まっていく仕組みづくり
・林業と水産業、農業をつなげる第一歩としての「うなぎの養殖」
→ 「西粟倉・森の学校」で捨てられる木くずを燃料に
→ ふん、排水を、肥料として畑に循環させる
→ 農業への循環
・年間通じて作業を平準化するため、冬は鹿やイノシシなどの獣肉加工


②ローカルベンチャースクール

・地域で新たなビジネスを生むためのローカルベンチャー支援
・本当にやりがいをもって挑戦していける状態になるためには、地域の資源や人の可能性を発掘していく作業が不可欠
・「こうすれば評価される」よりも、「自分がこうしたい!」と自分起点であることが大切
→ 口で言っていることが自分の心のピュアな欲求がつながっていないと、事業プランに核にその人がいなくなってしまう
・ローカルベンチャーを育てることを通じて、そこに関わる私たちや地域の人たちも、何かにチャレンジしていくことを学ぶ場になっている
・「ローカルライフラボ」起業予備軍の人たちが、一旦村に住んで、自分自身や地域の可能性を探求する期間を設ける
→ 定住を義務付けない=「関係人口」
・村内で、各分野の最先端の経営者から学ぶ「ローカルモーカル研究会」
・「西粟倉村がすてきになれば、西粟倉村で売っているものは全部買いたくなる」
・お金では買えないストーリーが地域にはある

→ 会社の手段になることなく、その人らしくありたいという生き方を中心に置いて成立するのがローカルベンチャーの魅力


③ふるさと納税・地域商社事業

・地域や自治体のファンづくりを継続的に進める仕組みづくり
・ミッション「関係人口づくり」
・北海道厚真町で展開
・ローカルベンチャーを地域で育てやすくなる土壌をつくることができる


④建築・不動産事業

・「西粟倉・森の学校」と「エーゼロ」で、伐採、製材から住宅の設計、施工、物件管理、入居者募集、移住・起業支援までを一気通貫で実施可能に
・素材とエンドユーザーをどうつなぎ直すか
・地域全体の価値を上げ、住みたい・暮らしたい場所にしていくことが大切
→ 「この地域に住みたい」「ここで挑戦したい」という人が増えると不動産価値が上がる


〇エーゼロが目指すもの


・「地域経済を醸す」(キャッチコピー)
・地域経済をよくするのは、地域全体の売り上げと、地域全体で発生するコスト(外に出ていくお金)の2つを考えればよい。地域から出ていくお金を減らして、生まれる価値の量を上げるだけ
・地域経済が発酵しやすい「地域のスケール」(規模感)がある
→ 大きすぎるとプレーヤーも多くなる
  行政も大きくなり、組織が複雑に
  動かすのに大きなエネルギーが必要



◆地域にローカルベンチャーを増やすために自治体ができること

・民間のプレーヤーを増やすには、まず自治体から始めることが効果的

・自治体職員こそが、真剣に地域住民のこと、地域の未来のことを考え、行動し続けていることが大自

・自治体がローカルベンチャーになることが一番の早道
→ 個人レベルでのプロジェクトの立ち上げやチャレンジ、仮説検証がたくさん出た中で、いい芽が出たらそれを伸ばす自治体組織
→ 「創発型地域経営」

・自治体主導の計画に縛られて結果が出ない「計画にこだわってがっかり」に陥らないよう、「行き当たりばったり」からの「行き当たりばっちり」を目指す

・自分で主体的に行動して、何かを生み出していく「起業家型公務員」がいる地域にこそ、ローカルベンチャーは集まる



◆ローカルベンチャーの目指すもの


・地域には「資本主義」が足りない
→ 「お金なんてどうでもいい」ではなく、しっかり売り上げを伸ばして、生産性を高め、そこそこの給料を出せる会社を地域で増やす

・農山漁村にはまだやれていないことがたくさんあって、チャレンジする前からあきらめているだけ
→ 自分たちの力で地域経済を盛り上げていこうとするベンチャーマインドが必要

「好きだから続けていけるし、好きだから本物になる。本物になるから生き残っていける」(西粟倉村本村長 道上さんの言葉)

・移住者は、何の財産も持たずに、まったく無防備な状態で地域に入っていくことになる
→ 自分の夢は夢としてありながら、気持ちよく地域の人たちに応援してもらえる存在になること
→ まず精一杯自分の夢を追いかけ、「自分を幸せにするために」」地域で生きる、チャレンジする
→ お世話になった人たちへの感謝の気持ちが心の底から湧き上がってきたら、そのときにやっと「地域のために」頑張ればいい

・自分がワクワクするビジネスは、自分のことも、人のことも幸せにできる

・地域にいろいろなベンチャーがあるほど、組み合わせが増え、多様なものがつながり合って多様な価値が生まれる可能性が高まる
→ 「地域にはビジネスの可能性があふれている」

・地域には愛情=ローカルベンチャーの成長を支える大きな応援のエネルギーが眠っている
→ ローカルベンチャーが現れたとき、地域の未来をあきらめたくないたくさんの人が応援してくれる
 その人たちの愛情=エネルギーをいただきながら、成長していくのがローカルベンチャー

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

本書には、「地域の無限の可能性」への想いが満ち溢れています。

それにつられてつい長くなってしまいました・・・笑



地域にある豊かな自然は、「自然資本」であるという考え方にまずハッとさせられます。

自然それ自体が生かすべき資源ということですね。

しかもそれが広大に眠っているんです。

でも、あるだけでは何の価値も生み出しません。

やはりそこに人が関わることで、資源に価値を見出し、価値を高めていくことが大切なんですね。



そして地域経済ということを考えたとき、地域で発生する消費をいかに地域内でまかなえるかという視点も勉強になります。

日本全体を考えるとよくわかります。

日本は食料自給率40%といわれますが、これは国内で消費されるもののうち、輸入するものでまかなっているカロリーが60%ということです。

でも実際は国内で生産されているものはもっと多く、それが海外に輸出されていたりします。

なので厳密には食料自給率ではなく、食料の「国内消費率」なんですね。

海外から輸入するのには余計な輸送コスト(お金、エネルギー、時間)がかかりますし、輸出するのにも同じことがいえます。

要するに「無駄」が生じているわけです。(まあ、国の場合は政治的な要素が多分に関係していますが・・・)

地域外から持ってきていたものを地域内で生まれたものに置き換えてみるとどうなるか、地域内で生み出すことはできないだろうか、著者のチャレンジの背景にはそのような発想が常にありました。



そして最後に、「まず精一杯自分の夢を追いかけ、『自分を幸せにするために』地域で生きる、チャレンジすればいい」という言葉。

最初から、「地域のために」というのはウソや無理があるということなんですね。

どうしても気張ってしまって、自分が望まないことをやらざるをえなくなったりする。

そうなると自分も楽しくないし、チャレンジをあきらめたり、地域から出ていったりして結果的に地域のためにもならなくなってしまう。

そうではなく、まず自分が好きなこと、ワクワクすることをやろうというのは非常に勇気が出る言葉です。

「自分がワクワクするビジネスは、自分のことも、人のことも幸せにできる」という発想ですね。

そして何より好きでないことは続かない。

「好きだから続けていけるし、好きだから本物になる。本物になるから生き残っていける」という元村長の言葉は至言だと思いました。




まちづくりに関わる者として、これからの起業を目指している者として、胸熱くなる1冊でした。

大切な1冊となりました。

ありがとうございます!


起業家=フリーランスの3つの自由から、起業の方向性を考える(『フリーランスがずっと安定して稼ぎ続ける47の方法』)




【会社にいることに窮屈さを感じ、独立・起業を意識しはじめた人にオススメ】


本書はフリーランスによる独立・起業について書かれている本です。

ウィキペディア(Wikipedia)によると、フリーランスとは一般的に次のように解釈されます。

特定の企業や団体、組織に専従しておらず、自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主もしくは個人企業法人である。日本では「自由業」「自由職業」「フリーランス」と呼ばれる。


となれば、私が目指すミニ起業家という形態も、フリーランスといえるでしょう。

ここでは、「フリーランス=起業家」という理解で、フリーランスという表現を使っています。



本書によると、「幸せなフリーランス」と「不幸なフリーランス」の違いは、3つの自由をコントロールできているかどうかで決まるといいます。

①時間の自由

②仕事の裁量の自由

③収入の自由



先日、ときがわカンパニーの関根さんから聞いたランチェスター戦略でいうところの「長時間労働」の話と、比企起業塾2期生の福島さんから聞いた「ダウンシフト」の話を踏まえ、本書の内容は腑に落ちるところが多かったので、整理してみました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆フリーランスの3つの自由

①時間の自由
・好きな時間に仕事ができる
・好きなだけ働ける
・好きな時間に仕事を区切ることができる

⇒ 1日の中での仕事をする長さとタイミングの2つの「時間」を自分で決められるということ。

「長時間労働」というと、会社での定時に加えて、いわゆる「残業」というイメージでとらえてしまっていた。

そうではなく、たとえば子どもが起きる前の4時から6時、子どもが保育園にいっている8時から17時、子どもが寝た後の21時から23時を仕事にあてることを自ら選択できる。

関根さんの話を聞いたとき、「いかに自分が組織での働き方に染まってしまっているかがわかり、愕然とした。

よくフリーランスは、「自分ブラック会社」のように表現されることもあるが、自分のやりたいことで長時間労働できることはむしろ幸せというべきか。

健康や家族との時間を損なわないように、自分でコントロールすることは必要。

「時間の自由」は、フリーランスの最も大きなメリットだと感じる。

何より「満員電車で往復通勤3時間」という無駄な時間と労力、ストレス、いつ電車が止まるかもしれないという不安や焦りから解消されることが一番大きい!



②仕事の裁量の自由
・一緒に働く人を選べる
・働く場所を選べる
・やりたい仕事を選択できる


③収入の自由
・収入を自由にコントロールできる
・複数の収入源を持つことができる



◆フリーランスになることは「人生の選択」


・「時間」「仕事の裁量」「収入」のそれぞれのウエイトを自分で決める
・ライフスタイルに応じて変えられる
・フリーランスとは、「どんな人生を生きたいか」を選択すること
・自己管理がキーワード

→ 反面、一番のデメリットは、「保障がない」「社会的信用が低い」

⇒ 「社会的信用」に関しては、組織への信用より、「個人の信用度」に社会の価値観が変化しつつある



◆フリーランスで稼ぐための3つの特徴


・「自分が何者であるか」を決める3つの特徴
①職業
②ジャンル
③専門分野・得意分野

→ 3つの特徴の掛け合わせで差別化する、「売り」を絞り込む

・ただし、「誰に求められているか」を考えること。ニーズがなければ仕事として成立しない



◆フリーランス3つのタイプ

①職人ポジション
・特定の分野で高いスキルを身につけ、それを武器に仕事につなげている人
・ポイントは「情報発信」
→ スキルは目に見えないので、高いスキルがあることをお客さまに理解されるよう、発信して「見える化」すること


②相談役ポジション
・悩みを整理、解決することが得意な人
・単価が落ちにくい
・ポイントは「値付け」
→ どこから有料か、いくらかを決める

⇒ 商品やサービスのパッケージ化は有効と感じる


③城持ちポジション

・特定分野のカリスマで、コアなファンを獲得している人
・情報発信が得意
・自分のライフスタイルを切り売りする
・ポイントは、城のメンテナンスに手間と時間がかかること


〇3つのタイプの資質

・1人に①から③のタイプのそれぞれの資質がある
・自分にどの能力があるか、どれを高めれば稼ぐ力を高められるかを判断して学ぶ
→ 仕事を「ベーシックインカム層」「収益層」「投資層」に区別する

⇒ 自分と異なるタイプの強みを持つ他のフリーランスとタイアップすることで補うという発想もありか


〇仕事の3つの層

①ベーシックインカム層
・収入の基盤をつくる
・1回の収益は高くないが、継続が見込める、ストレスが小さい

②収益層
・大きな売上げが見込める

③投資層

・将来手掛けたい分野
・好きな分野のスキルを磨き、高い能力を身につけて、自分の好きな仕事の実績を増やす

→ これらの3つの組み合わせを踏まえ、「収益性(売上げが高いか」「将来性(将来の売上げ増につながるか)」「投資・関心(自分のスキルアップにつながるか)」という3つの指標から優先すべき「大切なお客様」を判断する

~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

「自分がどんなライフスタイルを目指すのか」、「何を目的に起業するのか」を明確にすることが、起業する上での前提となると感じました。

本書でいうフリーランスの3つの自由、「時間の自由」「仕事の裁量の自由」「収入の自由」のうち、私が一番重視するのはやはり「時間の自由」です。

そうであれば、必要以上のお金を稼ぐ必要はない。

売上げが上がるに越したことはありませんが、売上げアップを常に狙って、必要以上にガンガンやるということはストレスになるので、その選択肢はないということですね。



本書を読んで、起業について改めて考えることができました。

ありがとうございました。


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